2018年12月19日

『0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書』 落合陽一・著 vol.5180


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先日、教育関係者の前で講演をした際、鈴木博毅さんの『「超」入門 失敗の本質』の有名な言葉、「戦略とは追いかける指標のことである」を引用しながら、「今、東大合格は正しい指標なのか」という問いかけをしました。

※参考:『「超」入門 失敗の本質』
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もちろん、東大に行けば優秀な教授や生徒に出会えます。素晴らしい学問との出合いもあるでしょう。

でも、グローバル競争が基本となった時代、「東大に合格しさえすれば、成功できる、幸せになれる」と思い込んでしまったら、不幸です。

なぜなら東大合格生がたくさん入社した過去の大企業に入っても、今や安定した雇用、高収入は期待できなくなりつつあるから。

スタンフォード大学に入って、シリコンバレーでベンチャー企業を起こしたり、インドや中国に渡ったりする方が、よっぽど豊かになれる時代がやってきているのです。

本日ご紹介する一冊は、そんな時代にあってわれわれがどう学校選びをすればいいのか、何をどう学べばいいのか、落合陽一さんが教えてくれる一冊。

さすが学問の世界に身を置きつつ、異色の活躍をする著者だけあって、視点が斬新で、勉強になります。

普通の人には真似するのが難しいかもしれませんが、毎日専門家が来て異分野を学ぶという落合家の教育も、興味深く読めると思います。

今後の教育改革も踏まえつつ、現実に個人がどう学ぶべきか、本音が書かれていて、子どもも親も必読の一冊と思いました。

さっそく、ポイントをチェックしてみましょう。

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一定水準をすべて満たす人間にならなくていい

何才になっても新しいことを身につけられるスキルはどうやって培われるのかというと、若い時にいかにたくさん新しいことを習得しようとしたか、それを実際の現場で使おうとしたか、つまりたくさん勉強し実践したかどうかだと思うのです

近代教育の授業は劇場型で、多くの生徒が壇上に注目するという形態をとっています。これはテレビを見ているのと似ていて、生徒の側は基本的に受け身でしかいられません

僕はよく、ある魔法のワードを使います。「これは、僕が今、思いついたことだから、正解はないんだけどね」といった前置きをしながら聞くのです。「正解はない」。そうわかると、学生達は安心していろいろな意見を出してくれるようになります

プログラミングの得手不得手に関していえば、早く始めた人よりも、数学ができる人のほうが有利になります。何行書けるかよりも、何行書くことを減らせるかが重要な世界だからです

今さしあたって使う機会がないのに一生懸命プログラムの言語や手法を覚えても、その手法は数年後には通用しなくなっているかもしれません。早いうちに勉強するなら、プログラムによる表現を根底で支える数学や物理、あるいは、審美眼を養うためのアートといった普遍的な学問のほうに力を入れて学んだほうがよいかもしれません

幼児期に鍛えたほうがよいのは五感だと僕は考えています。6才になるまでに人間の感覚器を刺激し鍛える体験を、まんべんなくさせたほうがよいと思います

文化資本は、教育に金銭的コストをどれだけかけられるか、だけでなく、大人が自分の持ちうる知識やネットワークをどう活用するかで決まる

「東大卒」はたいしたことではなくなる

大学は就職予備校ではなく学問の入り口に立つ場所

アートとサイエンスは、何かを探求するプロセスです。それに対して、エンジニアリングやデザインは、何かを合理化して生産するプロセスです。そして、テクノロジーはその手段となるものです

歴史上リベラルアーツは、メカニカルアーツをやや見下しているところがありました。しかし、テクノロジーを抜きにしたリベラルアーツには、今や市場価値がありません

「貯金をしよう」ではなく、「お金を調達できる人間になろう」

自由のきくオンラインスタイルの塾が学びのスタンダードに

なぜ、アートが必要なのか。それはSTEM教育で育成された人材は、基本的にシステム思考に陥りがちだからです

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今後の教育で必要になる主要ワードを、適宜まとめてくれているのが大変便利。

なかでも、STEM教育にアートを加えた「STEAM教育」について言及している部分は、熟読したいところです。

内容的には、教師、親が読むべき本ですが、これから大学進学を考える高校生、学び直しをしたい社会人にも役立つ内容です。

ぜひ読んでみてください。

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『0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書』
落合陽一・著 小学館

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◆目次◆

プロローグ 人生100年時代の「新しい学び方」とは
第1章 Q&A・幼児教育から生涯教育まで「なぜ学ばなければならないのか」
第2章 落合陽一はこう作られた・どんな教育を選び、どう進んで来たか、生成過程
第3章 学び方の実践例・「STEAM教育」時代に身につけておくべき4つの要素
エピローグ ライフスタイルとして楽しむ学びから生まれるイノベーション

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