2017年7月18日

『なぜあの会社の社員は、「生産性」が高いのか?』 望月禎彦、高橋恭介・著 vol.4745

【中小企業経営者必読】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894517663

本日ご紹介する一冊は、ユニ・チャームの社長秘書、人事を経て人事コンサルタント事務所を設立、独自の「コンピテンシーディクショナリー」を活用して計150社の人事業務をサポートしてきたという著者が、そのノウハウを開陳した一冊。

著者のキラーコンテンツである8群75項目の「コンピテンシーディクショナリー」を紹介し、コンピテンシーによる評価の仕組みや適職探しの手法を明らかにしています。

A群:自己の成熟性
B群:変化行動・意思決定
C群:対人(顧客)・営業活動
D群:組織・チームワーク
E群:業務遂行
F群:戦略・思考
G群:情報
H群:リーダーシップ

という8つの群と、それぞれに詳細項目が付されており、かなり細かく社員のコンピテンシーを特定することができます。

たとえば、「A群:自己の成熟性」であれば、

1.冷静さ
2.誠実さ
3.几帳面さ
4.慎重さ
5.ストレス耐性
6.徹底性
7.率直性
8.自己理解
9.思いやり
10.ビジネスマナー

といった感じです。

ちなみに本書には、コンピテンシーを調べるための簡易テスト「コアコンピテンシー診断」がついているのですが、土井は8つのタイプのうち、RRLタイプ「一発勝負士タイプ」でした。

一発勝負士タイプ:意外性のあるタイプです。いつもは活動的でワイワイガヤガヤやっています。スイッチが入ったときの集中的な仕事ぶりが見事です

このスコアを組織で足し合わせると「組織の8タイプ」ができるそうなのですが、これによるとうちは「芸能系 広告マスコミ業界型組織」でした。そのまんまですね。

読む本というより使う本という印象ですが、気になった部分をピックアップしてみましょう。

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「自分の持ち味」と「他人の持ち味」は違う

自分の能力を活かす場を見つける

実在の「高い業績を上げている社員」がいないのであれば、社員みんなで集まって、コンピテンシーディクショナリーをベースに、どう行動すべきか意見を出し合えばいい

ショールームレディに必要な行動基準を全員参加で作成していく

目に見える具体的な行動として「仕事のできる人の行動」を描くことが、コンピテンシーの考え方

鉄砲をいち早く使いこなした織田信長は、何より「構想力・発想力」がずば抜けた人だった

豊臣秀吉がまず抜きん出ていたのは、コンピテンシーでいえば、C群「対人(顧客)・営業活動」だったのではないか

家康にずば抜けていたのが、マネジメントコンピテンシーの2つ、まずはD群の「組織・チームワーク」です

タイプを理解していないと、「されてうれしいこと」「されて嫌なこと」もわからない

ダメな評価制度は、優秀な社員のモチベーションを下げる

評価と報酬が連動する制度がないと、優秀な人材はどんどん流出する

例えば、よくあるこんなケース。先代から経営を引き継いだ二代目。チーム精神を発揮して、若い力で頑張ろうと意気込んでいた。ところが、社歴が古い“お局”が経理にいて、若い社員を困らせていた。(中略)困っていた二代目社長に提案したのが、コンピテンシーの活用でした。彼女に求めるコンピテンシーとして、C群から「親密性/ユーモア」、D群から「チーム精神の発揮」をチョイスした

コスト意識とモチベーションに欠ける中堅営業マンがいました。(中略)この営業マンには、コンピテンシーディクショナリーから、E群の「コスト意識」「計画性」を選択して、具体的な目標を作ってもらいました

指導者というのは、表現を上げてくれる人です。そのために努力してくれる人です。正当な人事評価制度があれば、このことに気づけるのです

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本書で紹介されている「コンピテンシーディクショナリー」を活用すれば、中小企業でもコンピテンシーを軸にした人事評価制度が作れます。

もちろん、もっと詳細なノウハウがあるのでしょうが、本書を読んで概要を知るだけでも読む価値があると思います。

ぜひチェックしてみてください。

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『なぜあの会社の社員は、「生産性」が高いのか?』
望月禎彦、高橋恭介・著 フォレスト出版

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◆目次◆

第1章 できる人の行動を共有し、できる人を増やす仕組み
第2章 「生産性」を上げる仕組みの土台準備
第3章 この診断ツールで、個人も会社も変わる
第4章 社員の生産性を上げ、あらゆる問題を解決する人事評価制度
第5章 生産性が上がる、正当な人事評価制度のつくり方

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