2021年10月5日

『観察力の鍛え方』佐渡島庸平・著 vol.5851

【すごい発想の裏側にあるもの】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797398221

アマゾン時代、『発想する会社!』の著者インタビューで、IDEOのトム・ケリーさんにお話を伺ったことがあります。

※参考:『発想する会社!』
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「本を読む限り、発想力というのは、観察力に規定されている気がするのですが」と尋ねた土井に、トム・ケリーさんは、こうおっしゃいました。

「そうなんだよ。観察力が発想の源なのに、誰もそれを指摘しないんだ」

この『発想する会社!』には、IDEOが買い物客を観察し、新しいショッピングカートを考案するシーンが出てくるのですが、まさにアイデアは観察の賜物。

良い作品を生みたければ、まずは「観察力」を磨く必要があるのです。

本日ご紹介する一冊は、この観察力の鍛え方を、『ドラゴン桜』『宇宙兄弟』『マチネの終わりに』などを生み出したヒットメーカー、佐渡島庸平さんが指南した一冊。

「仮説」を起点に観察サイクルを回す方法や、観察する際に生じるバイアス、見えないものまで観察するコツに言及しており、観察力を鍛えたい人にはうってつけの内容です。

当然、事例として、本の話が出てくるので、本好きにはたまらない内容です。

『漫画 君たちはどう生きるか』で大ヒットした漫画家、羽賀翔一さんが著者の指示を受け、どうやって観察力を磨いたかなども書かれており(この部分、漫画になっています)、興味深く読ませていただきました。

さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。

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観察力とは、「客観的になり、注意深く観る技術」と、そして得たことを、「組織的に把握する技術」の組み合わせと言えるかもしれない

僕は、羽賀翔一の観察力を伸ばしたのは、1日1ページマンガを描くというお題の力だと直感的に思っている

観察力の鍛えられた作家に、良いお題を渡すと自走し始める

いい観察は、ある主体が、物事に対して仮説をもちながら、客観的に物事を観て、仮説とその物事の状態のズレに気づき、仮説の更新を促す。一方、悪い観察は、仮説と物事の状態に差がないと感じ、わかった状態になり、仮説の更新が止まる

僕たちは、目で観察しているのではない。脳で観察している。脳の中で何を見ようか先に決めていて、脳が見たいものを追認するような形で見ているだけだ

認知が先にあり、その後に観察があるとすると、その認知に関しては、無意識的な行為で制御できない。その無意識的な認知を少しでも把握するには、「仮説」が有効だと考えている

観察を阻む3つの「メガネ」
1.認知バイアス
2.身体・感情
3.コンテクスト

「問い→仮説→観察」のサイクルを回す

外部の「評価」を参照軸にする

欲望を通して、主観的にデータをみているときに、仮説が生まれる

飽くなき仮説検証の中で普遍性を獲得しているものを、世間は「型」とよんでいるのではないか

問題の原因を人の能力に求めないーー根本的な帰属の誤り

見えないものを観察するために必要な2つの要素。感情と関係性

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「観察力」は地味なテーマですが、経験上、クリエイティブには最も影響があると思っています。

一流のクリエイターの観察力、ぜひ学んでみてください。

これはおすすめの一冊です。

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『観察力の鍛え方』佐渡島庸平・著 SBクリエイティブ

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◆目次◆

第1章 観察力とは何か?
第2章 「仮説」を起点に観察サイクルを回せ
第3章 観察は、いかに歪むか
第4章 見えないものまで観察する
第5章 あいまいのすすめ

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