2018年10月9日

『DEATH 「死」とは何か』シェリー・ケーガン・著 柴田裕之・訳 vol.5130

【イェール大学教授の人気講義】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4866510773

本日ご紹介する一冊は、イェール大学のシェリー・ケーガン教授が、23年連続で行っている人気講義を、書籍化した一冊。

既に中国、台湾、韓国などで25万部を超えるベストセラーとなっているそうです。

長寿、健康で知られる著名人が続々亡くなると、そのうち「死生観」を問う本が売れると、常々主張してきましたが、本書はその本丸となり得る一冊。

死はなぜ悪いのか、死にともなう孤独感の正体、不死の是非に関する議論、自殺の意味、死が教える人生の価値の測り方、私たちが死ぬまでに考えておくべき6つの問題など、じつに興味深い論点を提示しており、読み応えがあります。

読めば、やみくもに死を恐れることなく、前向きに生きられること、請け合いです。

一部の方が指摘しているように、抄訳版ではなく、完全版を読みたかったですが、まずは与えられたものから、ポイントをピックアップしてみましょう。

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思い出してほしい。永遠というのは、とても、とても長い時間なのだ。永遠というのは、永遠に続く。こういう生き方なら永遠にそれだけを続けたいというものを、みなさんは描き出せるだろうか?

最高の人生には、経験(「内面的な」良いこと)だけではなく、「外面的な」良いことも欠かせないのだ

「とても重要なので、それをやるためなら、死の危険を冒す気になる」というものがあるとすれば、それはどういうことか?

私たちは、二種類の用心をしなければならない。目標を選ぶときに用心し、その目標を実現するにあたっても用心しなければいけない

人生は良いもので、そのため人生の喪失は悪いことであり、生きているうちにできる限り人生を有効に過ごすのが答えとなる)は、おおざっぱに言えば西洋的な見解だ

仏教徒たちは自己が存在するという幻想から自らを解放しようとする。自分が存在しなければ、何一つ失うことはない。死ねば自分が消滅するのではないかと心配しているから、死は恐ろしい。だが、もし自己がなければ、消滅するものもない

「生きてて良かった」がある以上、「死んだほうが良かった」は否定できない

魂など存在しない。私たちは機械にすぎない。もちろん、ただのありきたりの機械ではない。私たちは驚くべき機械だ。愛したり、夢を抱いたり、創造したりする能力があり、計画を立ててそれを他者と共有できる機械だ。私たちは人格を持った人間だ。だが、それでも機械にすぎない。そして機械は壊れてしまえばもうおしまいだ。死は私たちには理解しえない大きな謎ではない。つまるところ死は、電灯やコンピューターが壊れうるとか、どの機械もいつかは動かなくなるといったことと比べて、特別に不思議なわけではない

人生が価値あるものをもう提供できなくなるまで生きる力が私たちにあったほうが、間違いなく望ましいだろう

少しでも長い人生を送ることが本人にとって全体として良い限り、死は悪い。そして少なくとも多くの人にとって、死は早く訪れ過ぎる。だがそうは言っても、不死が良いということには絶対にならない。実際には、不死は災いであり、恵みではない

生きてこられたのは幸運だったと気づいても、生き続けるほうが必ず幸せだということにはならない。残念ながら、生きているほうが良いとは、もう言えなくなる時を迎える人もいる。そしてそうなったら、人生は何が何でも、いかなる状況下でもしがみついていなければならないものだとは言えない。手放すべき時が来るかもしれない

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どう生きればいいか、下手な自己啓発書を読むより、本書を一冊読む方が、よっぽど生きるヒントが得られると思います。

最近は、快楽主義の主張がいたるところで見られますが、哲学的に見た、快楽主義の問題点も、本書で明らかになると思います。

よく生きるとはどういうことか、示唆を与えてくれる内容です。

ぜひ読んでみてください。

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『DEATH 「死」とは何か』シェリー・ケーガン・著 柴田裕之・訳 文響社

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◆目次◆

第1講 「死」について考える
日本の読者のみなさんへ
第2講 死の本質
第3講 当事者意識と孤独感──死を巡る2つの主張
第4講 死はなぜ悪いのか
第5講 不死──可能だとしたら、あなたは「不死」を手に入れたいか?
第6講 死が教える「人生の価値」の測り方
第7講 私たちが死ぬまでに考えておくべき、「死」にまつわる6つの問題
第8講 死に直面しながら生きる
第9講 自殺
死についての最終講義 これからを生きる君たちへ
訳者あとがき

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