2019年2月4日

『「さみしさ」の研究』ビートたけし・著 vol.5208

【老いと孤独に勝つ、たけしの毒舌】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4098253380

本日ご紹介する一冊は、漫才師、映画監督として活躍するビートたけしさんが、「老い」や「孤独」とどう付き合うか、毒舌たっぷりに語った一冊。

もともとは、雑誌『週刊ポスト』の人気連載「ビートたけしの『21世紀毒談』」のなかから、特に反響の大きかったエピソードを集め、語り下ろしを加えて書籍化したもののようです。

途中から『「さみしさ」の研究』を離れ、人物批評、芸能トピックなどに脱線しますが、雑誌コンテンツの寄せ集めであることを考えれば、そこはご愛嬌。

全体としては、人物批評やニュース批評を通じ、生き方や働き方、自分プロデュースを考えるという、ビジネスパーソンにとっても有益な内容です。

本書で言う「さみしさ」とは、衰えに伴うさみしさだと受け取りましたが、「衰え」は、高齢化によるものとは限りません。

長年、人気商売を続けている著者ならではの「栄枯盛衰」論が語られており、ビジネスにおける普遍の真理を語った部分が、読みどころです。

さっそく、いくつかポイントを見て行きましょう。

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「老い」と「孤独」ってのは残酷だってところから始めなきゃウソ

人間はどんなに頑張ったって「他人から認められたい」という承認欲求を完全には捨て去れない

笑いのネタを考えたり、絵を描いたり、小説を書いたりなんていう創作の時間ってのは、とても孤独な時間だ。誰かに助けてもらえるもんじゃないからね。だけど、その先に「他人にウケたい」って目的があるから、孤独な作業にも耐えられるし、楽しくなるってのが事実なんだよな

その考え方には大きな落とし穴がある。それは、「尊敬できる老人」かどうかを判断するのは、大抵が自分たちより若い世代のヤツラだってことだよ。だから、社会的に敬われる存在、模範的な存在であろうとすると、結局は「若い世代に気に入られるかどうか」って話になっちまうんだよな

人間、普通に生きてりゃ本来は歳を取るほどワガママになるもんだ。「人に好かれよう」「尊敬されたい」なんて思って窮屈にならずに、ヒンシュク上等で余生を楽しみゃいいんだっての

町内会の飲み会で、酒の肴に死んじまった近所のジジイやババアの話をする時、「いい人」の話なんて出てきやしない。そういう時にみんなが懐かしむのは、ワガママで迷惑ばっかりかけてたヤツのほうなんだよな

「オレはいつまでも若い」なんて威張ってるヤツは、単に「自己客観視する能力」がないだけだ

歳を取ってくると、そういう分別こそが大事になってくる。できること、できないことの見分け方こそ大事なんだ

カネを天国に持っていくことはできないけど、松方さんみたいな破天荒な話は、残された人の心にいつまでも残る

結局、テレビの世界で「ウケる」っていうのは、意外性があるかどうかに尽きるんだよ

もう国民すべてがテレビの前で熱狂するなんて時代は終わった

メディアと当時に潰れるのは二流。一流は自分の芸を媒体に最適化させる

タレントでも政治でも、人気商売ってものの基本的な考えは「新鮮さが薄れるほど人気は落ちる」ってことだ。勢いがあって、世間の注目が集まっているうちに「次の手」を打っておかないと、世間はドンドン飽きていってしまうんだよ

「人間はこれからヤバイ」って話は違うんじゃないか。このAI化を進めてるのは、何より「賢い一部の人間」なわけでね。AI化の問題ってのも、本質的には「格差」なんだよ。賢くってカネを持ってる人間が、「普通のヤツ」に払う金をケチろうと考えた結果が、AI化なんでさ

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好感度抜群の小泉進次郎、ベストセラー連発のホリエモン、宗教家、政治家、AIを扇動する人物…。

ありとあらゆる人物、事件、ニュースを愛ある毒舌でぶった切っており、痛快そのものの内容です。

<賢くってカネを持ってる人間が、「普通のヤツ」に払う金をケチろうと考えた結果が、AI化>とは恐れ入りました(笑)。

時代は変わりますし、老人擁護だけでは社会は回らないと思いますが、社会の大半が高齢化することを考えると、こういうシニカルな視点は持っていていいかと思います。

ぜひ読んでみてください。

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『「さみしさ」の研究』ビートたけし・著 小学館

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4098253380/

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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07KXGTNYX/

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◆目次◆

はじめに
第1章 老い、孤独、そして独立について。
第2章 友の死、さみしいね。
第3章 ニッポン社会も老いている。
おまけ 2018最旬人物「ヒンシュク大賞」
おわりに

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