2017年6月18日

『すごいヤツほど上手にブレる』アル・ピタンパリ・著 岩崎晋也・訳 vol.4715

【優れたリーダーのブレ方とは??】
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リーダーシップに関する議論はそれこそ山のようにあるのですが、ほぼ共通するリーダーのイメージは、「ブレない」というものでしょう。

われわれは無意識のうちにリーダーに一貫性を求めるわけですが、それだけではリーダーは組織を成功に導くことができません。

なぜなら、今日の世界では環境が目まぐるしく変化し、経営において重要と思われていた変数もどんどん変わってしまうからです。

そんな時代に求められるリーダーの条件は、「上手にブレる」というもの。

そして何より、人を説得するのではなく、説得を受け入れる柔軟性を持つ、ということです。

衰退した日本の大企業の取材モノをいくつか読みましたが、どの企業でも起こっていたことは、リーダーが変化できず、チャンスをことごとく潰してしまっていた、というもの。

権威的でブレないリーダーは、今や組織にとって「害」ですらあります。

では、どうすればリーダーは変わることができるのか。

それを論じたのが、本日の一冊です。

著者は、アーンスト・アンド・ヤングのITアドバイザーとして活躍した後、ビジネスコンサルタントとしてNASAやボーイング、ハーツ、ノキアなどをクライアントに持つ人物。

どんなことが書かれているのか、さっそくチェックしてみましょう。

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ビジネスにおいても人生においても、説得を受けいれる柔軟性は軽んじられている。それは現代のリーダーにとって最も重要なスキルのひとつだというのに

◆説得を受けいれるリーダーになるための7つの実践
・逆を考える
・信念を徐々にアップデートする
・最愛のものを葬れ
・他者の視点から見る
・説得されすぎない
・ほかに先駆けて転向する
・自分の部族(同胞)に働きかけよう

人を説得するためのフレーズや戦略ばかりを追い求めるうちに、我々は当たり前の疑問を忘れてしまった──説得されるべきは、むしろ自分のほうなのではないだろうか。他者を説得することにばかり意識を向けることで、どれほど価値のある、創造的な可能性を秘めた情報を締め出してしまっていることだろう

イーベイに対抗するために作られたアマゾン・オークションは失敗だった。ベゾスはためらうことなく撤退を選んだ。彼はその失敗にめげず、やり方を変えた。それは最終的にはアマゾンで最も収益を上げている、マーケットプレイスとして知られる第三者販売プログラムとして実を結ぶことになった

ベゾスは、「正しい人というのは、頻繁に考えを改める人のことだ」と語っていたという

自分に成功をもたらしたのは、どれほど自分は正しいと確信している場合でも、“間違っているかもしれないという恐れ”を持っていることだとダリオは語っている

一般的に、人は現状維持を肯定する情報のほうを、現状を否定する情報よりも熱心に探そうとする

立場を変えるには成熟と知性が必要であり、急速に変化する世界のなかで、考えを変えることの価値はますます高まっている

最愛のものを葬るうえで、自分自身の確証バイアスは最大の敵になるが、他者の確証バイアスは最大の味方になりうる

アメリカのファンタジー作家パトリシア・クリスティン・ホドジェルは書いている。「真理によって滅ぶものは、滅ぶべきだ」

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本書では、柔軟性のあるリーダーの例としてアマゾンのジェフ・ベゾスや投資家のレイ・ダリオなどが紹介されています。

本書を読めば、彼らの柔軟なあり方が、彼らの組織やクライアントに大きな利益をもたらしているということがよくわかるでしょう。

柔軟かつ「上手にブレる」リーダーになるために、ぜひ読んでおきたい一冊です。

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『すごいヤツほど上手にブレる』アル・ピタンパリ・著
岩崎晋也・訳 TAC出版

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◆目次◆

序 章 リーダーシップの変化 
パート1 説得を受け入れる柔軟性の利点
第1章 賢くなる──正確さ、敏捷性、そして成長
第2章 正しい自己決定
第3章 変わり身の擁護
パート2 説得を受け入れるリーダーになるための七つの実践
第4章 逆を考える
第5章 信念を徐々にアップデートする
第6章 最愛のものを葬れ
第7章 他者の視点から見る
第8章 説得されすぎない
第9章 ほかに先駆けて転向する
第10章 自分の部族(同胞)に働きかけよう

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