2017年8月26日

『2030年ジャック・アタリの未来予測』ジャック・アタリ・著 林昌宏・訳 vol.4784

【ジャック・アタリの未来予測】
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本日ご紹介する一冊は、エマニュエル・マクロン仏大統領を見出した「世界的な知性」が大胆分析する「これからの世界」。

健康、教育、労働、住宅、農業、エネルギー、自動車、航空、娯楽、芸術、リサイクルなど、あらゆる分野に起こる変化を、データとともに検証しており、不確実な未来に備える上でMUSTな一冊です。

著者の予測が当たるかどうかは神のみぞ知る、ですが、歴史上何が起こってきたか、これから何が起こる可能性があるか、その萌芽はどこから読み取れるのか、これを知るだけでも価値があります。

正直、さんざんデータや未来予測本を読んできた者としては、少々食傷気味なデータもあるのですが、ここまで幅広く網羅してくれている本も珍しいので、おさらいの意味でやはり読むべき一冊です。

・大きな技術進歩が期待されるにもかかわらず、奇妙なことに労働生産性は向上しない
・中産階級がプロレタリア化すると反乱を起こす
・今後、民主主義に見せかけた独裁制という偽物の民主主義が登場し、独裁者のような輩たちによる統治が始まるかもしれない
・保護主義の台頭こそが、大危機の前兆

また、ビジネス・経済的な視点から見ても、著者の分析には目を見張るものがあります。

<中国では、過剰投資が継続し、内需不足であり、生産設備に恐ろしいほどの無駄がある。貧富の差は拡大している。(中略)企業と銀行は過剰債務であり、破綻寸前だ>

<天然資源の希少性は高まっている。中国の原油輸入依存度はすでに五八%だ。国内の耕作可能な土地の二〇%はすでに汚染されているため、中国は食糧のさらなる輸入を強いられている>

歴史的な時間軸、かつグローバルな視野で論じられており、普段目先の仕事に追われているビジネスパーソンも、現在の自分の立ち位置を確認することができると思います。

さっそく、いくつかポイントを見て行きましょう。

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自分の幸福は他者の幸福に左右されると肝に銘じてほしい。より一般的にいえば、自分の幸福は、世の中のあり方と行方に依存するのである

自分の人生に意義をもたせるつもりなら、そして余生を楽しむだけの暮らしに甘んじるつもりがないのなら、世界を理解すべきだ

センサー機能をもつモノをインターネットに接続すれば、農学、気象学、化学などに関する量的データを即時に知ることができ、農産物の収穫量を増やせる。いくつか例を挙げる。農地土壌の区分管理プログラム「ゲオフォリア」は、栽培に影響をおよぼす主要な量的データを解析し、それらの結果に応じて農民を直接指導する

新たなテクノロジーによって共有経済が発展している。共有経済では、消費者は自分たちの所有物を共有化して企業と競合することができる

国連世界観光機関によると、一九九五年の外国人旅行客の総数は五億四一〇〇万人だったが、二〇一六年には一二億人になったという

世界銀行によると、出生国以外で暮らす人口はおよそ二億四四〇〇万人だという

アメリカでは二〇〇八年以降、中位所得が急落している

時間の尺度は、これまで以上に、即時、瞬時になった

中国がアメリカの超大国としての地位を継承することはない

従来型の家族モデルは変化しつつある。たとえば、離婚経験者同士の再婚家庭、外国人との家庭、一人親の家庭、同性愛者の家庭、民事連帯契約、同棲、養子縁組など、さまざまな家族形態が登場した

家族の絆が弱くなり、カルト集団など、新たな帰属形態が発展

二〇三〇年、セマンティック・ウェブにより、検索エンジンと自然言語で会話できるようになる

人工知能とセマンティック・ウェブを組み合わせると、自動翻訳機になる

二〇一六年から二〇三〇年にかけて、共有経済の五つの主要分野(金融、求人情報のオンライン提供、宿泊、自動車の共有、音楽や動画のストリーミング)の市場規模は三〇倍になる

複数の人生を同時かつ継続的に送る準備をせよ

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読み始めはデータのオンパレードで少々疲れましたが、やっぱり読んでいくと知的好奇心がガンガン刺激される内容です。

政治家も、官僚も、経営者も、投資家も、またアーティストも、来るべき未来の危機、そしてチャンスに備えるための一冊です。

最後、著者による10の提言も、興味深く読ませていただきました。

ぜひ、チェックしてみてください。

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『2030年ジャック・アタリの未来予測』ジャック・アタリ・著
林昌宏・訳 プレジデント社

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◆目次◆

日本の読者へ
Introduction
第一章 憤懣が世界を覆い尽くす
第二章 解説
第三章 九九%が激怒する
第四章 明るい未来
謝辞
訳者あとがき
原注

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