【数字を入れて話すと伝わる】
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本日ご紹介する一冊は、ビジネス数学の専門家であり、研修講師として数多くのビジネスパーソンに数学や論理思考を教えている深沢真太郎さんが、その伝え方の極意をまとめた一冊。
著者は、SMBC、三菱UFJ、みずほ、早稲田大学、産業能率大学など大手コンサルティング企業や教育機関と提携し、ビジネス界で数学教育を推進していますが、本書には、その教育のエッセンスが詰まっています。
伝え方について書かれた本は数多くありますが、本書の特徴は、ズバリ「話に数字を入れることでより伝えやすくする」ということ。
土井がチェックしている限り、プロの研修講師でも「論理学をきちんと学んでいないな」と思わせる話し方をする人がいますが(接続詞があいまい、因果関係がおかしいなど)、本書は平易ながら論理学の基本を押さえた内容となっており、読者の伝える技術に磨きがかかること、請け合いです。
ビジネスの現場で普通に行われている会話が、じつは曖昧さを生み、生産性を下げている。
自分個人の評価はさることながら、チーム全体の生産性を上げるためにも、ぜひマスターして欲しいノウハウが書かれています。
さっそく、ポイントをチェックして行きましょう。
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OFF「では説明を始めます。さっそくですが……」
ON「始める前に、まず前提の確認です」
開始から1分以内で前提を伝えることで、あなたの説明を聞く人の足並みが揃います
相手にして欲しい行為を具体的に伝える
(1)話す内容を「要素」に分ける
(2)それを本題の前に説明しておく
OFF「予算が決まっていないので議論できませんね」
ON「予算を仮に10億円として議論を進めましょう」
OFF「採用条件? 英語が堪能であること。あとは、中国語が堪能であることかな……」
ON「採用条件は、英語かつ(または)中国語が堪能であること」
「and」なのか「or」なのか。細部の話ではありますが、1%でもそう思わせてしまう可能性をなくすために、「かつ」と「または」という間違いない言葉を、はっきり使いましょう
OFF「東京店は好調ですね。大阪店はちょっと苦戦しています」
ON「東京店は好調。一方、大阪店は苦戦」
前後の文章を結びつける機能を持つ「さらに」「ゆえに」「一方で」といった数学コトバは、実は聞き手に次の話の“方向”を示してくれる機能もあるのです
話を終えるときは「以上です」
OFF「簡潔に説明をお願いします」
ON「1分で説明できる状態にしてください」
OFF「企画のコンセプトを明確にして」
ON「企画のコンセプトは1行で表現して」
OFF「5000万円のコストカット。けっこうなインパクトです!」
ON「5000万円のコストカット。当社の人件費10名分です」
OFF「まあまあですね」
ON「いわゆる偏差値でいえば、55ですね」
OFF「できるだけわかりやすく、できるだけ見やすく、……」
ON「15歳でもわかるように、85歳でも読めるように、……」
OFF「自己評価してみて。どうだった?」
ON「パーフェクトを100としたら、自己評価はどれくらい?」
OFF「来年の売上予測? なんとも言えませんね……」
ON「ポジティブ3億円、ネガティブ1億円です」
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ビジネスの世界で、「100%確実」はほぼありません。
むしろ曖昧な状況の中で意思決定するのがビジネスですが、そんな状況でも人を説得し、事を進めるのがデキるビジネスパーソンです。
わかりやすく伝えるだけでなく、納得してもらう。さらに動いてもらう。そのためのノウハウが本書には書かれています。
ぜひ読んでみてください。
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『伝わるスイッチ』深沢真太郎・著 大和書房
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◆目次◆
伝わるスイッチ 理論編
伝わるスイッチ 実践編
「本題の前」で勝負は決まる
勝負どころで必須の「最強コトバ」
わかりやすいを作る「構造化」
世界中で伝わる「数字の魔法」
「正しそう」な言い回し
「数学的根拠」が最強の根拠
伝わる人は、「人間」を知っている
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