2019年6月14日

『セカンドID』小橋賢児・著 Vol.5294

【もうひとりの「自分」を持つ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4866630779

時代が変わり、ビジネスの主流が変われば、価値観なんてあっさりと変わってしまうものです。

2008年までは、「お金」だった価値観が、「モノやお金じゃない」になり、「所有」が「シェア」になり、「自分だけ」から「みんな」に変わる。

職業に関して大きな変化は、これまで「一つの仕事・アイデンティティにこだわる」だったのが、「マルチに活躍する」がかっこ良くなったということでしょうか。

先日ご紹介した、守屋実さんの『新しい一歩を踏み出そう!』にも、こんな表現がありました。

※参考:『新しい一歩を踏み出そう!』守屋実・著 ダイヤモンド社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478107610/

「会社のプロ」は、1枚の名刺でたくさんの仕事、「仕事のプロ」は、一つの仕事でたくさんの名刺

所属を複数持つこと、アイデンティティを複数持つことが、評価される時代になったのです。

本日ご紹介する一冊は、そんな「複数のアイデンティティを持つこと」を勧めた、興味深い一冊。

著者は、人気俳優から日本を代表するマルチクリエイターに転身した、小橋賢児さんです。

本書では、著者個人の体験をベースに、セカンドIDを持つことの効用を説いています。

いわゆるマニュアル書ではありませんが、これからどうすればいいのか悩んでいる人に、示唆を与えてくれる内容だと思います。

さっそく、ポイントをチェックしてみましょう。

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僕はこれまでの人生でさまざまなアイデンティティに出会ってきた。しかし、それらのどのアイデンティティも、僕自身が目指していたものでも、強く願っていた夢でもない。その場で感じたこと、そのときにできることを一つひとつやった結果、気づくとできた未来だった

現代はというと、便利になった一方で、本当の「夢」や「目標」がつくりにくいのではないかとも思っている。情報化が進み、いつ、どこにいても世界中の情報にアクセスできる反面、情報ばかりが先行し、実際に体験せずともやった気になってしまう。“夢にできそうなこと”がそこら中にあふれ、目移りし、僕らをまどわす

どんな小さな山でもいい。最初にその山の頂上に立ったときのことを想像して、ワクワク感だけに集中し、あとはそこに縛られることなく、一歩一歩確かに進む

もうひとつの「居場所」が自分をつくる

人生にワクワクが見つからないのは、自分の枠から出ていないから。たとえば、苦手だと思っていた人と話をしてみたり、あまり話していなかった親父と盃を傾けるのでもいい。そうしていつもの枠から外れることで、いままで気づかなかったこと、見たことのない景色が見えてくることがある

「僕は○○だから」に縛られない

僕はよく「行動は誰にでもできる錬金術」と言っている。いまの状況を打破したいと思ったり、何かを変えたいと思うなら、どんな小さなことでもいいからとにかく行動して、いまいる「場」を変えてみる

人は誰でも、3か月本気でやれば、変われると思う

断片的に見ると最悪な出来事でも、長い目で見ると、その出来事があったからこそ出会えた景色があり、出会えた人、芽生えた感情がある

この「どうせ」という、悲観するようなあきらめの感情こそ、いまの日本の問題だと直感的に思った(中略)では、この「どうせ日本でやれるわけがない」と思ってる日本で、もし奇跡みたいなことが起きたら……? それらを目の当たりにしたら、それを体験した人は自分の将来や日本の未来にも希望をもってくれるのではないか……?

本質的に残していくのであれば、当時と同じような熱量でクリエイションして、イノベーションを起こして、毛穴が開くような体験にしてファンにしないといけないのではないだろうか……

「Have to」から「Want to」へ

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内容的にはいわゆる自己啓発書であり、実用性はありませんが、人の行動を促すのが感情であることを考えた場合、心を揺さぶり、行動へと導く力のある本だと思います。

人気俳優から突如休業し、死の淵をさまよい、やっと見つけた次のアイデンティティ。

著者の体験は、セカンドキャリアを考えるすべての人にとって、良いヒントとなるに違いありません。

ぜひ、チェックしてみてください。

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『セカンドID』小橋賢児・著 きずな出版

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4866630779/

<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07S8S55PD/

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◆目次◆

Prologue 「セカンドID」が人生の可能性を広げてくれる
Chapter1 セカンドIDは、僕たちの経験の中に
Chapter2 ゼロになることを恐れない
Chapter3 本当の自分を解放しよう
Chapter4 人生は「想定外」に出会うことで広がっていく
Chapter5 セカンドIDをもって、本当の自分とつながる

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