2019年5月14日

『天才とは何か』ディーン・キース・サイモントン・著 小巻靖子・訳 vol.5271

【歴史を名を残す人間の法則は?】
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本日ご紹介する一冊は、40年以上にわたって「天才、創造性、リーダーシップ、才能」を研究してきた世界的第一人者、カリフォルニア大学デイビス校名誉特別教授のディーン・キース・サイモントンさんによる大作。

これまでの天才研究本になかった視点から、歴史に名を残す人々の秘密を明らかにした内容で、能力開発、教育に役立つこと間違いなしです。

天才研究というと、「一万時間の法則」「出生順」「遺伝と環境」「精神的病」「IQ」などが知られていますが、本書では、これらを網羅しつつ、精神性、早咲き/遅咲きのジャンルによる違い、夭折するか/長生きするかなどの視点から、天才研究の成果をまとめています。

以下の目次を見て、興味がある方は、ぜひ読むことをおすすめします。

第一章 IQ一四〇以上か知能検査を無視するか
第二章 精神に異常があるか心が健康か
第三章 遺伝か環境か
第四章 第一子か末っ子か
第五章 分野を絞るか幅広い関心をもつか
第六章 完璧主義か失敗を繰り返すか
第七章 神童か遅咲きか
第八章 夭折するか長生きするか
第九章 孤高の天才になるか気心の合う人とつながるか

自分の経験や、周囲の成功者の観察から考えても、結構当たっていて、これは子育て中の方は、読んでおいた方がいいかもしれません。

もちろん、自分の能力開発や今後の人生設計にも役立つと思います。

さっそく、ポイントをピックアップしてみましょう。

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興味深いのは、成功を収めた男性とうまくいかなかった男性のIQがそれほど違わなかった点だ。違いがどこにあったにせよ、知性は成功の決定要因ではなかったのである

精神障害の生涯有病率は、自然科学分野は二八%と、基準の五〇%を大きく下回っている。これに対して、作曲、ノンフィクション、美術、演劇、フィクションはそれぞれ六〇%、七二%、七三%、七四%、七七%という結果で、詩は実に八七%。創造的分野の中でリスクが五〇%に近かったのは、建築の五二%と社会科学の五一%だけである

精神障害を発症していなかったグループにはパラダイムに基づいて成功を収める人が多く、発症していたグループにはパラダイムを否定する形で名を成した人が多かったのである。さらに後者のグループでは、統合失調症および他の精神病性障害を発症した科学者に、その傾向がとくに強くみられた。この例として挙げられるのが、アイザック・ニュートン。(中略)ニュートンは一生独身を通し、女嫌いで、だれとも関係をもたずに亡くなったようだ

バッハ家には高名な音楽家といえそうな人物が二十人以上いる

創造的天才は非常にすぐれたメンターの指導を受ける傾向がある

答えは、多様な経験。子ども時代、青年時代、成人期の初期にこのようなできごとを経験すると、「人と同じように社会化して、束縛状態に陥るのが抑えられ」、社会の慣習にあまりとらわれずにアイデアを生みだすことのできる人物になるのである

人生の早い時期に父親を亡くした物理学者は二%にすぎないが、化学者は一一%、作家は一七%という結果がでている

芸術的才能を示すティーンエイジャーは、経済状態、出生地(たとえば外国で生まれた)、国内外における遠距離の移動といった点で、一般的な家庭とは異なる家庭の出である割合が高い

作家、詩人は出生順位が遅いことがわかった。ほぼ四分の三が第一子以外だったのだ

才能とは「必須知識をさっさと身につける能力」である

人の特性のなかで創造的業績と相関がもっとも強いのは開放性

神童は数学、作曲、チェスの世界に多いようだ。では、この三つの共通点はなんだろう。答えは明白だ。どれも抽象的な分野で、明確なルールがあり、目的も決まっている。(中略)より具体的で複雑な分野ではもっと長い準備期間が必要となる。その分野の専門知識を幅広く深い人生経験と結びつけてからでなければ、キャリアをスタートするのはむずかしい。十代で最初の主要作品を発表する小説家がほとんどいない理由はここにある

ベストセラーや批評家が「最高の作品」と認めた名著は、通常、作家が四十歳から四十五歳の間に書かれるが、いつまでも忘れられない頌歌、哀歌、ソネット、抒情詩などは二十五歳から二十九歳の間につくられることが多い

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特に興味深かったのは、ジャンルによる違い。科学者か小説家か詩人か、その他芸術分野かで、ここまで違いがあるとは。

娘が特異な人間だったら詩人か小説家か芸術家にして、結婚させるなら相手の男性は科学者がいい、というところでしょうか(笑)。

ビジネス書の著者は、結婚相手としては小説家よりはマシなようですね(笑)。

偉人たちの驚異的なエピソードも紹介されており、興味深く読むことができました。

子どもが複数いる方は、子育ての視点として読んでおくといいと思います。

これはオススメの一冊です。

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『天才とは何か』ディーン・キース・サイモントン・著
小巻靖子・訳 大和書房

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◆目次◆

第一章 IQ一四〇以上か知能検査を無視するか
第二章 精神に異常があるか心が健康か
第三章 遺伝か環境か
第四章 第一子か末っ子か
第五章 分野を絞るか幅広い関心をもつか
第六章 完璧主義か失敗を繰り返すか
第七章 神童か遅咲きか
第八章 夭折するか長生きするか
第九章 孤高の天才になるか気心の合う人とつながるか
終章

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