2022年5月30日

『実家じまい』松本明子・著 vol.6006

【実際に体験した松本明子さんと専門家が教える】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4396617860

身近なところで起こることは大抵、大きな範囲でも起こっているものですが、最近気になるのは、「実家のメンテナンスをしに帰っている」友人のSNS投稿が目立つのと、近所でよく人が亡くなること。

これって、近いうちかなりの人が、実家の相続で問題を抱える、ということですよね。

人気番組「ポツンと一軒家」では、持ち主は親から家を相続した人が多い印象ですが、仕事や友人関係などを考慮して、必ずしもみんなが実家に住める、というわけではないと思います。

もし兄弟の誰も実家を継げない、となると、考えなければならないのは、『実家じまい』。

具体的には、家とお墓をしまうことです。

本日ご紹介する『実家じまい』は、高松にある実家の維持にだらだらと1800万円を費やし、ろくに住まずに結局600万円で売却してしまったバラエティタレントの松本明子さんが、専門家とともに家とお墓のしまい方を論じた一冊。

専門家として登場するのは、空き家問題に詳しいNPO法人空家・空地管理センター代表理事の上田真一さん、遺品・家財整理に詳しい株式会社ワンズライフ代表取締役の上野貴子さん、先祖の墓じまいに詳しい明石行政書士事務所の代表、明石久美さんです。

空き家の活用ノウハウや、売却/賃貸の見極め、売却のコツ、不動産のチェックポイント、知っておくべき墓じまい、引っ越しのノウハウなど、知らなかったことがいろいろ書かれており、読んでおいて良かったと思いました。

40代を越えた方なら、自分の親の生前贈与対策、自分から配偶者・子どもへの相続と、ダブルで勉強になる内容です。

さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。

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父が亡くなってしばらくした頃、東京の私のところへ高松市役所から電話があり、「庭の草木の手入れをしてください」と注意を受けました

放置された空き家は倒壊の危険があるだけでなく、放火のターゲットにされたり、大麻の栽培に利用されたりするなど、犯罪の温床にもなります。このため前年の2014年11月には周囲に危険を及ぼす可能性のある空き家の所有者には固定資産税を最大6倍にする「空き家対策特別措置法」が施行されています

これからはスマホやパソコンに残る写真や預金などのデジタル遺品やデジタル遺産が大きな問題になりそうです。ID・パスワードがわからないとログインできませんから

空き家を売るときの大原則は、なるべく所有期間を短くして、適切に管理すること。維持費が抑えられるし、管理状態がよければ、売りやすくなる

「特定空家等」に指定され、勧告を受けると税制上の優遇措置がなくなる

分譲マンションの場合は、プロが管理をしてくれるので、戸建てほど人に貸すリスクが高くない

賃貸で成功する三つの条件
1.人口が10万人以上
2.家賃を10万円以上払ってもらえる
3.リフォーム代(初期投資)を10年以内で回収できる

田舎でも「即利用可」の空き家なら売れる

田舎でも「好立地」と「古民家」は売れる

同じ空き家でも、いつ誰が建物を解体するかで、より高くより早く売れる可能性が高まります。それは、更地/更地渡し/古家付土地、の順

お寺さんや民営の墓地では通常、墓石を扱える石材店が指定した業者に限られています。このため改葬では、いまある墓石はその墓地に出入りできる石材店が解体・撤去や処分を行ない、移転後の墓石はその移転先の墓地に出入りできる石材店が建立するのが普通

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松本明子さんの失敗例と専門家のアドバイスを読んでいると、実家じまいは早めの着手が良いのだと痛感させられます。

実家の売却や墓じまいは、実行するのに時間がかかるので、あとで慌てないためにも、本書を読んで準備しておくといいと思います。

ぜひ読んでみてください。

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『実家じまい』松本明子・著 祥伝社

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◆目次◆

第1章 「空き家」ってこんなにお金がかかるとは!
第2章 実家の「空き家問題」はどうすればいいですか?
第3章 思い出の品はどうしたらいいですか?
第4章 先祖のお墓をどうしたらいいですか?

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