2019年4月24日

『Think Clearly』ロルフ・ド・ベリ・著 安原実津・訳 vol.5263

【よりよい人生を生きる黄金則】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4763137247

本日ご紹介する一冊は、スイスの「ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング」紙と、ドイツの「ハンデルスブラット」紙に連載されていたコラムをまとめたもの。

内容は、「よりよい人生を送るための思考法」で、原書は、2017年10月にドイツで刊行されるとすぐにベストセラーになり、5カ月にわたって実用書部門のトップ10を果たしたそうです。

2019年2月現在、本書はドイツで25万部のベストセラー。ドイツ以外でも、29カ国で翻訳出版されており、著者累計は250万部を突破したそうです。

興味深いのは、著者本人の経歴。

著者のロルフ・ドベリ氏は元々スイス航空会社の子会社数社で最高財務責任者、最高経営責任者を歴任した人物ですが、本が好きで、ビジネス書籍の要約を提供する世界最大規模のオンライン・ライブラリー「getAbstract」を設立。35歳から執筆活動を始めたそうです。

そんな理想の人生を歩んでいる著者が、さまざまなファクトや学術研究から、「よりよい人生を送るための思考法」を説いたということで、これが面白くないわけがありません。

シンプルな装丁からは想像できないほど、濃い内容でした。

さっそく、いくつかポイントをピックアップしてみましょう。

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何を書くかというアイデアは、「考えているとき」にではなく、「書いている最中」に浮かぶ

ある製品が市場に受け入れられるかどうか、企業家にそれがわかるのは、市場調査によってではなく、製品をつくって市場に出してみてからだ

人生において自分が何を求めているかを知るには、何かを始めてみるのが一番だ

重要なのは「スタート」ではなく、「修正技術」のほう

サンプル数が少ないと、最適なものを見つけ出せない

大人になってからの最初の数年間で重要なのは、お金を稼ぐことでもキャリアを積むことでもない。「人生の全体図を把握すること」

年をとったら、かかわることをぐっと絞り込もう。その頃にはあなたはもう、自分の好みをしっかりと把握できているはずだから

「お金」よりも「ストレス」を節約する

正確には、車の購入費を稼ぐための労働時間(a)とか、車の保険料や維持費とか、ガソリン代とか、交通違反の罰金を支払うために必要な労働時間(b)も考慮に入れ、この両方の労働時間(a+b)と渋滞時間の合計(c)を走行時間に加える必要がある。元カトリック神父の社会評論家、イヴァン・イリイチは、まさにこの方法を使って、アメリカにおけるさまざまな車の「平均速度」を算出した。その結果、あるアメリカ車の平均速度は「たったの六キロ」程度だった

「反生産性」の視点で、生活を検討しなおす

◆幸せを大きく損なうもの
アルコール依存、麻薬、慢性的なストレス、騒音、長い通勤時間、嫌な仕事、失業、不安定な結婚生活、自分への過度な期待、貧困、借金や経済的依存、孤独、愚痴っぽい人たちとの付き合い、周りの評価を気にしすぎること、他人と常に比較されること、被害者意識、自己憎悪、慢性的な睡眠不足、怒りや嫉妬

先に列挙した「人生のマイナス要素」の中にいくつか欠けているものもある。「病気」「身体的障害」「離婚」だ。これらのことで受けたショックが、思っているほど長続きしないことは、数多くの研究結果ですでに明らかになっている

「予防措置」による成功は、外からは認識できないため、その業績はメディアの目にはとまらない

熱心な慈善活動が有意義だと思い込むのは、私たちが陥りがちな思考の落とし穴だ。現地のすばらしいスペシャリスト(国境なき医師団や赤十字やユニセフなど)たちは、あなたのお金をあなた以上に有効に使ってくれる

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これからキャリアを築く20代、30代の方に、まとめ買いしてヘリコプターでばらまきたい衝動に駆られる一冊でした。

こんな本が親から子に、上司から部下に、先輩から後輩に、配られたら、素敵でしょうね。

ぜひ、読んでみてください。

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『Think Clearly』ロルフ・ド・ベリ・著
安原実津・訳 サンマーク出版

<Amazon.co.jpで購入する>
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◆目次◆

1.考えるより、行動しよう──「思考の飽和点」に達する前に始める
2.なんでも柔軟に修正しよう──完璧な条件設定が存在しないわけ
3.大事な決断をするときは、十分な選択肢を検討しよう
  ──最初に「全体図」を把握する
4.支払いを先にしよう──わざと「心の錯覚」を起こす
5.簡単に頼みごとに応じるのはやめよう──小さな親切に潜む大きな罠
6.戦略的に「頑固」になろう──「宣誓」することの強さを知る
7.好ましくない現実こそ受け入れよう──失敗から学習する
8.必要なテクノロジー以外は持たない──それは時間の短縮か? 浪費か?
9.幸せを台無しにするような要因を取り除こう──問題を避けて手に入れる豊かさ
10.謙虚さを心がけよう──あなたの成功は自ら手に入れたものではない
11.自分の感情に従うのはやめよう──自分の気持ちから距離を置く方法
12.本音を出しすぎないようにしよう──あなたにも「外交官」が必要なわけ
13.ものごとを全体的にとらえよう──特定の要素だけを過大評価しない
14.買い物は控えめにしよう──「モノ」より「経験」にお金を使ったほうがいい理由
15.貯蓄をしよう──経済的な自立を維持する
16.自分の向き不向きの境目をはっきりさせよう──「能力の輪」をつくる
17.静かな生活を大事にしよう──冒険好きな人より、退屈な人のほうが成功する
18.天職を追い求めるのはやめよう──できることを仕事にする
19.SNSの評価から離れよう──自分の中にある基準を見つける
20.自分と波長の合う相手を選ぼう──自分は変えられても、他人は変えられない
21.目標を立てよう──人生には「大きな意義」と「小さな意義」がある
22.思い出づくりよりも、いまを大切にしよう──人生はアルバムとは違うわけ
23.「現在」を楽しもう──「経験」は「記憶」よりも価値がある
24.本当の自分を知ろう──あなたの「自分像」が間違っている理由
25.死よりも、人生について考えよう
  ──人生最後のときに思いをめぐらせても意味がない理由
26.楽しさとやりがいの両方を目指そう──快楽の要素と意義の要素
27.自分のポリシーをつらぬこう──「尊厳の輪」をつくる その1
28.自分を守ろう──「尊厳の輪」をつくる その2
29.そそられるオファーが来たときの判断を謝らない「尊厳の輪」をつくる その3
30.不要な心配ごとを避けよう──不安のスイッチをオフにする方法
31.性急に意見を述べるのはやめよう──意見がないほうが人生がよくなる理由
32.「精神的な砦」を持とう──運命の女神の輪
33.嫉妬を上手にコントロールしよう──自分を他人と比較しない
34.解決よりも、予防をしよう──賢明さとは「予防措置」をほどこすこと
35.世界で起きている出来事に責任を感じるのはやめよう
  ──世の中の惨事を自分なりに処理する方法
36.注意の向け方を考えよう──もっとも重要な資源との付き合い方
37.読書の仕方を変えてみよう──読書効果を最大限に引き出す方法
38.自分の頭で考えよう──イデオロギーを避けたほうがいい理由
39.「心の引き算」をしよう──自分の幸せに気づくための戦略
40.相手の立場になってみよう──「役割交換」することのメリット
41.自己憐憫に浸るのはやめよう──過去をほじくり返すことが無意味なわけ
42.世界の不公正さを受け入れよう──自分の日常生活に意識を集中する
43.形だけを模倣するのはやめよう──カーゴ・カルトの犠牲にならない
44.専門分野を持とう──「多才な人」より「スペシャリスト」を目指す
45.軍拡競争に気をつけよう──競争が激しいところにわざわざ飛び込まない
46.組織に属さない人たちと交流を持とう──組織外の友人がもたらしてくれるもの
47.期待を管理しよう──期待は少ないほうが幸せになれる
48.本当に価値のあるものを見極めよう──あらゆるものの90パーセントは無駄である
49.自分を重要視しすぎないようにしよう──謙虚であることの利点
50.世界を変えるという幻想を捨てよう──世界に「偉人」は存在しない理由
51.自分の人生に集中しよう──誰かを「偉人」に仕立てあげるべきではない理由
52.内なる成功を目指そう──物質的な成功より内面の充実のほうが大事なわけ

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