2019年10月15日

『複利で伸びる1つの習慣』ジェームズ・クリアー・著 牛原眞弓・訳 vol.5376

【「目標達成」を目指さない新しい考え方】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4775942158

本日ご紹介する一冊は、メルマガ購読者50万人、アカデミー卒業生1万人超を誇る、アメリカの習慣術の達人、ジェームズ・クリアーによる注目の一冊。

株専門出版社のパンローリングから出版されていて、『複利で伸びる1つの習慣』というタイトルが付いているので、すっかり投資の本かと思ったら、意外や意外、習慣術の本でした。

とはいえ、本書のやり方は、小さな習慣を重ね、自信を育てながら雪だるま式に成長していくやり方で、確かに「複利」の概念がピッタリきます。

もし読者が自己投資として本書を読むなら、きっと目覚ましい結果が得られるでしょう。

なぜなら本書は、ビジネスにおけるこれまでの「目標偏重」のやり方に明確に異議を唱え、どんなにスタート地点がダメな人でも、長い目で見て飛躍的に成長する方法を説いているから。

著者いわく、「勝者も敗者も目標は同じ」。つまり、目標は成功の要因ではなく、その結果へと導くプロセス、毎日成長し成功へと向かう「仕組み」こそが大切なのです。

そして、気をつけなければいけないのは、目標達成は一時的なものでかつ目標が幸福を制限してしまうということ。

せっかく目標を達成しても、その幸福が続くことはないし、そもそも目標達成するまで幸せになれないなんて、どこか間違っています。

著者が提唱するプロセス重視、仕組み重視のやり方なら、人は日々の成長や達成を喜び、毎日を充実したものにできる。

これまでの成功本とは一線を画した考え方です。

さっそく、内容をチェックして行きましょう。

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二〇〇三年のある日、英国自転車連盟の運命は変わった。イギリス国内のプロ自転車競技を統括する同連盟は、その頃新しい監督にデイブ・ブレイルスフォードを起用したところだった。(中略)ブレイルスフォードはこう語る。「要するにこういうことです。自転車に乗ることに関係するものをできるだけ細かく分けて、それぞれ一パーセントずつ改善したら、全部合わせたときにすばらしい改善になるんです」ブレイルスフォードと部下のコーチたちは、まず小さな修正から始めた。プロ自転車チームの人間なら誰でも考えつきそうな修正だ。自転車のサドルを座りやすく改良し、タイヤにアルコールを塗って滑りにくくする

たとえ今、少し貯金したからといって、まだ億万長者というわけではない。三日続けてジムへ行っても、すぐに体形は変わらない。今夜、中国語の勉強を一時間しても、まだまだ身につかない。少々習慣を変えても結果はすぐに表れないので、いつもの生活に戻ってしまう

今成功しているか、そうでないかは問題ではない。重要なのは、習慣が自分を成功へと導いているかどうかである

目標を忘れて、仕組みに集中しよう

習慣の背後にはアイデンティティーがある。自身と矛盾する行動は長続きしない。もっと豊かになりたくても、もしあなたのアイデンティティーが収入以上に消費するような人なら、稼ぎより多く使いたくなるだろう

習慣はアイデンティティーを体現する方法だ。毎日ベッドを整えるとき、あなたは几帳面な人というアイデンティティーを体現している。毎日文章を書くとき、創造的な人というアイデンティティーを体現している

シンプルな二段階のプロセス
1.どのようなタイプの人になりたいかを決める
2.小さな勝利で、自分自身に証明する

もし毎朝チョコレートバーを食べているなら、まるで他の誰かを観察しているように、それを認識しよう。「へえ、こんなことをしてるなんて、おもしろいな」という具合だ。もし過食しているなら、必要以上のカロリーを摂取していることに、ただ気づこう

もっとギターの練習をしたいなら、リビングルームの真ん中にギタースタンドを置こう

もっとも自制心のある人は、たいていもっとも自制心を使わない人だ

悪い習慣をやめる実際的な方法は、習慣を引き起こすきっかけを避けること

自分の好きなことと同時に行えば、習慣を魅力的に感じやすい

新しい習慣を始めるときは、二分以内にできるものにする(中略)ほぼどんな習慣でも、二分間バージョンに縮小できる

遺伝子は、何を努力すべきか教えてくれる

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キャリアが偶然生まれること、成功に関して人間がコントロールできることが限られている以上、プロセスや成長にフォーカスする本書のやり方は、じつに理にかなっています。

毎日、自分が成功に向かっているか。退行してはいないか。

チェックしながら地道に歩めば、本来成功はそんなに難しくないはず。

にもかかわらず、多くの人は「短期で成果の出る」安直な方法を追い求め、試してみては、絶望してやめてしまう。

悪のスパイラルから逃れ、本当の成長を始めたい人に、本書はおすすめの一冊です。

アイデンティティがプロセスに影響を与え、プロセスが結果に影響を与える。

この視点から書かれた習慣術は、初めて読みました。

これは画期的な一冊です。

ぜひ、読んでみてください。

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『複利で伸びる1つの習慣』ジェームズ・クリアー・著
牛原眞弓・訳 パンローリング

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4775942158/

<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07YY2WV6K/

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◆目次◆

基本 なぜ小さな変化が大きな違いをもたらすのか
第1章 最小習慣の驚くべき力
第2章 習慣がアイデンティティーを形成する(逆もまた真なり)
第3章 シンプルな四つのステップで良い習慣を身につける

第一の法則 はっきりさせる
第4章 人は正しく見ていない
第5章 新しい習慣を始める最善の方法
第6章 モチベーションを過大評価せず、環境を重視する
第7章 自制心を保つコツ

第二の法則 魅力的にする
第8章 習慣を魅力的にする方法
第9章 習慣作りにおける家族と友人の役割
第10章 悪い習慣を見つけて直す方法

第三の法則 易しくする
第11章 ゆっくり歩もう、でも後退してはいけない
第12章 最少努力の法則
第13章 二分間ルールで先延ばしをやめる方法
第14章 良い習慣を必然にし、悪い習慣を不可能にする方法

第四の法則 満足できるものにする
第15章 行動変化の大原則
第16章 良い習慣を毎日続ける方法
第17章 見張ってくれる人がいればすべてが変わる

さらなる戦略 改善するだけでなく、本物になるには
第18章 才能の真実(遺伝子が関係するときと、そうでないとき)
第19章 ゴルディロックスの原理──生活や仕事でモチベーションを保つ方法
第20章 良い習慣のマイナス面
結論
付録
謝辞

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