2019年7月31日

『運命を創る』安岡正篤・著 Vol.5326

【中国思想から学ぶ人間学】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833421259

「自分だけしか歩めない大事な道ではないか。自分だけに与えられているかけがえのないこの道ではないか」

これは、松下幸之助さんの『道をひらく』の冒頭に登場する一節ですが、わかっていても、われわれは貴重な人生を無為に過ごしてしまうもの。

※参考:『道をひらく』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569534074/

いや、勤勉な人ですら時に道に迷い、人生を無為に過ごすことがあるのです。

本日ご紹介する一冊は、読者が人生で道に迷った時、紐解きたい、安岡正篤さんの人間学講義。

とある著者から教えていただいた一冊で、政財官界の有力者たちに指導した著者の力強い言葉が、読者を自己修養への道へと導いてくれます。

<運命というものは、学問によって限りなく知らるべきものであり、修業によって限りなく創造せられるもの>
<いつまでも「えび」の如く脱皮せよ>

中国思想を学びながら、人生で大切な教訓が学べる、じつに有用な内容です。

講義形式で書かれているので、骨太な内容の割に読みやすいのも特長でしょう。

さっそく、ポイントをチェックしてみます。

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我々の存在、我々の人生というものは一つの命である。その命は、宇宙の本質たる限りなき創造変化、すなわち<動いて已まざるもの>であるがゆえに「運命」という。つまり、「運命」はどこまでもダイナミックなものであって、決して「宿命」ではない

日本人は気骨を失ってしまった。(中略)何もしないで所得倍増、産業回復、GNPのそろばん勘定、本当に下司な商人になってしまった。これが根本的失敗です

「窮すれば通ず」の理で、精神さえしっかりすれば、必ず運命は開けるのです。すべては立志と、人物の如何です。今までのような精神性のない、低級な享楽的・功利的惰民ではもう何もできません

◆思考の三原則
・目先にとらわれないで、できるだけ長い目で観察する
・できるだけ多面的、できるならば全面的にも考察する
・枝葉末節にとらわれないで、できるだけ根本的に観察する

明治のエネルギーは日露戦争が絶頂であります。(中略)この成功は、いま申しましたように、一に徳川時代、幕府からの数学・人物、それによるところの識見・能力のおかげであります

満州事変で、日本人は優れた天分や能力を発揮いたしまして、一応大成功をおさめたことは皆さんご承知の通り。あざやかに張作霖政権を打倒して、関東軍およびこれに参加した志士たちによって、見事な満州革命ができたわけです。しかし、このときに根本的教養の欠如というものが大きな災いをいたしました。というのは、これだけ深い関係にありながら、日本人がいっこう本質的、深い意味におけるシナを知らなかったということであります

人間は小さなこと、身辺のささやかなことには非常に敏感でありますが、少し意識感覚を超えた大きな問題になると、おそろしく鈍感になる

敵に勝つには無形に勝つ。上戦は与に戦うなし

◆六中観
「忙中閑あり」「苦中楽あり」「死中活あり」「壺中天あり」「意中人あり」「腹中書あり」

愛だけでは駄目であります。人間の人間たる所以は、愛と同時に「敬」というものにある。愛敬、敬愛、特に敬という心によって、初めて進歩向上をするのであります。愛だけでは甘やかされる。だらしがなくなるのです

やはりあらゆる国々に立派な人物を出すこと

今までは他律的な運命に支配され、宿命に支配されていたのであるが、今日より自由な身となって自己および人生を創造してみろ。そうしなければお前の運命なんか分かるものではない

えびは、あんな硬い殻をかぶっているように思うが、実は生きている限りは際限なく殻を脱ぐのだそうです。あの殻が硬くなると、いつでもすっぽりと脱いでまた軟らかくなる

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日本人には中国の教養が欠けている、という著者の指摘はまさにその通りで、土井もこれを機に隣国についてしっかり学びたいという気持ちになりました。

自己啓発書として読んでも秀逸で、自分の身の処し方を考えさせられます。

中国思想の入り口であると同時に、優れた自己啓発書でもある本書。

気になったらぜひ読んでみてください。

身が引き締まる一冊です。

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『運命を創る』安岡正篤・著 プレジデント社

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◆目次◆

組織盛衰の原理
・近代中国にみる興亡の原理
・明治・大正・昭和三代の盛衰
・兵書に学ぶリーダーの心得ー孫子・呉子・六韜三略より
東洋思想と人間学
・「万世ノ為ニ太平ヲ開ク」─終戦の詔勅秘話
・人生の五計─人生観の学問
・見識と胆識
・人間学・人生学の書
運命を創る
・運命を創る─若朽老朽を防ぐ道
・次代を作る人々のために
・若さを失わず大成する秘訣
「気力」を培う養生訓
・敏忙人の身心摂養法
・憤怒と毒気
解説 瓠堂忌世話人会

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