2018年11月8日

『イオンを創った女』東海友和・著 vol.5152

【イオン影の創業者 社員だけが読める幻の書、初公開】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833422921

本日の一冊は、日本一の巨大流通グループ「イオン」の創業者、岡田卓也氏を支えた「影の創業者」、小嶋千鶴子氏の評伝。

小嶋氏は、岡田卓也氏の実姉で、当時「家業」に過ぎなかった小売業を、「産業」にまで育て上げた功労者。

本書は、この小嶋氏について書かれた貴重な本であり、社員だけが読める「幻の書」を、初めて解説付きで一般公開した一冊。

なかでも、巨大グループの人事制度とその背骨を創った思想は、必読に値します。

祖父、父、母、姉という4人の家長的存在を立て続けに失い、後を継ぐしかなかった小嶋氏が、何をイオンの支柱に据えたのか、岡田氏に何を教育したのか、その全貌が明らかになります。

大正生まれの女性らしい、背筋がピンと伸びる内容で、「人事担当者は、ある意味では、掃除屋でなければならない」というのは至言でした。

数多くの人材を育ててきた方だけあって、その思想は、経営者のみならずあらゆる働き手が読んでおくべきだと感じました。

さっそく、ポイントをチェックしてみましょう。

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人事は人間を知ることから始まる。人間を知ることは人間を愛することから始まる。愛することは理解することである。よりよく知ることである。個々人は個々に違う。違うことを知ることである。一人一人について、過去どのように生きてきたかを知り、今後どのように生きていきたいかという希望を知り、今どうしているかを知り、目標をもたせることである

ごみ箱がない部屋は汚れる。会社も同じや。ごみはごみとして処理しないと、腐ったりんごは一つ放置するとみんな腐る。これも人事の大切な仕事や

ケンドリックによれば、経営者であれ労働者であれ、職場を選択するにあたっては“発展性のある会社”を選ぶことが重要であるという

人はどんなときによく働くのか。愉快なときに働くのである。人間は、人から認められたとき愉快になるのである

部下を誘ってゴルフにいくなどはトップ失格や。趣味は人知れずやるか、会社を辞めてからすればよい

他社のどこでもやっているような二番煎じ案ではいずれ会社は衰退する。よく練った独自案こそが会社を成長させるカギである

イノベーターの芽を摘まない

根回しや調整済みはろくな案ではない。もっと角ばった案はないのか?

組織を活性化するためには、共有しなければならないものが三つある。同じ情報の共有、同じ目的の共有、そして同じ結果の共有である

どんな人でもその人に合ったやり方さえ考えれば、人はどういうふうにでも社会の役に立つことができる

発展力の確保には、システム創造のための人材の確保が必要である

人生は長いので、区切りなり、ステップなり、道標なり、階段が必要だ

「あるもの」より「ないもの」で人生は決まる

君たちが傍観者でいる限り成長も成功もないことを知っておくべきだ

どんな仕事でも、仕事らしい仕事には、すべての人が賛成するわけではない。反対があればこそ仕事の意義がある

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松下幸之助の伝記を読んでいるような懐かしい感じと、現代でも通用するイノベーティブなマインドが混在しており、まさに今、読むべき一冊と思いました。

ノンフィクションとして読んでも、教訓として読んでも、楽しめる一冊です。

これはぜひ、読んでみてください。

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『イオンを創った女』東海友和・著 プレジデント社

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◆目次◆

第1章 小嶋千鶴子を形成したもの─その生い立ちと試練
第2章 善く生きるということ─小嶋千鶴子の人生哲学
第3章 トップと幹部に求め続けたもの─小嶋千鶴子の経営哲学
第4章 人が組織をつくる─小嶋千鶴子の人事哲学
第5章 自立・自律して生きるための処方箋
終 章 いま、なぜ「小嶋千鶴子」なのか?

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