2017年12月22日

『ものの見方が変わる座右の寓話』 戸田智弘・著 vol.4902

【イソップから中国古典まで】
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人々が何を価値軸にして生きればいいのかわからなくなっている今日、「手段」ばかりにフォーカスが当たっているような気がしてなりません。

お金であれ、スキルであれ、しょせん目的を失った手段は空しいものです。

本日ご紹介する一冊は、読者にそんな「価値軸」を作ってくれる古今東西の寓話を、『働く理由』でベストセラーを出した著者がまとめた一冊です。

「六人の盲人と象」「ラクダと水に浮かぶ棒きれ」「アリとセミ」「ナスルディンのカギ」「夫婦と三つの餅」「悪者ぞろいの家」…。

計77の寓話が収められており、いずれも著者の解説と合わせ、興味深く読むことができました。

ビジネスパーソンであれば、誰もが読んだことのある「北風と太陽」「靴のセールスマン」「三人のレンガ職人」含め、いずれも知っておくと役立つ教訓ばかりです。

すべての寓話をご紹介できないのが残念ですが、ぜひそこは買って読んでいただくということで。

ここでは、いくつか、気になったポイントをチェックして行きましょう。

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盲人それぞれが触ったのは、象の身体の一部分にすぎない。それにもかかわらず、それぞれの盲人は、その一部分こそが象の正体だと思いこみ、現場は大混乱に陥っている。私たちはこの盲人たちを笑えない。というのも、私たちは物事や人物の一部分だけを理解して、それが物事や人物のすべてだと錯覚してしまうことがままあるからだ(中略)もちろん、一つの視点よりも六つの視点を持つことは重要だ。しかしながら「部分の総和は必ずしも全体にはならない」ことを忘れてはいけない(「六人の盲人と象」)

はじめてラクダを見た者はこの未知なものから逃げ出した。二度目に見た者は近づいた。三度目に見た者は勇気を出して、ラクダにつける面繋をつくった。慣れるということは、こんなふうに、すべてをなんでもないものにする(「ラクダと水に浮かぶ棒きれ」)

荘子の答えは無為自然の道である。無為自然とは、なんら作為をせず、あるがままにまかせるという意味だ。荘子の生きていた戦国時代は乱世の時代で、権力の行方が定まることはまれであった。したがって、世の中を安全に生きていくためには、特定の立場に固執せず、柔軟な姿勢を保つことが必要だった

ナスルディンは家の中でカギをなくした。であれば、家の中でカギを探すのが道理だろう。それにもかかわらず、ナスルディンは家の外でカギを探していた。家の中は暗くて探しにくく、家の外は明るくて探しやすいからだという(「ナスルディンのカギ」)

多くの人は、小さな名利(名誉や利益)にとらわれ、大きな尊いものを失っている

過去に決めたことにとらわれてはいけない

順番を間違えると大切なものを失う

奪い合うから足りなくなり、分け合えば余るのである

「お母さん、大丈夫だよ。お月様の他は誰も見ていないよ」

科学技術は存在するものを「何か役立つもの」として発見する。その「何か役立つもの」という観点からのみ、その存在と関わる。近代人にとっての月は、人間が享楽と快感を得るために役立つ資源のありかでしかないのか

損得なしの関係こそが長続きする

次の世代につながる生き方をする

残っているものを数えよう

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思ったより哲学的な内容が多く、生き方や働き方を考えさせられました。

時代が変われば、必ず新たな時代に合致した思想が必要になる。

本書から、そのヒントをぜひ読み取っていただければと思います。

これはオススメの一冊です。

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『ものの見方が変わる座右の寓話』
戸田智弘・著 ディスカヴァー・トゥエンティワン

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◆目次◆

第1章 視点と視野と視座
第2章 幅広い認識としなやかな思考
第3章 思慮深さと正しい判断
第4章 聡明さと創造的な仕事
第5章 強い組織の精神
第6章 働く姿勢と働く意味
第7章 正義の心と共同体
第8章 科学技術と社会の関わり
第9章 人生の道理と「有り難う」
第10章 欲望との付き合い方
第11章 学びの心得と学ぶ理由
第12章 挑戦と持続可能性
第13章 自分の物語の描き方
第14章 生と死のつながり
第15章 どんなときでも「ものは考えよう」

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