【「超合理的」な農起業法とは?】
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仕事人生を豊かにするコツは、仕事内容であれ、付き合う人であれ、働く場所であれ、自分が一番大事だと思うことで妥協しないこと、その上でそれが成立するシステムを徹底的に考えることです。
土井の場合、それは「面白い人と仕事をする」ということで、そのため起業の際、出版ビジネスを選びました。
その上で、どうすればビジネスとして成立するか、報酬体系やビジネスモデルを徹底的に考え抜いています。
本日ご紹介する一冊は、もともと農業に興味があったという元デンソーの管理職が、毎日満員電車に揺られる悪夢から逃れ、農で起業、年間60日営業で年商2000万円を稼ぎ出す、画期的な農業ビジネスモデルを確立し、それを公開した一冊です。
これまでにも『「農」で起業する!』など、農業関連ではいくつか起業本が出ていますが、そのほとんどは「儲かる」ための視点でした。
その点本書は、儲けに加え、労働時間を劇的に圧縮するやり方で、その徹底した合理化は、さすが元デンソー社員といったところです。
なぜブルーベリーだったのか、なぜ観光農園だったのか、なぜ家族やパートを含めた総労働時間が3660時間で済むのか…。
驚きのビジネスモデルを、さっそくチェックしてみましょう。
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◆生産性の高い農業を可能にした3本の柱
「無人栽培」「観光農園システム」「IT集客」
(ブルーベリーは)トマトやメロンと違って永年性作物であるため植え替える必要がない
雨を極端に嫌う作物は、ハウス栽培が必須となり、設備投資額が多額になる。ブルーベリーは、雨に問題はなく露地栽培で可能なため設備投資面で有利
ブルーベリー栽培の必要経費の半分は収穫作業の労務費だとも言われていた。ただこれに関しては観光農園にすることによってお客様が自ら楽しんで収穫作業をすることで、一気に解決した
日本へのブルーベリー輸入量及び国内生産量は、年々増加の一途を辿っている
この農園では、畑全体にシートを敷いた。説明した通りこの農園の栽培法は、ポットの中に人工培地を入れて栽培しているので、畑の土を使うことはない。だから草が生えないようにシートを敷いたわけだ。これで、畑の草刈り作業からは解放された。これには膨大な作業時間が削減された。年間約200時間は捻出できた
この農園は、女性ならノースリーブ、ミニスカート、ハイヒールでOKだ。よく使うコピーとして「ハイヒールで楽しめるブルーベリー農園」とうたったりする
完熟したブルーベリーは観光農園にしかない
この農園は、全部で40種類のブルーベリーが揃っている。いつも40種類が食べられるわけではないが、常に最低でも10種類、多いときなら20種類ものブルーベリーを食べ比べができる
採れたての自家栽培ブルーベリーをぜいたくに使った数種類のスイーツを提供している
総労働時間3660時間の内訳は、オーナーの私が1360時間、家族780時間、パートさんが1520時間となっている。もうひとつの切
り口で見ると農作業時間が1600時間に対して、観光農園の接客対応が2060時間となっている。これを見てもこの農園は農業というよりもサービス業に近いと言える
ホームページにはオーナーの想いと物語が必要
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矢継ぎ早に情報を詰め込み過ぎて、読みにくくなってしまっているのと、「年商2000万円」をオビで「年収2000万円」と謳っているのは、明らかにマイナス。
しかしながら、ビジネスモデルを組み立てる視点、仕事を合理化する視点は、とても勉強になりました。
生真面目な日本人は、何か雑用が生じても仕方ないものと受け止めてしまいがちですが、仕事の余裕や利益は、ムダに対して妥協しないところから出てくるものです。
デンソー流の農起業術、ぜひ読んでみてください。
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『最強の農起業!』畔柳茂樹・著 かんき出版
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◆目次◆
Chapter1 なぜブルーベリーだったのか?
Chapter2 理念、戦略、ブランディング
Chapter3 めざすは生産性の高い農業
Chapter4 無人栽培
Chapter5 観光農園システム
Chapter6 IT集客
Chapter7 農業を志す方へ
Chapter8 人生を変えたいあなたへ
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