2018年1月22日

『ラクして速いが一番すごい』松本利明・著 vol.4933

【権謀術数。これぞリアルな仕事術】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478102597

今から40年前、『人事屋が書いた経理の本』という本が出され、80万部のベストセラーとなりました。今でも売れています。

※参考:『人事屋が書いた経理の本』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4881660012/

違う視点を入れることが、仕事においては決定的な差を生むことがある。特に人事的視点は、「評価」と密接に結びついているだけに重要なのですが、ブラックボックスのためか、なぜか仕事術の本ではあまり触れられていません。

本日ご紹介する一冊は、PwC、マーサージャパン、アクセンチュアなどを経て人事コンサルタントとして活躍する著者が、人事的視点から、早く終わる仕事術を論じた一冊。

「その視点があったか!」と思わず膝を打ちましたが、これは「働き方改革」に新たな地平をひらく内容だと思います。

かつて、名著『トヨタ生産方式』で、大野耐一氏は「ムダ」を以下の7つに分類しました。(偶然、この本も1978年刊です)

加工のムダ
在庫のムダ
造りすぎのムダ
手持ちのムダ
動作のムダ
運搬のムダ
不良・手直しのムダ

※参考:『トヨタ生産方式』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478460019/

『ラクして速いが一番すごい』では、このなかでも「不良・手直しのムダ」に着目し、これをなくすための方法を徹底して議論しています。

著者は、サラリーマンの「ムダな努力」をこう分類しています。

◆5つのムダな努力
1.一生懸命がんばるけれども、やり直しが多い
2.すべてに全力投球で、疲れ果てる
3.責任感を持ちすぎて、仕事を抱えすぎる
4.根回しに労力と時間をかけすぎ、疲弊する
5.上司の指示通りにやるが、結果が伴わない

結局、サラリーマンにとって仕事の納品先は上司であり、そことのコミュニケーションに失敗すると、すべてがムダになる。

では、どのようにコミュニケーションし、仕事を進めれば良いか。人事のプロしか知らない視点を入れたのが、本書『ラクして速いが一番すごい』です。

前置きが長くなりましたが、さっそく、ポイントを見て行きましょう。

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個人の作業スピードをどれだけ上げても、生産性は上がりません。自分の作業時間よりも、上司、関係部署、取引先といった他者とのやりとりの中で生産性は決まります

やり直しは、生産性とモチベーションを一気に下げます。ではどうすればいいか。実は簡単。確認やチェックの回数を増やせばいいのです

「1つ確認ですが」という言葉が便利です。これなら、仮に理解の行き違いがあったときでも、誰かの責任になることはありません

最初に確認するのは「納期・品質・用途」といった相手の期待値。「会議で発表する資料を全部つくってほしいのか、考えを整理するためのたたき台をつくってほしいのか、エクセルで表とグラフだけつくってほしいのか」仕事の依頼者にしっかり確認しましょう

60点で出すメリットは3つあります。
1.方向性を確認できる
2.相手に突っ込ませて、ゴールを明確にする
3.いじわるな上司対策

相手が「何を重要と思っているか」を正しく聞き出し、その順番に沿って話していけば、合意をとりやすくなります。これでもかみ合わないときは、次の4つを相手と共有しましょう。
1.テーマ(何について話すのか。例:クーラーを買い替えたい)
2.論点(どんな点をもとに判断するか。例:クーラーの価格、ランニングコスト、保証期間と内容)
3.結論(何を伝えたいのか。例:B社のクーラー)
4.根拠(なぜその結論なのか。例:15年使うなら、電気代とクリーニング代、保証を入れるとB社のほうが安くなるから)

「やりたい仕事」は捨て、「勝てる仕事」に注力する

メール返信は「1行」でスピーディに!

◆スケジューリングのコツ
1.ミーティングや外出は日程を絞って固める
2.1週間の疲れ度合いを想定して日程を固める
3.その日の「気分」を想定して予定を固める
4.1日の予定は6時間で見積もっておく

悪い壁は、あなたの前に立ちはだかり、根回し・意思決定を遅らせるものです。いい壁は、今の仕事に集中できるように、余計な仕事や飛び込み仕事をブロックしてくれるものです

“表の組織図”にダマされずに、“裏の組織図”で本当のキーマンを見つける

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本書には他にも、仕事効率アップのためのエクセル、パワーポイント資料作成のコツなど、たくさんノウハウが載っています。

まだまだ紹介したいのですが、詳しくは本文をご参照ください。

あなたが経営者あるいは、これから会社を辞めて起業するならともかく、これからも組織人でいようと思うなら、本書は必読の一冊です。

仕事の生産性を組織全体で考える視点。

本書を読めば、きっと仕事が速くなること、請け合いです。

ぜひ読んでみてください。

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『ラクして速いが一番すごい』松本利明・著 ダイヤモンド社

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<楽天ブックスで購入する>
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◆目次◆

はじめに リストラされた5万人と選抜された6000人の「差」とは?
第1章 一発で決める
第2章 スパッと割り切る
第3章 抱え込まない
第4章 組織の「壁」を利用する
第5章 自分で「できる」ようになる
おわりに
参考文献・記事

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