2019年3月4日

『1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法』 山口揚平・著 vol.5227

【今、一番読むべき本】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833423138

本日ご紹介する一冊は、土井が若手No.1思想家と考える、事業家・思想家の山口揚平さんによる過去最高傑作。

『1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法』というゆるいタイトルとは裏腹に、中身は、「21世紀を生き抜くための思考法」「2022年以降の経済原理」が書かれています。

「解を問う」20世紀の教育から「問いを問う」教育へのシフト、「あるべき姿」へ向かう問題解決から「対立」を解消する問題解決へのシフト、中央から地方へのシフト、お金から信用へのシフト、「労働」から「貢献」へのシフト、「生存」から「創造」へのシフト、「個」から「関係性」へのシフト…。

考えられるあらゆる変化に言及しており、読めばこれからの生き方、キャリアの方向性に迷いがなくなるでしょう。

昨年は「AI脅威論」がたくさん出て、不安になった方もいるでしょうが、本書はテクノロジーよりももっと重要な社会の価値観の根本的な変化に触れており、われわれの社会がどの方向性に向かうのか、より精緻な考察がなされています。

これからの時代の評価のポイント、幸せに生きるためのヒントについても言及されており、新しい時代の生き方の教科書となり得る一冊です。

さっそく、ポイントをチェックしてみましょう。

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「解を問う」のが20世紀の教育だったならば、「問いを問う」のが21世紀の教育であろう

問題を解決したければ一度立ち止まり、まずは対象から距離を置く「できる人」は常に代替案を用意している

やるべきことはあくまでも意識をより高い次元にスライドさせること

コミュニティは基本的にヨコ社会である。そこでの言語は従来のお金ではなく価値観や信用・貢献・品位である

お金という中間物と社会的な欲求は、どちらかを増やすとどちらかが減ってしまうトレードオフの関係にある。そんな世界において人々は、より社会的欲求への純度を高め、結果としてお金を使う機会を減らしていく

中央集権的な社会構造が弱まると、人は地方へと回帰していく

21世紀、人が一番お金をかけるのは、プラスのピアエフェクト(好影響)を与えてくれる人材を側に置くことだ。おそらくあと10年以内で人々が一番お金を払う対象は「臨在(仏教用語で優れた人のそばにいることを指す)」になる

個性は信用主義社会においては「天才性」という言葉に置き換えられる。私は常々、人生の幸福を決める要素の50%は自分の天才性に気づき、それを発揮しているかどうかだと思っている。残りの半分は人によっては快楽かもしれないし、安らぎかもしれないし、アドレナリンかもしれないが、少なくとも50%は「天職」に就けているかどうかだと思うのだ

近代では個人の権利や所有を前提に私たちは生きてきたし、アイデンティティもそこにあった。しかし「関係こそが生命の本質である」と前提が変化した時代には、価値は価値はつながりや物語そのものになる。その世界では今の貨幣のような数字で文脈を分断するお金などのツールは意味を持たず消滅する。そのときがお金という概念のなくなる日である

2020年からの変化の本質で見えてくることは、孤独という最大の災害をなくすための「所属の人権化」、マルチコミュニティや関係経済(ピア経済)が中心になったときに価値観で人がつながっていくという「意識の階層化」、そして再三書いてきた「個人の崩壊」、最後には自分という概念が世界やコミュニティに溶け去っていくという「自己の拡張」であろう

幸せとは物量のことではなく一体性のことである。人と心がつながったとき、もしくは期待と実態が一致しているとき、人は幸福を感じられる

今は、努力して成果を挙げる能力より、最小限の力で効率的に成果を挙げる「コスパ力」が求められている時代である。そして、あと少ししたら努力もコスパも意識せず、今あるもので満足する「期待値コントロール力」が主流の時代になる

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2022年以降の未来の基本原理を説く内容がとりわけ面白く、目を引きますが、個人のキャリアにとっても重要な示唆が含まれています。

なかでも、「天才性の拠り所となる4つの領域」は、自分に当てはめて考えると、キャリア開発の良いヒントとなるでしょう。(土井は国語か哲学ですね)

◆天才性の拠り所となる4つの領域
・ロジックや構造化を司る「算数」
・自然との調和を司る「理科」
・コミュニケーションを司る「国語」
・真善美の追求や創造を司る「社会(哲学)」

これはぜひ、読んでみてください。

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『1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法』
山口揚平・著 プレジデント社

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◆目次◆

第1章 思考力は AIを凌ぐ武器になる
・思考は情報に勝る
・考えるとは何か?
・なぜ考えるのか?
・考える真の目的とは何か?

第2章 短時間で成果を出す思考の技法
・日々、どのように考えれば良いのか?
・物事を考えるのに役立つ4つのツール
・未来をも見通す思考の哲学

第3章 2020年から先の世界を生き抜く方法を考える
・アフターオリンピック(2020年以降)の世界
・お金はこの先どう変化するか?
・経済にお金は必要か?~非貨幣経済の出現~
・社会は溶け去り、マルチコミュニティの時代へ
・2020年以降、「仕事」はこう変わる
・日本の産業はロボティクスに注力せよ
・個人から「関係」にシフトする

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