2018年11月30日

『ビジネスの限界はアートで超えろ!』 増村岳史・著 vol.5167

【ゼロイチを可能にするアート思考】
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本日ご紹介する一冊は、人間国宝増村氏の血筋であり、代々アート家系という著者が、ビジネスイノベーションにアートを活用する方法を説いた一冊。

コーンフェリー・ヘイグループの山口周さんや、元マイクロソフト社長の成毛眞さんも推薦している、話題の書です。

著者は、リクルートのマーケティング、営業を経て、映画、音楽の製作および出版事業を経験した人物。リクルート退社後は、音楽配信事業、テレビ局、出版社とのコンテンツ事業の共同開発に従事した経験を持っています。

現在は、短期間で絵が描けるようになるプログラムを独自開発し、ビジネス教育に活かしているようです。

本書には、美大で教えられていることを、ビジネスパーソンがどう活かすか、そこから何を学ぶか、ビジネスの文脈と絡めて具体的に書かれており、じつに勉強になります。

アート界の巨人たちがどうやってイノベーションを生み出したか、という裏話も、参考になるでしょう。

イノベーションが生み出せずに行き詰まった個人、組織に新鮮な視点をもたらす内容で、ぜひご一読いただきたい内容です。

さっそく、ポイントをチェックしてみましょう。

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今、アメリカではMBAよりも、MFAを持っている人材のほうが重宝されています。給料も待遇も、MBAを持っているより、MFAを持っている人のほうが圧倒的に高くなる時代になっているのです

Airbnbを作ったのは美大生

世界を代表するハイブランドが各国に店舗を出店する際には、ある一つの明確なルールがあります。それは、旗艦店に必ずギャラリースペースを設けることです

データビジュアリゼーションにおいて必要となる、ものごとを観て理解するプロセスは、絵画の基本である「デッサン」を描き上げていくプロセスと同じ

デッサンをする際にもっとも重要なことは、絵を描く対象を見る際に「俯瞰」と「主観」を繰り返すこと

アーティストたちが住み始めると地下が上昇する

リセットされた(されてしまった)社会においては、創造性の持つ役割が非常に重要

近年このロジカルシンキングのみでは天井にぶつかってしまい、新たな価値創造ができなくなってしまっている

・テクノロジーは、ロジックで課題解決を図ります
・サイエンスは、ロジックで問題提起・新たな価値の創造をします
・デザインは、感性で課題解決を図ります
・アートは感性で問題提起を行い新たな価値の創造をします

「爆発」するためには、「爆発」させるための機構がなければなりません。火薬がなければなりませんし、火薬を爆発させるための装置や内燃機関も必要です。岡本太郎にとってそれは、哲学でした

岡本太郎はまず、実際に描こうとしている絵を縮小した綿密なエスキース(下絵)を作っていました

「新たな価値の創造」「思いつくかどうか」「非連続性」、これらを広めていくための「ストーリー」。アーティストは、まさにこれらを日々実践しています

◆サイ・トゥオンブリー
一切の主観が入らない真っ暗な状態を作り、そこで絵を描いたのです。部屋を真っ暗にして描いた絵は、驚くことなかれ、2015年に世界的な競売会社サザビーズのオークションで約87億円で落札されました

センスを呼び覚まし、アートシンキングを実践していくには、具体的に何をしたらいいのでしょうか? それは、「絵を観ること」そして、「絵を描くこと」です

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著者のセミナーの案内が余計でしたが、ここまでビジネス文脈で書かれたアートシンキングの本も珍しく、これはぜひ読んでいただきたい内容です。

MBA(経営学修士)よりMFA(美術学修士)が注目されている、という話も興味深く読めました。

個人的に、これからデッサンを勉強したいと思います(笑)。

ぜひ、読んでみてください。

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『ビジネスの限界はアートで超えろ!』
増村岳史・著 ディスカヴァー・トゥエンティワン

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◆目次◆

はじめに 第1章 ビジネスとアートの意外なつながり
第2章 アートの位置付け その意味と役割
第3章 アート・デザイン・クリエイティビティ それぞれの関係
第4章 アートのベースにはロジックがある
第5章 アートに見るイノベーションの要素
第6章 アートシンキング
第7章 実践! デッサンで思考をアップデート
おわりに

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