2019年3月27日

『PRINCIPLES 人生と仕事の原則』レイ・ダリオ・著 斎藤聖美・訳 vol.5243

【最強投資家レイ・ダリオ、人生と仕事を語る】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532357977

本日ご紹介する一冊は、世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエイツの創業者であり、当代最高の投資家、起業家の一人、レイ・ダリオの自伝。

もともとは、2010年にホームページに掲載して、300万ダウンロードされた「原則」がもとになっているようですが、氏を作った経験と、マーケットから学んだ教訓、投資やビジネスで勝つための原則と生き方について書かれています。

大抵の人は、4000円という価格に驚くと思いますが、運用資産額世界最大の18兆円、2兆円の個人資産を築いた氏のノウハウが読めるとなれば、決して高くはないと思います。

加えて、この分厚さと内容の濃さ、そして文章の面白さ。

読書好きなら、ぐいぐい引き込まれて、ずっと読んでいたいと思うはずです。

昔から投資で成功した人の本が好きで、たくさん読んでいますが、ここまで緻密に勝利原則を書いた本は、なかなかありません。

著者がもともと、商品取引を行っていた投資家だからかもしれませんが、極めて物理的、数学的なアプローチで投資しており、「原則」の精密さに驚くばかりです。

これが万人に向けた『人生と仕事の原則』で、この後「経済と投資の原則」が出るというのですから、次はどれだけ濃い内容が読めるのだろうと、今から期待大です。

値段の高さで、最初は動きが鈍いかもしれませんが、有識者がクチコミを始めたら、一気に広がる本だと思います。

さっそく、先取りでポイントをチェックして行きましょう。

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成功した人はみな彼らを成功に導いた原則を持っている。何に成功したいと思うかは、じつにさまざまだから、原則もさまざまだ

市場でお金を稼ぐには、自分の頭で考え、市場のコンセンサスに逆らって賭けをし、当てなくてはならない

辛い失敗のおかげで、「わかっている。私は正しいんだ」から、「私は正しいとどうすればわかるか」という態度に変わっていった

現実が教えてくれたのは、「他の人が他の時代に経験したことを理解しておかなくちゃダメだ。さもなければ、そういうことが自分の身に起こる可能性があることがわからない。そして、起こったときには、どう対処すればよいかわからない」

どのくらいの牛、鶏、豚が飼育されているか、どのくらいの穀物を餌として食べるか、どのくらい早く体重が増加するかがわかれば、いつどのくらいの量の食肉が市場に出回るかを予測できる

需要は(購買された数量の代わりに)消費金額で見たほうがはるかに実践的だし、買い手と売り手は誰か、なぜ買ったり売ったりしたかを見るほうがよいと思った

経済学的に考えれば鶏はひよこと餌からなる単純なマシンだということに気が付いた

一生懸命、創意工夫をこらして働けば、ほとんどのことは手に入る。だが、すべてではない。もっと素晴らしいことを追求するために、素晴らしい機会を見送る能力、それが成熟ということだ

上り調子にあるときには、下り調子のときに比べて多くの友達がいるように思われる。それは、誰もが負け組ではなく勝ち組と一緒にいたいと思うからだ。真の友人は逆だ

15から20種類くらいの相関関係のない一連の収益の流れがあれば、期待収益を下げることなくリスクを劇的に減らせることが見えた

資産運用が大きくなりすぎるとパフォーマンスが落ちる。自分で市場を動かしてしまうからポジションを動かすコストが高くなる(中略)金の卵を産むガチョウを殺さないように、大きくなりすぎないように私たちはいつも注意をしてきた

人生は3つのフェーズに分かれているように思える。第一のフェーズは、誰かに依存して学ぶ時期。第二では、他の人が依存してくるようになり、働く。第三は最後のフェーズだが、他人から依存されず、働くこともなく、人生を自由に楽しむ

現実は全体のために最適化している。あなたのためではない

二次的、三次的結果の重さを考える

◆上手に意思決定する方法
1.論理的な範囲を超えて自分を過信しない
2.信用度合いで差別しないこと

卓越した存在になろうと思ったら、妥協できないことは妥協してはならない

どんな仕事をしていても、経営の上のほうにいくと、目標を設定し、その達成のためにマシンを構築するのが仕事になる

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本書のオビ裏にこんな言葉が書かれていますが、誠におっしゃる通りだと思います。

<人生で成功と言えることがあったとしたら、私が何かを知っていたからというよりも、知らないことにどう対応するかを知っていたからだ。私が学んだいちばん重要なことは、いくつかの原則(Principles)に基づいて人生にアプローチすることだ>

分厚い本ですが、投資に関する内容はPARTIに集中しており、PARTII以降は、パワポ資料のような感じでサクサク進む構成。かつ一般的な成功論とマネジメント論なので、厚さはそこまで気にならないと思います(最悪、読み飛ばしてもOK)。

ぜひ、自分自身の「原則」を見つける手掛かりにしてください。

これは、必読の一冊です。

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『PRINCIPLES 人生と仕事の原則』レイ・ダリオ・著
斎藤聖美・訳 日本経済新聞出版社

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532357977/

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◆目次◆

イントロダクション
PARTI 私の生い立ち
PARTII 人生の原則
PARTIII 仕事の原則
結論
付記 ブリッジウォーターのアイデア本位主義のために作られたツールと手順
参考文献
謝辞

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