2019年8月9日

『実践 顧客起点マーケティング』西口一希・著 Vol.5333

【必読。N1分析でマーケティングは蘇る】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798160075

先日、セミナーの受講生から、「じつは僕、○○さんの出版塾にも行っているんです」と衝撃的な告白をされました。

以前の土井なら、「この裏切り者!」というところですが(笑)いまは大人だから違います。

「なるほど。ということは競合はこちらが満たせない何かを満たしているのだな」「でも、うちにも通っているということは、競合が満たせていないものをうちが満たしているのだな」

と考えるようになったのです。

本日ご紹介する一冊は、たった一人(N1)を深堀りし、競合と自社を分析することでビジネスを成長させるアイデアを手に入れる、画期的マーケティング手法を提案した一冊。

マクドナルドを再生した足立光さんはじめ、数多くのマーケティングプロフェッショナルが推薦している本ということで読んでみたのですが、確かにすごいことが書かれています。

著者は、P&Gジャパンで16年、ロート製薬で8年、ロクシタンで3年のキャリアを積み、現在はスマートニュースで執行役員を務める西口一希氏。

顧客を5つのセグメントに分ける「顧客ピラミッド」、9つのセグメントに分ける「9セグマップ」を使って、どうマーケティングを実践していくか、具体的なメソッドが書かれています。

さっそく、内容を
チェックして行きましょう。

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ここで、「アイデア」が見えました。この顧客の具体的な経験と感想が、その後に商品を化粧水No.1にまで押し上げた「手に頬がくっついて離れなくなるほど“もちもち肌”になる化粧水」という訴求、「アイデア」に繋がりました

N1のカスタマージャーニーを分析すると、具体的なコミュニケーション方法、情報接触ポイント、商品接触ポイント、購買接触ポイントが見えてきます。どういった状況で、どんなメッセージで訴えられたときに心が動いたのか、買おうという気持ちになったのか、ということです

主要ブランド同士でのオーバーラップ分析を行えば、主要ブランドがまだ獲得できていない顧客層が可視化、定量化できるので、その未開拓層に向けた「プロダクトアイデア」を開発することで、同質化に陥らない独自性のある新規参入の可能性を見出せます

ブランドの継続的な成長と安定には、マジョリティ層を取り込む必要があります。まさに前述の「キャズム超え」です

購買頻度や購買額で定義しているロイヤル顧客層には、実は真のロイヤル顧客と言えない顧客が多く含まれています

高頻度購買自体は「ブランド」ではない

テレビCMなどのコミュニケーションで「革新的」「高品質」を押し出せば、調査上でのイメージスコアは上がりますが、具体的に顧客にとっての便益と結びついていなければ、購買意向は上がらず、実際購入しません

強い「アイデア」を創出する手がかりは、顧客が自社ブランドと他社ブランドをどのように認知して使い分けているか、そこからわかる強みと弱み、チャンスとリスクにこそ潜んでいます

◆ロート製薬「バスパス ボディオイル」がリピートされなかった理由まず、オイルの扱いがクリームなどより難しく、浴室の床に垂れて汚れる、滑って危ない、という点。特に子どもに塗る人には、この観点が大事だということが抜けていました。2つめは、オイルを塗ってから体を拭くとタオルが汚れる気がする、毎日洗わなければと思うので面倒、という点です

平成30年版の総務省の情報通信白書を見れば、日本でのスマホ保有率は、2010年の9.7%から2017年には75.1%に激増しています。これは携帯電話浸透の2倍速です。年代別では、13-19歳で79.5%、20代で94.5%、30代で91.7%、40代で85.5%、50代で72.7%、60代で44.6%

我々マーケターが向き合っているのは、「デジタルか? マスか?」という問いではありません。前述の「新リアルワールド」が急速に拡大し、「ゼロフリクションワールド」へ向かう過程として旧リアルと新リアルに分断されていく顧客そのものです

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N1にどう質問し、「アイデア」を得るか、得られたアイデアをどう検証し、展開していくかが、実例とともに示されており、まさにタイトル通り「実践」の書だと思いました。

リサーチを大々的にやれる大企業はもちろん、中小企業が実践しても、効くのではないかと思います。

画期的マーケティングはいつも「気づき」「アイデア」から始まるものですが、本書はまさにその「気づき」「アイデア」をどう得るかから始まり、築いた競争優位性をどう持続するかまで論じています。

マーケターならずとも、売る仕事に携わる人は、全員が読んでおきたい一冊ですね。

リアルからデジタルに転じた著者ならではの「気づき」も勉強になりました。

ぜひ、読んでみてください。

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『実践 顧客起点マーケティング』西口一希・著 翔泳社

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◆目次◆

序 章 顧客起点マーケティングの全体像
第1章 マーケティングの「アイデア」とN1の意味
第2章 【基礎編】顧客ピラミッドで基本的なマーケティング戦略を構築する
第3章 【応用編】9セグマップ分析で販売促進とブランディングを両立する
第4章 【ケーススタディ】スマートニュースのN1分析とアイデア創出
第5章 デジタル時代の顧客分析の重要性

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