2019年11月27日

『奇跡の経済教室【基礎知識編】』中野剛志・著 vol.5405

【目からウロコの経済論】
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「目からウロコ」と書かれた本は、数多ありますが、本日の一冊ほど「目からウロコ」な本は、最近なかったと思います。

本日ご紹介する一冊は、政治思想を専門とする評論家、中野剛志さんによる、衝撃の経済書。

平成日本の政策、そして現在進行中の政策がいかに間違っているか、これまでになかった視点で批判した、興味深い内容です。

本書によれば、

・「生産性の向上が経済全体にとって好ましいのは、インフレの時だけ」だから、デフレの今はやってはいけない
・自国通貨建ての国債は、返済不能に陥ることはあり得ない
・財政赤字は、大き過ぎるのではない。少な過ぎる
・仮想通貨の価値を支える基盤的な価値はない

ページをめくる度に、通説とは違うことが書かれているので、ぐいぐい引き込まれてしまいました。

われわれが持っている「貨幣」の概念はなぜ間違っているのか、なぜ仮想通貨はダメなのか、生産性向上も消費税も見当違いな政策なのはなぜなのか、丁寧かつ論理的に説明しています。

これまで、日本経済を論じた主たる経済学者、アドバイザーなども実名入りで批判されており、これは物議をかもす一冊ですね。

さっそく内容をチェックしてみましょう。

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企業が内部留保を貯め込むのも、賃上げをしないのも、積極的な投資を恐れているのも、ひとえに、デフレという経済環境のせい

生産性の向上が経済全体にとって好ましいのは、インフレの時だけ

貨幣は、物々交換や市場における取引ではなく、「信用/負債」の関係を起源としている

実際には、銀行は、人々から集めた預金を元手にして、貸出しを行っているのではありません。その反対に、貸出しによって、預金という貨幣が創造されるのです

通貨は、納税の手段となることで、その価値を担保している

仮想通貨では、納税義務の解消はできません。では、仮想通貨の価値を支える基盤的な価値とは、いったい何なのでしょうか? 何もないのです

政府は、通貨を発行する能力があるという点において、個人や民間企業とは決定的に異なります

自国通貨建ての国債は、返済不能に陥ることはあり得ません

デフレだということは、財政赤字は、大き過ぎるのではありません。少な過ぎるのです

税金とは、物価調整の手段なのです。財源確保の手段ではありません

平成の税制をあらためて振り返るならば、日本は、デフレの中にあって、所得税の累進度を弱めてきました。また、法人税率も下げてきました。その一方で、消費税を上げてきた。これは、デフレの時に行う税制としては、最悪の組み合わせです

内部留保が増えているのは、企業経営者が無能だからではありません。政府が無能だからなのです

政府は、消費税を8%から10%に上げるように、「税率」を上げることはできます。しかし、「税率」を上げたところで、「税収」までも上げることはできません

財政悪化なくして財政再建なし

金融政策だけではうまくいかないということは、2009年頃には、すっかり明らかになっていた

白川方明氏は「需要不足の状態では金融政策によって物価を上昇させることは難しい」と正しいことを主張していました。その白川氏を浜田氏や岩田規久男氏は激しく批判し、デフレの責任を白川氏に負わせました。その結果、白川氏は、任期を待たずして、日銀総裁の地位から降りることとなってしまいました

1997年と2014年の消費増税は、民間最終消費支出を大きく縮小させており、そのショックの度合いは、リーマン・ショックや東日本大震災に匹敵するものだった

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これまで、多くの学者が主張していたように現実がなっていないので、なぜなのだろうと思っていましたが、本書を読んで謎が解けました。

要は、インフレ下では正しい経済理論が、デフレ下では通用しない、ということです。

なぜ日本では間違った経済政策が繰り返されるのか。

そろそろ本書を読んで、じっくり検証すべき時が来ているのかもしれません。

これはぜひ、読んでみてください。

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『奇跡の経済教室【基礎知識編】』中野剛志・著 KKベストセラーズ

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◆目次◆

第一部 経済の基礎知識をマスターしよう
第一章 日本経済が成長しなくなった単純な理由
第二章 デフレの中心で、インフレ対策を叫ぶ
第三章 経済政策をビジネス・センスで語るな
第四章 仮想通貨とは、何なのか
第五章 お金について正しく理解する
第六章 金融と財政をめぐる勘違い
第七章 税金は、何のためにある?
第八章 日本の財政委破綻シナリオ
第九章 日本の財政再建シナリオ
第二部 経済学者たちはなぜ間違うのか?
第十章 オオカミ少年を自称する経済学者
第十一章 自分の理論を自分で否定した経済学者
第十二章 変節を繰り返す経済学者
第十三章 間違いを直せない経済学者
第十四章 よく分からない理由で、消費増税を叫ぶ経済学者
第十五章 主流派経済学は、宗教である

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