2017年12月3日

『武器の世界地図』21世紀研究会・編 vol.4883

【武器を知れば、歴史が見える】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4166610341

青森にある、三内丸山遺跡を見てきました。

博物館にある縄文式土器や縄文人が作った道具を見て、自然環境やそこで調達可能な物質が道具を決定づけ、人々の行動を制約する、ということがよくわかりました。

道具によって採取可能な物質や食料が決まる。場合によっては部族間、国家間の戦いの行方も。

縄文時代は争いがなく、幸せな時代が長く続いたようですが、文明が発展してからというもの、われわれは戦争を繰り返し、その度に道具を発展させてきました。

その歴史を知りたくて手に取ったのが、本日ご紹介する一冊『武器の世界地図』です。

本書では、火薬が発明されるまでの原始的な武器に始まり、火薬が伝播した中世の武器、戦争を変えた発明、銃の発達や大砲、戦車の開発、飛行機、航空母艦まで幅広く武器の歴史を追っています。

武器の歴史が概観できると同時に、技術が変わる度に変更を迫られた戦略の歴史を学ぶことができます。

各武器を開発するにあたって障害となった技術的問題についてもしっかり触れられており、じつに良い勉強になりました。

さっそく、気になったポイントをチェックしてみましょう。

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石器製作の技術や火を熾すことを習得していた人類が、アフリカ大陸から世界各地へと拡散したと考えられる。つまり、人類はモノ創りの素地をともなって世界中に広まったということだ

縄文時代に戦争があったかどうかは意見の分かれるところだが、弥生時代には戦いがあったことが、九州北部の吉野ケ里遺跡(佐賀県)などの遺構からうかがえる。一定の地域で農作業をしていくにはある程度の人数が必要で、良質な穀物が豊かに実る土地を守るため、集落には環濠、塀を巡らせ、その地を奪う者との戦いに備えていた

振り下ろすときに遠心力が加わることを知った人間は、頭の部分に石などの別の硬い素材を加えるよう工夫する。この柄と頭の二つの部分からなる形態は、棍棒とは別に「メイス(mace)」と呼ばれる

棍棒やメイスは人類の進化の歴史にかかわってきた貴重な武器であり、これを巧みに使える者がリーダーシップを執ってきた

棍棒の頭部に鋭利な石器をくくりつけることで、斧が誕生した

アトラトゥルによる投擲の後、それほど時間を空けることなく弓が考案された

スパイを送り込むとか、内通者に門を開けさせるといった策略を使わなければ、城塞を陥落させることは難しかった。城壁という防御の技術が、攻撃の技術に勝っていたというわけだ。この防御優位の状態を崩し、都市の城壁を破壊する画期的な発明をしたのが、アッシリアであった(中略)ニムルドの遺跡には、紀元前九世紀、アッシュールナツィルパル二世のアッシリア軍が敵の城壁に向かって車のついた塔のようなものを進める様子が描かれている。攻城塔と呼ばれるものだ。城壁と同じくらいの高さの櫓に弓兵が立ち、敵兵に向かって矢を射ることができるようになっている(中略)攻城塔の前部には、壁を突き壊すための破城槌も設けられている(中略)攻城塔の下には車輪がついているので、中に入った人が押すか、盾の代わりにして後ろから押すなどして移動させたと思われる

羅針儀とアストロラーベ、この二つの発明が、人の移動範囲をより拡げていったのである。そして、間接的とは言え、戦い方、兵器にも影響していくのだ

航空母艦の問題は、どれだけの航空機を積載できるかだった。艦が巨大化しすぎると動きが鈍化して狙われやすくなってしまうので、限られたスペースの中で少しでも多くの航空機を収めるため、翼を折りたためる航空母艦用の航空機も開発された

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土井は考えるのが好きな人間で、これまで物質的なものにはあまり興味を持っていませんでしたが、本書を読んで、物質がわれわれを制約し、それを乗り越える過程で技術が発展してきたということがよくわかりました。

読めば道具や技術、機械に興味が湧き、もっともっと詳しく知りたくなります。

知的好奇心をくすぐる一冊。ぜひ読んでみてください。

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『武器の世界地図』21世紀研究会・編 文藝春秋

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◆目次◆

第1章 棍棒から弓と戦車へ
第2章 中世、火薬の伝播
第3章 戦争変えた発明
第4章 銃の発達と塹壕戦
第5章 ガレオン船からUボートへ
第6章 空への憧れ、武器の宿命

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