【名著です。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478103674
本日ご紹介する一冊は、人間に喜びをもたらすデザインの原則を、8年を費やしてまとめた、世界的ベストセラー。
既に20カ国で刊行され、話題となっている一冊です。
世界的デザイン会社、IDEOのニューヨークオフィスのデザインディレクターを務め、ターゲット、コンデナスト、アメリカン・エキスプレス、ペプシコなどのデザイン戦略を担当した著者が、神経科学、心理学とデザインの見地から、どうすれば人が生きる上で喜びを感じるデザインができるのか、そのエッセンスをまとめています。
本書で紹介されているのは、著者が抽出した「10の美学」。
エネルギー:鮮やかな色と光
豊かさ:みずみずしさ、数の多さ、多様さ
自由:自然、野生、広々とした空間
調和:均衡、シンメトリー、流れ
遊び:円、球、泡のかたち
驚き:コントラスト、斬新
超越:上昇、軽やかさ
魔法:見えない力、幻想
祝い:同期性、きらめき、はじけるようなかたち
新生:開花、拡大、曲線
本文では、なぜこれらの要素がわれわれに喜びを与えるのか、そのメカニズムを説明し、実際の生活やデザインにどう活かせばいいのか、そのヒントを示しています。
建築家やデザイナー、フラワーアーティスト、神経科学者、気球パイロットなど、さまざまな分野のプロフェッショナルとの対話を通じてまとめられた「人間の喜びの理論」は、読み物としても楽しく、読者の知的好奇心を刺激します。
表紙がかわいらし過ぎて、男性には敬遠されてしまいそうですが、この本、読まない手はないでしょう。
さっそく、本文の中から気になった部分を赤ペンチェックして行きましょう。
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棒付きキャンディとポンポン、水玉は、どれも丸い。色鮮やかなキルトとマティスの絵画、虹色のキャンディは、どれも純色に満ちている。大聖堂のバラ窓には、最初首をひねったが、雪の結晶とヒマワリの隣に並べるとわかった。どれも放射状に対称なかたちをしている。シャボン玉と風船、ハチドリにも共通点があった。どれもふわふわと宙に浮かぶものだ
グラフィックデザイナーのオーラ・オブライエンは、イギリスとアイルランドの人々に、感情を色で表してもらった。喜びの色をまとめたグラフは明るく鮮やかな色相で、黄金色やオレンジがほぼ半分を占めた
空間に活気がないと感じるなら、人を集めたい場所に光を集めるといい
ちょっとした純色の差し色を入れるだけで、薄暗い空間を活性化するには十分な光を反射させることができる
十分なものを前にして「本能」が喜ぶ
「派手(ゴーディ)」という言葉の語源であるラテン語の「ガウデーレ」は、何かを「喜ぶ」「うれしがる」などを意味し、それは「喜び」という言葉の語源でもある
制約からの解放は、喜びを勢いづかせる
「見晴らしと隠れ場」理論は、人間の自然観を説明するために生まれた考え方だが、建造環境にも当てはまる。美しい風景を見渡す大きな窓があれば、靴箱のような狭苦しいアパートが城のように感じられるし、ほとんどの人は見晴らしのいい家やホテルの一室にならお金を奮発するだろう
「複雑」で「まとまり」があると魅力を感じる
あなたの生活空間に対称性が欠けているなら、自分で生み出せばいい。似通ったもの、たとえばイスや鉢植えなどを対にして、あなたが決めた線の両側に対称的に配置すれば、そこが対称軸になる
「丸い空間」をつくる
見慣れたものに「おかしな部分」をつくる
「自然法則」が破られると魔法が起きる
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<うれしくなるものには「共通の法則」がある>
人間が何に反応するのか、喜びを感じるのか、という心理学原理は、マーケティングに興味のある方なら、当然学んでおきたいところ。
しかもそれを、IDEOのフェローが書いているのだから、これは読まない手はありませんね。
強く、推奨いたします。
ぜひ読んでみてください。
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『Joyful 感性を磨く本』イングリッド・フェテル・リー・著
櫻井祐子・訳 ダイヤモンド社
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478103674
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◆目次◆
はじめに 「10の美学」で感性を磨く
第1の扉 エネルギー
第2の扉 豊かさ
第3の扉 自由
第4の扉 調和
第5の扉 遊び
第6の扉 驚き
第7の扉 超越
第8の扉 魔法
第9の扉 祝い
第10の扉 新生
謝辞
訳者あとがき
付録:ジョイフル・ツールキット
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