2020年4月10日

『30秒で人を動かす』ミロ・O・フランク・著 上原裕美子・訳 vol.5493

【世界16カ国で翻訳された名著】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4413097513

本日ご紹介する一冊は、世界16カ国で翻訳された、話し方の名著。

著者は、俳優エージェントとして、CBSのタレント・キャスティング担当部長として、映画スタジオMGMの脚本家兼プロデューサーとして卓越したキャリアを築いた、ミロ・O・フランク氏です。

本書のなかで著者は、人を動かすための「30秒メッセージ」作成のテクニックを、簡潔なルールと事例で紹介しています。

著者いわく、<3分かけて語るより、30分、3時間かけて語るより、30秒のメッセージのほうが実は効果的>。

実際に紹介されている「30秒メッセージ」の例を読むと、なるほど30秒でこうも印象的な言葉が語れるのかと感銘を受けます。

溺れた子ども2人を救助した65歳の老人のテレビコメント、ベッドでタバコを吸わないように訴えかけたタバコ会社のコピー、ロサンゼルスの動物保護団体によるメッセージなど、インパクトある「30秒メッセージ」の例がたくさん載っていて、じつに勉強になりました。

さっそく、本書の中から気になったポイントを赤ペンチェックして行きましょう。

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一番大事な核心部分は30秒にまとめて、前後の時間は準備とフォローに使う

ある老人が、7歳の子ども2人が溺れているのを見つけ、服を着たまま水に入って救助した。現場に駆けつけたテレビのレポーターがインタビューをすると、老人はまだ濡れた服のままで、こう語った。「そう、65歳だよ。それが何だね? 泳げさえすれば、誰だって子どもたちを助けに行ったはずだ。私が何か特別なことをしたんだとしたら、それは別のことじゃないかと思うがね。60を過ぎたって人生は終わっちゃいない、と伝えられたかもしれん。まだまだ人の役に立てる。引退するかどうかは他人が決めるもんじゃないんだ、ってね」

明確な目標をもつこと。これが、30秒メッセージの第1の基本原則だ

目標は一つに絞られていなければならないし、明確かつ具体的でなければならない

自分の目標を見極めたら、誰が自分の望みを叶えてくれるのか、厳密にたしかめなければならない。昇給を受けたいなら自分の上司に話す。商品を売り込みたいなら、誰が発注の権限を握っているのか調べる

自分が「何を」求めているか、「誰が」それを実現できるのか、そして「どうすれば」それを実現させられるのか。この三つをしっかり心得ておくことが、口頭でも文章でも、コミュニケーションにおける基本中の基本だ

テレビコマーシャル、ラジオコマーシャルもフックを使う。「おいしいポテトチップスをつくるのはポテトじゃありません。切り方です」「こういうこと、よくありますよね。いつものゴミ袋に穴があいて、ゴミがダダ漏れ!」

人は何かをたずねられると思わず注意を向けやすい。次の二つでは、どちらに興味をそそられるか考えてみてほしい。「優れたマネージャーには共通する能力があります」「優れたマネージャーに必ず共通する能力とは何でしょうか?」私が選ぶのは2番目のほうだ

「想像してみてください。あなたはひとりぼっちで、お腹はペコペコ。足元はコンクリートの道路、周囲はコンクリートのビル。ビルにはドアも窓も見当たらず、ここがどこなのかまったくわからない。希望の光は見えません。それが、迷子になったり捨てられたりしたペットの犬たち、猫たちが、あてもなく街をさまようときの気持ちなのです」(ロサンゼルスのある動物保護団体によるメッセージ)

真に効果的な30秒メッセージが備えているのはフックやテーマ、クロージングの決めゼリフだけではない。そうした言葉を巧みに駆使して、聞き手があざやかに想像を巡らせる「絵」を描く必要がある

「フィルのために乾杯しましょう。どこにいても話題の中心だった人です。ちょうど今のようにね。きっと喜んでいますよ」短い言葉だが、私はこの挨拶を生涯忘れないと思う

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ある程度スピーチ経験のある方なら、既視感のあるコンテンツが多いと思いますが、簡潔でインパクトある伝え方のヒントがたくさん書かれています。

章末についている「このステップのまとめ」を読むだけでもスピーチ上達のコツが学べます。

ぜひチェックしてみてください。

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『30秒で人を動かす』ミロ・O・フランク・著
上原裕美子・訳 青春出版社

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4413097513/

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◆目次◆

第1部 誰でも簡潔に、強力に思いを伝えられる7つのステップ
ステップ0 なぜ30秒で伝えなければならないのか
ステップ1 明確な目標を設定する
ステップ2 聞き手を定め、その人を理解する
ステップ3 どうすれば一番伝わるか考える
ステップ4 フックを使って話に引き込む
ステップ5 話全体のテーマを組み立てる
ステップ6 相手の頭にイメージを喚起する
ステップ7 終わらせ方で聞き手を動かす
第2部 話し方や見た目で損しないための実践テクニック
テクニック1 話の内容以前のちょっとしたコツ
テクニック2 聞き手が千人でも緊張しなくなる方法
テクニック3 さまざまな場面で使える30秒メッセージ
おわりに 友人が実践した“究極の30秒メッセージ”

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