2018年12月4日

『東京大田区・弁当屋のすごい経営』菅原勇一郎・著 vol.5169

【スタンフォード大学MBAの教材になった弁当屋】
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本日ご紹介する一冊は、法人向けの日替わり弁当のみで年商70億円、スタンフォード大学MBAの教材にもなった「玉子屋」の経営論。
著者は、玉子屋の二代目社長であり、同社を8年で業績3倍にした、菅原勇一郎さんです。

さすがスタンフォード大学MBAのケースに採用されただけあって、同社の経営は、じつにユニークです。

朝9時から10時半までの受付で昼12時までに7万食が間に合う物流のしくみ、原価率53%で成り立つ合理的経営、廃棄率0.1%の驚異のマネジメント…。

どんな経営をしているのか、当然気になると思いますが、読んでみて、納得の内容でした。

著者がいかにして事業承継をスムーズに成し遂げたのか、裏側の話もきっちり書かれており、事業承継に悩む経営者、コンサルタントにとっても役立つ内容だと思います。

プロ野球選手の夢をあきらめ、銀行に就職した著者が考えた、ユニーク経営とは。

さっそく、ポイントをチェックしてみましょう。

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もっと女性に喜ばれるメニューづくりをするべきだと思っていました。(中略)玉子屋の弁当はブルーカラーだけではなく、オフィスで働くホワイトカラーにも好評をいただいて大きく食数を伸ばしてきました

連距離、中距離、近距離と配達エリアを分けて、配送車同士が連携することで配送効率を高めています。まずは遠距離エリアの配達車は受注を待たずに、朝8時の段階で「見込み数」の弁当を積み込んで出発。中距離エリアの配達車はそれより遅れて出発します。遠距離部隊の弁当が余ったり、不足する見込みとなった場合は、遠距離エリアの配達車と中距離エリアの配達車が連絡を取り合って、弁当を補給したり、逆に余った弁当を積み替えます。同じように中距離エリアの不足分や余剰分は、大田区周辺の近距離エリアの配達車に積み替えて調整していく

「俺がゼロからつくった会社だ。血のつながったお前が潰しても全然構わない。気にしないで好きにやれ」社長の前では言えないことを言われたとき、後光がさし込んだように目の前の景色が明るくなりました。やはり「親父から受け継いだ会社を潰してはいけない」という、プレッシャーがあったのだと思います。会長の言葉でそれがすっと消え失せた。だからリスクをあまり考えずにメニューや人事制度の改革に取り組むことができたし、その結果、食数を大きく伸ばすことができたと思っています

玉子屋では食品ロスを出さないために少なめに材料を仕入れて、見込みの数の弁当をつくっています。同じくロスを少なくするため、よほど大幅に注文数が見込み数を上回らない限り、追加は細かく、何回にも分けて入れていく。通常は数百食単位で追加を出しますが、100食単位になることもある

遠距離車、中距離車、近距離車では調整できないような場合に備えて、「調整車」という弁当の補足分を積み込んだ車を12台、準備

私が玉子屋に入る前に勤めていた会社は全国の米屋のコンサルティングをしていて、私も日本全国の米を食べ歩きました

使い捨て容器ではなく、回収して再利用するリターナブルの弁当箱を使っていることが、実はここで一役買うのです。弁当を配って終わりではなく、食べ終わってから回収するわけですから、単純に接点が倍増します。「明日は会議が多くて会社に残っている人が多く、営業の社員も社内にいる」「大きな販促イベントがあって、外に出る社員が多い」弁当の回収時に各社の情報をさりげなく聞き出す

いくら感謝してもし切れないのは、直接の被害者である三井造船が事件後もお付き合いを継続してくださったことです。会社側はほかの弁当屋に替える方針だったようですが、社員の皆様から「玉子屋の弁当を食べたい」というご声援をいただいた。土下座してお詫びした会長と若手営業マンを三井造船の担当の方が意気に感じてくださったらしく、ご自分のクビをかけて玉子屋の弁当を引き続き取ることを決定してくださいました

3年連続で新卒を採用したのですが、だんだん「新卒採用に意味があるのか」という空気が社内に立ち込めてきました

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都内にいると、お昼時、「玉子屋」の配送車が目につくので、何の会社だろうと疑問に思っていたのですが、まさかこんな好業績企業とは。(現在、グループ年商90億円)

著者の経営は、前述のスタンフォード大学MBAにとどまらず、ダボス会議や「カンブリア宮殿」でも注目されており、アナログ系企業にとっては、大いに勉強になる内容です。

大事なのは、情熱や考え方であり、ITはそれを実現する道具。

経営において大事なことを思い出させてくれる一冊でした。

ぜひ、読んでみてください。

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『東京大田区・弁当屋のすごい経営』菅原勇一郎・著 扶桑社

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◆目次◆

1章 中小企業の事業承継は先代が元気なうちに
2章 数字で語る玉子屋
3章 嫌いだった弁当屋を継いだ理由
4章 社員の心に火を灯せ
5章 玉子屋の未来

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