2019年12月2日

『14億人のデジタル・エコノミー』馬文彦・著 vol.5408

【中国デジタル市場に投資を考えるなら】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152099062

本日ご紹介する一冊は、バークレイズ、JPモルガンを経て、2007年、世界最大級の政府系ファンド「中国投資有限責任公司(CIC)」を立ち上げた著者が、中国のデジタル市場を分析した一冊。

この十数年、中国市場に投資した投資家は、巨万の富を得たはずですが、本書ではポストBAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)がどこなのか、どんな技術トレンドに投資チャンスがあるのか、具体名を提示しながら述べています。

本書で述べられている内容ですが、<中国インターネット情報センターの最新の報告書によれば、二〇一八年十二月の時点で、中国のインターネット人口は八億二九〇〇万人と、世界最大に達している。うち九八・六パーセントが携帯電話の利用者>。

この巨大マーケットを制するのが誰なのか、どんなサービスが最終的にオセロの端っこをひっくり返すのか。

これから有望と目されるTMD(トウティアオ、メイトゥアン・ディエンピン、ディディ)を見ても、既に事業領域が重複しており、どこが勝者になるのか、まったく目が離せません。

そんな中国デジタルビジネスの戦国時代を、気鋭の投資家が見通す、というのだから、これが面白くないわけがありません。

投資家、ビジネスパーソンはぜひ、読んでおきたい一冊です。

さっそく内容をチェックしてみましょう。

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メグビーは、異なるプラットフォーム間で顔検出、認識、分析を行なうことに力を入れている。同社の主力製品「Face++」は、クラウドベースの顔認識技術であり、幅広い業界で採用が相次いでいる。たとえば、アントフィナンシャルとの提携を通じて、Face++はアリペイに組み込まれ、顔スキャンによるログインや「スマイル・トゥ・ペイ」という決済システムを実現した。利用客は顔認識だけで自動的に支払いを済ませられる

◆TMD

T:トウティアオ(今日頭条)
「今日頭条」とは、中国語で「きょうのヘッドライン」を意味する。AI学習機能を備えたコンテンツプラットフォームを提供している(親会社のバイトダンスは、人気のショート動画アプリ「ティックトック」で知られる)。トウティアオのアプリは、当初は利用者ごとにカスタマイズしたコンテンツをプッシュ通知できる、ニュース収集機能が売りだった。しかし現在では進化を遂げ、文字、画像、投稿Q&A、ミニブログ、動画など各種の情報を提供する総合プラットフォームになっている。

M:メイトゥアン・ディエンピン(美団点評)
地元の生活に密着したO2O(オンライン・トゥ・オフライン、オンラインから実店鋪への誘導)ビジネスモデルの会社と、顧客による投稿レビューのサイトを手がける会社とが合併して誕生(米国でグルーポンとイェルプが合併したケースによく似ている)。食品配達サービス、映画鑑賞券の販売、レストランの口コミ、共同購入割引など、多数の機能を合わせ持つ、中国最大のオールインワンプラットフォームを実現している。これらのサービスを土台に、最近は、配車サービスや自転車シェアリングにも進出中だ。

ディディ(滴滴出行)
タクシーのクラクション音が社名になっていることからもわかるとおり、中国最大の配車サービス企業。ウーバーチャイナを三五〇億ドルで吸収合併し、国内市場で独占的な地位を固めた

近年、中国では映画興行収入が急増している。現在の成長率が続けば、あとほんの数年で米国を上回り、世界最大の映画市場になるだろう

二〇一六年以降、ウェイボーのサービスは大きく進化し、ツイッター(文字、)ユーチューブ(動画)、インスタグラム(写真)などのソーシャルメディアチャンネルのコンテンツや機能をすべて合わせ持つ総合メディアプラットフォームになった。(中略)株価が上昇した最大の要因は、二〇一六年から二〇一七年のあいだに利用者がめざましく増えたことだ

中国のユニコーンの41%がシェアリングエコノミー分野

教育分野で成功したスタートアップ企業の多くが、従来の教育モデルにAI機能を追加し、急成長した。なかでも、英語学習のオンラインレッスンを提供しているVIPキッドは、おそらく最も資金が豊富で定評あるサービスだろう。五歳から一二歳までの生徒を対象に、北米の英語教師とのレッスンを可能にしている

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極めて淡々と事実を述べているので、読み物として面白いかと問われると微妙ですが、ムダがない分、投資家にとっては実用的な内容でしょう。

これから中国で期待されるテクノロジー分野は何なのか、それをどの企業が手掛けているのか。さまざまな指標から、今後有望な企業を読み解いており、教養として学んでおいて損はないと思います。

もちろん、中国市場に投資を考えている方なら、マストバイの一冊です。

ぜひ読んでみてください。

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『14億人のデジタル・エコノミー』馬文彦・著 早川書房

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152099062/

<Kindleで購入する>
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◆目次◆

第一章 AIと中国の経済革新
第二章 「ポストBAT」の時代が始まる
第三章 OMO オンラインとオフラインが融合する
第四章 コンテンツビジネス最前線 ティックトックは何がすごいのか
第五章 フィンテック革命 小売・銀行・保険はどう変わるか
第六章 シェアリングエコノミーで勃発するシェア争奪戦
第七章 イノベーションを生み出すエコシステム
第八章 データプライバシー 新たなゲームのための新しいルール
第九章 「デジタルシルクロード」が世界を変える

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