2018年10月1日

『全米は、泣かない。』五明拓弥・著 vol.5125

【プロの文章家7人の目のつけどころ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4866670215

文章ができるとカネが稼げる、というのは、賢明なBBM読者のみなさまには、もう説明の必要はないでしょう。

本日ご紹介する一冊は、そんな稼げる文章の書き方を、プロのコピーライターたちが教えてくれる、ありがたい一冊。

芸人で初めてTCC新人賞を受賞した五明拓弥さんがナビゲーターとなって、プロ文章家からノウハウを盗み出し、実際に書いたコピーを添削してもらうことで、彼らの視点を学ぶという内容になっており、まるで文章講座を受けているかのような満足感たっぷりのコンテンツです。

登場するのは、ソフトバンクモバイルの「白戸家シリーズ/ホワイト家族」などのCMを手掛ける澤本嘉光さん、auの「三太郎シリーズ」のCMを手掛ける篠原誠さん、資生堂TSUBAKI「日本の女性は、美しい」、新潮文庫「Yonda?」などのコピーを手掛ける谷山雅計さん、LUMINEの「試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。」を書いた尾形真理子さん、大塚食品のビタミン炭酸MATCH「青春がないのも、青春だ。」やカロリーメイトの「とどけ、熱量。」などのCMを手掛ける福部明浩さん、映画「仁義なき戦い」のコピーを手掛けた、日本でただ一人の映画惹句師、関根忠郎さん。

最後に、特別対談として芥川賞作家のピース又吉直樹さんが登場し、ネタ作り、小説作りのノウハウを語っています。

文章を書いていると、つい常套句に頼ったり、手垢のついた言葉を使ったりしてしまいがちですが、本書ではそれを戒め、どうすれば読者の心に届く言葉が綴れるか、プロの視点を学ぶことができます。

さっそく、ポイントをチェックしてみましょう。

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上手いコピーって、句点に書き手のリズムがあって、それも写すと分かってくる(澤本)

クリエイティブでいちばん大切なのはアーカイブ(中略)「昔、面白いCMがあったな。あのCMとこのCMを混ぜたみたいな感じでやるといいんじゃないのかな」というように発想の材料がある方がやりやすい(澤本)

過去にどういうものがあったかを頭に入れておけば、それと今のものをコラージュできる(澤本)

思い浮かびはしないですよ。ひたすら考えるんです(篠原)

制限をかけて脳みそを自由にさせる(篠原)

素晴らしいと思ったら「なんかいい」「すてき」で終わらせずに、「なぜ、いいのか」を考えること(谷山)

モノと人との関係のバリエーションを考えていくことがコピーの基本(谷山)

次にコピーに何か新しいフェーズが表れるとしたら、僕らみたいな「集約力」ではない、ダラーンと長いまま伝えられるようなタイプの書き手が登場してくるんじゃないか(谷山)

「流行っているんだったらそれを使わせていただこう」という、利用のしかたがウェブというメディアにはきっと合うんだろうな(谷山)

ウェブによって、小さな流行が可視化できる時代になった(谷山)

入社試験で、「好きなコピーは何ですか?」と聞かれて、『1億使っても、まだ2億。』という宝くじのコピーをあげたら、面接官に大笑いされました。(中略)当時の私は、3億って言われても大金すぎてうらやましくならないのに、『1億使っても、まだ2億。』と言われると急に、とてもうらやましく感じました。そこは言葉のすごいところだなと思って。『1億使っても、まだ2億』という言葉で、3億というお金の価値が増えたような感覚があった(尾形)

文章よりも名前の方が再現性は高い(福部)

青春がなかったからこそ、青春が描ける(福部)

できるだけ、大袈裟な表現や常套句を使わないようにしています(関根)

自分が産んだ言葉は心中する覚悟で大事にする(又吉)

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個人的に気に入ったのは、著者の五明拓弥さんが書いた30本のコピーを、達人たちが添削する「課題」コーナー。

著者のハイレベルかつユーモアあふれるコピーに、さらにハイレベルな赤が入って、じつに読み応えがあります。

業界外の方は、プロの赤入れを生で見る機会はそんなにないと思うので、ぜひ買ってじっくり読むことをオススメします。

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『全米は、泣かない。』五明拓弥・著 あさ出版

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4866670215/

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◆目次◆

澤本嘉光さんに聞く 天才じゃないからこそ、クリエイティブであ
り続けるためにやっていること
篠原誠さんに聞く アイディアを考え続ける技術
谷山雅計さんに聞く なぜ最高のプロポーズは「結婚してください」なのか?
尾形真理子さんに聞く どうすれば女性に響くコピーが書けるのか?
福部明浩さんに聞く 世の中に広がりやすい言葉はどのようにつくるのか?
関根忠郎さんに聞く 「全米が、泣いた。」を使わずに、映画が見
たくなるコピーをどのように書いているのか?
【特別対談】又吉直樹×五明拓弥
又吉直樹はどのように小説を書いて、どのようにネタをつくっているのか?

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