【天才が見た天才】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/490536941X
本日ご紹介する一冊は、アメリカの自動車王と呼ばれたヘンリー・フォードが書いた、発明王トーマス・エジソンの言行録。
フォードは最初、エジソンの会社に入り、後に独立して自動車王への道を歩むのですが、じつは社員時代からエジソンに自動車づくりを応援してもらい、アドバイスももらっていました。
本書は、そんなエジソンから直接薫陶を受けた、ヘンリー・フォードによるエジソン論。
これが面白くないわけがありません。
知人のすすめで絶版本を買ってみたのですが、確かに最近の本にはない前向きな精神がみなぎっています。
執筆は、ジャーナリストで経済関係の記事を得意とするサミュエル・クラウザーが書いており、それゆえに表記は共著となっています。
内容は、フォードとエジソンの出会いに始まり、フォードがエジソンから受けた影響、発明の秘訣、好奇心を持つコツ、成功の秘訣まで、多岐にわたります。
昔の本なので、最近の洗練された自己啓発書や評伝、成功ノウハウ書と比べると、論理性やまとまりに欠けますが、天才が天才の何を見ていたのか、ピンポイントで学べるところが魅力です。
これを読む限り、エジソンは発明家というよりは実践の人であり、それゆえに本書は実業家にこそ役立つ一冊です。
次々と人類の役に立つ発明を成功させ、世界最大級の企業を創ることにも成功したエジソン。
本書は、その秘密に迫る、注目の一冊です。
さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
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世界で最もよく電気を知っている人が、この目的(自動車)に対しては私のガス発動機のほうが電気モーターより適していると言ってくれたのだーーそれだったら長い距離を走れるだろう。と彼は言った。そして自動車向けの「炭化水素」の供給所が必要になるだろう、と
発明家はしばしば、あまり適切でない用途に自分の発明を応用しようと、時間と金とを浪費する。エジソンはそんなことを決してしない。趣味には走らないのだ
エジソン氏は数年前、電灯システムを全国的に拡張させる活動の最中に大変な苦労を経験したことから、資本が悪だとする根拠のない扇動こそ、世の中の進歩をあきらかに遅らせるものだと見ていた
いったん仕事を始めると、それを仕上げるまで何もかも忘れて途切れなく没頭するあの馬力がなかったなら、エジソンが偉大な発明品を世に出すことはなかっただろう
彼の際立った特徴は、ものごとをそのまま受け入れてしまうのではなく、自分で実験をやってみたことである。彼はあらゆるものを頭から鵜呑みにしたりしなかった
金は、エジソンにとっては、いつでも実験のために必要な、単なる手段でしかなかった
彼は肉体的な欠陥をも利点に変えてしまう種類の人間なのだ。聴力のないことを嘆くかわりに、聾者が健常者より有利な何かを見出せないか、探したのである
彼は特定の装置や方法を考え出すという意味での発明家ではなかった。彼自身が総合的な実験研究所だったのだ
「私のやり方はルーサー・バーバンクが採ってきた方法と似ている。彼は一エーカーに植物を植え、花が咲くと、それを調べる。彼は鋭い眼をもっている。だから自分の望んでいるものになるべき一本を数千の花の中から選び出せる(以下略)」
実験が期待したように進まなければ、彼はさらに注意と指示を書き込むが、もし継続に値しないことを実験結果が示していたら、そのときは別の路線を取る。彼はつねに自制的なのだ
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最近、『勉強が面白くなる瞬間』『英語の新常識』と、立て続けに前向きな精神を吹き込んでくれる本をご紹介していますが、本書もまさにそんな本です。
※参考:『勉強が面白くなる瞬間』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478112975
※参考:『英語の新常識』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797680938
混沌とした時代、前に進む力が欲しい人に、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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『自動車王フォードが語るエジソン成功の法則』ヘンリー・フォード、サミュエル・クラウザー・著
鈴木雄一・監修・訳 言視舎
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/490536941X
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◆目次◆
1.エジソンとの出会い
2.少年時代の我が理想の人
3.エジソンがもたらした恩恵
4.実用の意味
5.エジソンの天才
6.発明の方法
7.成功のよろこび
8.あらゆるものへの興味
9.いつ仕事をして、いつ眠るのか
10.書物を超えた教育
11.エジソンの精神は生きていく
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