【経営のヒントに。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4296000667
本日ご紹介する一冊は、複数の学者がまとめた、ビジネスで使える経済学の知識。
執筆陣として名を連ねているのは、株式会社エコノミクスデザイン共同創業者の今井誠さん、慶應義塾大学経済学部教授の坂井豊貴さん、静岡県立大学経営情報学部教授の上野雄史さん、慶應義塾大学経済学部の星野崇宏さん、大阪大学大学院経済学研究科准教授の安田洋祐さん、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授の山口真一さんです。
企業の戦略や意思決定、KPIやKGIの策定に影響を与える「経済学の学知」を丁寧に紹介しており、やみくもに戦略を立てる前に、ぜひ読んでおきたい一冊です。
利益の最大化を目指すために、著者が推奨する「FSPーD」モデル(フリー、ソーシャル、プライス・ディスクリミネーション、データ)とその詳細が紹介されており、読者は科学的、論理的に利益を増やす方法を学ぶことができると思います。
なぜ一物一価よりも多段階価格差別が利益を増やすのか、どんなビジネス分野なら「FSPーD」モデルを活用しやすいのか、どうすれば「お客様は神様」にすり替わってしまった日本のCRMを立て直せるのか…。知っておくべき経済学の学知が、その根拠となった研究とともに紹介されています。
既に他の本で紹介されている理論もあるのですが、執筆陣に実業家がおり、実践に落とし込んで書かれている点が新しいと思います。
さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
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「グーグルを世界一にした経済学者」とも呼ばれるハル・ヴァリアン氏は、グーグルの検索連動型広告の販売オークション方式を設計しました
利益を増やすためには売上を犠牲にするほど積極的に値上げすべし!
不動産、とくに土地がオークションに向いている3つの理由
1.土地はどれも世界に1つ
2.物理的に劣化しないものは将来売却できるので、資産性が高い
3.個々人によって価値が大きく異なる
「F=フリー」「S=ソーシャル」「P=価格差別(プライス・ディスクリミネーション)」「D=データ」、これら4つを用いてビジネス戦略を立て、最大限の利益を目指すのが「FSPーD」モデル
「F=フリー」ーー「タダ」によってネットワーク効果で巨大ビジネスに
「ユーザーが無料版でいい体験をする場合のみ、有料版の売上が増加する」ということが、実証研究で明らかにされています
ソーシャルメディア・マーケティング、口コミマーケティング成功の3つの法則
1.消費者のネットワークを活用する
2.消費者の自発的な参加を促す
3.目的が明確である
価格差別は一物一価(値段が一律であること)よりも数十%多い収益をもたらすこと、さらに多段階価格差別は、一物一価の5~10倍もの収益をもたらすことが実証されている
一物一価だと、値段が一定であるために、その価格(P)に対する需要(X)しか取り込めません。それが三段階の価格差別をすると、3つの価格(P1、P2、P3)それぞれの需要をすべて取り込むことができます
競合が増えると新規顧客獲得コストは増える。一方、競合が増えても顧客維持コストは変わらない
顧客維持はリーダー(トップ企業)とフォロワー(2位以下)で変わらない
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アマゾンやグーグルはじめ、有力な米企業は経済学者を雇っていることで知られていますが、具体的にどんな学知が企業に利益をもたらしているのか、本書を読むとよくわかると思います。
中小企業が活用すると良い知識もあり、企業規模の大小を問わず、読んでおくと役立つ一冊です。
ぜひ、読んでみてください。
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『そのビジネス課題、最新の経済学で「すでに解決」しています。』
今井誠、坂井豊貴・編著 上野雄史、星野崇宏、安田洋祐、山口真一・著 日経BP
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◆目次◆
パート1 なぜ経済学が、今、「働く人」に必須なのか?
1章 ビジネスパーソンの「武器」としての経済学
2章 オンライン上に新しい市場をつくる
パート2 経済学の初心者でも! 知っているだけでビジネスの結果が変わる4つのツール
3章 利益を最大化するツール=「FSPーD」モデルの基礎知識
4章 世界標準の学知に基づく新しい顧客関係管理
5章 会計とESG 価値観とルールの大きな変化をざっくりつかむ
6章 ダメな会議はなぜダメで、どうすれば改善できるか
終章 ビジネスに経済学の視点を加えるだけで、新しいチャンスが加速度的に広がっていく
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