2017年6月26日

『スタンフォードでいちばん人気の授業』佐藤智恵・著 vol.4723

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本日紹介する一冊は、コロンビア大学経営大学院でMBAを取得、2005年より同経営大学院で入学面接官も務める著者が、スタンフォードの教育内容についてまとめた一冊。

スタンフォード大学の人気教授10人超に取材したほか、日本人留学生にも丹念に取材しており、聞いて書いたという割には、突っ込んだ内容となっています。

取り上げているトピックは、ストーリー/マーケティング/イノベーション/社内政治/リーダーシップ/コミュニケーション/交渉術/会話術/マインドフルネスなど計9個。

それぞれの専門の教授にインタビューして、その教えの核となる部分を伝えており、勉強になります。

スタンフォードの看板教授の話が読めるのは、本書最大の魅力の一つだと思います。

また、事例としては、ウーバーやネットフリックス、ジェットブルー航空、珍しいところではジョワ・ド・ヴィーヴル・ホスピタリティ社(アメリカで2番目に大きなデザイナーズホテルチェーン)、ダビータ(透析事業)などの事例が載っています。

スタンフォードに留学したつもりで、さっそく内容をチェックして行きましょう。

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スタンフォード大学経営大学院でも「ビジネスにおけるストーリーの力」という授業がここ数年、看板授業として君臨している。教えているのはジェニファー・アーカー教授。この分野の第一人者といわれている人気教授だ。なぜ今、「ストーリー」がこれほど注目されているのだろうか。端的にいえば、ストーリーは企業に利益をもたらすからだ

(ジェニファー)アーカー教授は、ノードストロームのスノータイヤの話のようなストーリーを総称して「シグニチャー・ストーリー」と呼んでいる。英語でシグニチャーとは、署名・サインという意味だが、「看板となるような」という意味で使われることもある。レストランの「シグニチャー・ディッシュ」といえばその店の看板料理のことだが、シグニチャー・ストーリーとはいわば企業の看板ストーリー。ブランドを広め、企業イメージを高め、顧客との関係を築き、戦略を実行する原動力となるストーリーのことだ

エアビーアンドビーは、「宿を提供している人たちは皆さんと同じ善良な市民ですよ」ということをアピールするために、ウェブサイトに「ストーリーズ」というコーナーを設け、宿主の人生や生活をビデオや写真で紹介している

アーカー教授はいう。「ポイントは、『社員がヒーローとなるようなストーリー』を見つけることです」

「新製品を世の中に出す際には、必ず『ちょっと待てよ。人間の脳はそこまで対応できるかな』と精査することが大切なのです。エンジニアや専門家がつくりたい製品ではなくて、人間の脳にとって心地よい製品を世の中に出してください。それが成功する製品の秘訣なのです」(ジョナサン・レバーブ准教授 Jonathan Levav)

「この家を買うべきか否か」といった大きなことを決断するときには、たくさん物件を見せられた後に決断しないこと

創業者は自分でルールを決められますが、普通の人は、決められたルールの中で、出世競争を勝ち抜いていかなければなりません。権力を手に入れるためには、理想を追い求めるだけではだめなのですが、その現実を創業者リーダーからは学べません(フェファー教授)

◆すべてのコミュニケーションの基本「AIM」
A=Audience(聴衆):どんな属性の人に伝えるのか
I=Intent(目的):伝えることによって相手に何をしてほしいのか
M=Message(メッセージ):どんなメッセージを伝えれば相手は行動してくれるか

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正直、「授業」という割に臨場感に欠けるのと、割とどの本でも紹介されていそうな理論、研究結果、事例が取り上げられており、正直、新鮮味はありませんでした。

ただ、スタンフォードで今人気の教授の顔ぶれや、同大学院がケースとして注目する企業がわかっただけでも儲けもの。

これはぜひチェックしておきたいところです。

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『スタンフォードでいちばん人気の授業』佐藤智恵・著 幻冬舎

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◆目次◆

I 人間を探究する授業
序章 自分を変えるために人間を知る
第1章 ストーリーの力──物語は利益をもたらす
第2章 マーケティング──人間の脳には限界がある
第3章 イノベーション──挑戦を阻害するものは何か
第4章 社内政治の力学──出世競争と人間の本能
第5章 リーダーシップ──「いい話」は伝染する

II 人間力を鍛える授業
第6章 スタンフォード流会話術──一流は気くばりを忘れない
第7章 スタンフォード流交渉術──戦わない、妥協しない、損をしない
第8章 コミュニケーション──伝えるには「戦略」がいる
第9章 マインドフルネス──何歳になっても脳は鍛えられる

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