2018年10月26日

『すいません、ほぼ日の経営。』川島蓉子・聞き手 糸井重里・語り手 vol.5143

【ほぼ日が実践する、新しい経営】
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「職人は良いリーダーになれない」

スポーツの世界でも、クリエイターの世界でも、まことしやかに言われていることですが、ごくたまに、この定説を覆し、マネジメントに成功する経営者がいます。

カリスマコピーライターとして一世を風靡し、株式会社ほぼ日を上場させた糸井重里さんも、そのうちの一人です。

本日ご紹介する一冊は、そんな糸井重里さんとほぼ日の経営を、ジャーナリストとして知られる川島蓉子さんが聞き出した対談本。

企画書なし、他社商品のリサーチなし、部下が勝手に異動するなど、従来のマネジメントとは違うほぼ日の経営ですが、その裏にどんな考え方があるのか、ぜひ著者の考え方を知っていただきたい。

お金や報酬、恐怖で動かない時代のマネジメントのあり方が、おぼろげながら見えてくる気がします。

「ほぼ日の行動指針」や「いい人募集」など、同社特有のやり方も、じつに勉強になりました。

さっそく、ポイントをチェックしてみましょう。

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生き生きと働くとか、楽しそうに仕事をしているとか、そういうところで勝負する会社にして、幸福を基準とした資本主義のようなことができないか

うちのプロジェクトは、誰かが「これをやりたい」と思ったときに、もう発生しています。そして隣の席の人に「こういうの、どう?」と聞いて、「私は好きです」となったら、さらに進んでいきます

最初に「企画書を出せ」とか「進捗を報告せよ」ということがない

女の人の井戸端会議は、おそらく共感の山なんです。「そうよねぇ」「わかるわ、すれ」という言葉だらけです。ただ、それだけだと居心地はいいけれど、おもしろくはなりません。「えっ、そうなの?」「知らなかったわ」という意外なものが混じってくるほうがおもしろくなっていきます

たとえば試験の問題を解くとき、秀才はすぐに解ける問題を片づけて六〇点くらい確保してから、答えのわからない問題にかかるそうです。だけど、わからない問題から解いてみたら、あっと驚く答えに行きつく可能性もある。手間がかかって、ほかの問題にかかれなくて、一〇点しか取れないかもしれませんが。うちはどちらを選ぶかというと、取れるかどうかわからない四〇点を大事にしているんです。もっと言えば、誰にも解けない一%の難問に、あえてつっこんでいくことが重要だと考えています。(中略)へんな問題を解いている最中に、「なに、それ?」「どうなの?」と周囲に人垣ができるようになれば、そこで入場料が取れる

「いい」「悪い」で判断するようになると、みんながどんどん同じになります

一日一ページに書かれたことは「LIVE=ライブ」だけれど、それをミルフィーユのように重ねていったら「LIFE=人生」になる。そういう「LIFE」がつまった手帳は、それ自体が自叙伝であり、伝記でもあります

──ではいまは、人はなにに動かされるのでしょう。
糸井 人によろこばれているという実感ではないでしょうか。あるいは仲間がうれしそうにしている、ということ

まず「やさしく」が、おおもとの前提にあり、「やさしく」を実現する力が「つよく」です。その上に、新しい価値となる「おもしろく」をどれだけ生み出せるかが、ほぼ日の特徴です

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著者自身が、かつてマネジメントに対して間違った考え方をしていたという話や、五〇歳になるのを目前にして、職人のままやっていくことに限界を感じた、という記述を読んで、励まされる人は多いはず。

年齢を重ねたら重ねたなりの成功の仕方がある、ということを本書は教えてくれています。

写真を含め、もっとほぼ日内部を知れる内容になっていればさらに良かったのですが、それを差し引いても読み応え十分です。

ぜひ読んでみてください。

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『すいません、ほぼ日の経営。』川島蓉子・聞き手 糸井重里・語り手 日経BP社

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◆目次◆

第一章 ほぼ日と事業
第二章 ほぼ日と人
第三章 ほぼ日と組織
第四章 ほぼ日と上場
第五章 ほぼ日と社長

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