2018年12月14日

『「超」入門 空気の研究』鈴木博毅・著 vol.5177

【日本の「理不尽」の構造を読み解く好著。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478102201/a>

ベストセラー『「超」入門 失敗の本質』の著者、鈴木博毅さんがひさびさにやってくれました。

※参考:『「超」入門 失敗の本質』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478016879/

前作では、日本企業がグローバルで大敗していた時に、「戦略とは追いかける指標のことである」という本質を名著『失敗の本質』から抜き出し、同じ指標を追い続けて失敗した日本軍と日本メーカーを対比。今後の戦略の方向性を示唆しました。

今回は、<「空気」=ある種の前提>という定義をすることで、われわれの社会を支配する「空気」の正体と、そのメカニズム、そこから逃れる方法を解説しています。

会社でよく言われる、「お前はうちの空気が読めてないだろ!」は、「お前はうちの前提が読めてないだろ!」であり、ここがわかれば、日本社会、日本企業を読み解くことがグッとラクになります。

本書を読めば、なぜ日本社会が「空気」から逃れられずに暴走するのか、破滅に向かうとわかっていても止められないのか、空気を読まない者を徹底的に叩くのか、その理由がわかるようになります。

戦史の研究家でかつビジネス戦略コンサルタントという著者ならではの味付けで、山本七平氏の名著『「空気」の研究』の内容が、ビジネスパーソンにとって、ぐっと身近になりました。

※参考:『「空気」の研究』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4167306034/

日本企業でリーダーシップを発揮したい人、会社やチームの嫌な空気を変えたい人には、必読の内容です。

さっそく、いくつかポイントをチェックしてみましょう。

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◆『「空気」の研究』の予言
<もし日本が、再び破滅へと突入していくなら、それを突入させていくものは戦艦大和の場合の如く「空気」であり、破滅の後にもし名目的責任者がその理由を問われたら、同じように「あのときは、ああせざるを得なかった」と答えるであろう>

日本人の民族性の一つは、「状況に即応する」ことなのかもしれません。何かに染まりやすい、自らを進んで塗り替える性質を持って
いるのです。裏を返せば、状況に即応する意味での一貫性が日本人には常に存在しています

「空気」=ある種の前提

空気を読め、とは前提を理解しろ、と解釈できる

「人が空気から逃れられない」とは、「人がある前提から逃れられない」と置き換えることが可能です。空気があるとその前提を基に結論を出すことを強要されるのです

<われわれは常に、論理的判断の基準と、空気的判断の基準という、一種の二重基準のもとに生きているわけである>

掲げた目的達成がほぼ不可能なのに、なぜプロジェクトが強行されるのか。理由は簡単で、表面に目的として掲げられたことの達成が真の動機ではないからです

ムラごとに「善悪の基準」が違う

日本には「共通の正義」は存在しない

<義と不義とを分かつもう一つの簡便な方法は、「お墨付き方式」である。交戦当事者よりも高い次元の存在者を認め、その「お告げ」によって、どちらの側に正義が存在するかを決める>

すべてのいじめは「お墨付き」を得て始まる

情況に左右されない西欧の固定倫理

最強の大衆扇動術は「臨在感」を操ること

相対的なものを絶対化すると必ずウソが生まれる

言葉=現実という感覚を持つ日本人は、言葉と現実を突き合わせる習慣が希薄

結論より「前提」を大衆に押し付けるほうが気付かれない

◆空気打破の4つの起点
(1)空気の相対化
(2)閉鎖された劇場の破壊
(3)空気を断ち切る思考の自由
(4)流れに対抗する根本主義

原点の明確化が空気を打破する最強の力となる

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本書の内容は、集団を支配したい支配層にとっても有効なため、悪用されないことを祈るばかりです。

それぐらい、日本社会で影響力を発揮しようと思う人にとっては、強力な武器となる内容です。

空気を味方にするも、敵にするも、知識次第。

いじめの解消や社内の意思決定の改善、新企画の提案など、あらゆる場面で威力を発揮する可能性のある一冊です。

ぜひ、読んでみてください。

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『「超」入門 空気の研究』鈴木博毅・著 ダイヤモンド社

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478102201/

<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07KG5538D/

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◆目次◆

はじめに 今も昔も日本人を支配するもの
第1章 日本を支配する妖怪の正体
──日本人が逃れられない「見えない圧力」
第2章 なぜ日本人は集団だと狂暴になるのか?
──日本的ムラ社会を動かす狂気の情況倫理
第3章 なぜ日本人は感染しやすいのか?
──日本人を思考停止に追いやる3つの要因
第4章 私たちはこうして思考を乗っ取られる
──空気の拘束を生む3つの基本構造
第5章 なぜ日本人は「常識」に縛られてしまうのか?
──新たな拘束力となる水の思考法
第6章 「日本劇場」を操る「何かの力」
──支配者にとって空気は世論をつくる最強の武器
第7章 どうすれば空気を破壊できるのか?
──巨大な圧力に抵抗する4つの方法
おわりに──空気を超克する新たな時代の創造へ
後注(出典元)

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