【文庫ベストセラー】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532199573
本日ご紹介する一冊は、2013年に日本実業出版社から発行されたベストセラー『数学女子 智香が教える 仕事で数字を使うって、こういうことです。』に大幅加筆し、文庫化したもの。
著者は、ビジネス数学教育家・作家の深沢真太郎さんです。
国内初のビジネス数学検定1級AAA認定者であり、予備校講師、外資系企業の管理職などを経て、研修講師として独立した方ですが、クライアントには、SMBC、三菱UFJ、みずほ、大手コンサルティング企業、教育機関など、有名組織が名を連ねています。
本書では、そんな数学スペシャリストの著者が、ビジネス現場で最低限身につけておきたい数字のセンス、統計を読む力を、ストーリー形式で解説しています。
舞台は、アパレル企業の株式会社ブライトストーン。社長の佐野賢太郎が、ちょっと地味な27歳理系(数学科出身)の柴崎智香をコンサルティング会社からヘッドハンティングし、ファッションセンスがいい営業部のカリスマリーダー、木村斗真(28歳・文系)の指導役にするところから話が始まります。
「前年比」を正しく読む方法、比較の作法、データ収集の考え方、データを扱う3つの目的、平均に惑わされないデータの見方、数字から顧客の実像を正しく掴む方法…。
ビジネスパーソンに必要な最低限の数字センスが身につく、じつに読みやすい一冊です。
それでは、さっそく内容をチェックしてみましょう。
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評価は「それ以外」を見てから
日曜日と月曜日、昨日と1年前の同じ日は、同じか、あるいは近いコンディションじゃないと評価する意味がない
前提を加味せずにした「評価」は意味がない
数字を使うためには嫌でも具体的に物事を考えることになる
デキるビジネスパーソンは「数字」で語る
営業やマーケティングを目的とするなら、現時点の顧客データは必須です。でも、5年前のデータははっきり申し上げて不要かと
仕事でデータを扱う際、その前にしなければならないことがあります。必要なデータが何かを定義することです
◆データを扱う目的
・把握する(どの店舗が稼ぎ頭か?)
・評価する(どの店舗が優秀か?)
・予測する(どの店舗が目標達成できそうか?)
どんな時代になろうと、データを触る前にまず目的を考えるという仕事は永遠に人間の仕事なのでしょう
「平均」だけでは何もわからない
◆標準偏差
平均を基準にしたとき、データ全体にどれくらい“バラツキ”があるのかを示す指標です。専門用語を使うと一気に難しく感じるかもしれませんので、言葉を換えましょう。そうですね……“バラツキ数”とでもしましょうか
ビジネスにおいて数字を読むとは、Thinkのことです
予想とは物事の成り行きや結果について前もって見当をつけること。一方、予測とは将来の出来事や状態を前もって推し量ること
一方の変化とあるもう一方の変化に何かしら関連が認められる場合相関関係があるという表現をします。さらに言うと、一方が増えるともう一方も増えるような関係を“正の相関”、逆に一方が増えるともう一方は減るような関係を“負の相関”なんて表現をします
因果関係をひと言でいうと言うと、原因と結果の関係になっているもの
「相関が強い=同じ人が買っている」はある程度正しいかもしれません。しかし、「相関が強い=一緒に使うために買っている」は販売する側の勝手な先入観と言わざるを得ません
まず実数を見たら次に考えることは“評価するための数字をつくる割り算”です。先ほどのビラ配りの話なら「1日あたり」と基準を揃える。今回のネット通販の議論であれば、売上額という実数を見たらまずは営業利益率を算出し、評価するための数字をつくるということです
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マーケティングに携わる人でこのレベルがわからないと問題ですが、「感性重視の販売現場で、いまいち数字感覚に乏しい」と嘆く管理職が、部下に勧めるには最適の一冊です。
著者が企業に教えているせいか、現場や人物設定がじつに「ありがち」で、しっくり来ました。
ぜひ読んでみてください。
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『仕事で数字を使うって、こういうことです。』
深沢真太郎・著 日本経済新聞出版社
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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532199573/
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◆目次◆
序 章 正反対な2人の出会い
第1章 数字を使って会話できますか?
第2章「データに困らない時代」に困っていませんか?
第3章 あなたは正しくデータを読んでいますか?
第4章 意思決定に数字を使う本当の理由を知っていますか?
第5章 「分析とは何か」を誤解していませんか?
第6章 エクセルでつくったグラフをそのまま使っていませんか?
終 章 数字のチカラが仕事を変える
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