【65万ドルのランチ権】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4775971999
本日ご紹介する一冊は、「世界一の投資家」ウォーレン・バフェットとのランチ権を65万ドルで買った男、ガイ・スピアによる一冊。
オックスフォード大学経済学部を首席で卒業し、経営コンサルタント、ハーバード・ビジネス・スクールを経てファンドを立ち上げた方ですが、最初の就職先は悪名高い証券会社で、人生のどん底に。
そこから這い上がれたのは、いくつかの書籍とバフェットの教え、それから有名な自己啓発家、トニー・ロビンズの教えがあったからだそうです。
もちろん、著名なバフェットの教えに触れているので、読者は既に知っている内容も多いと思います。
しかしながら、自身ADD(注意欠陥障害)を患い、またエリートの思考の癖からなかなか抜け出せず、就職で失敗し失意のどん底にいたという著者が見せるバフェットの世界は、これまでとはまったく違う、新鮮なものでした。
良い投資をするには、
・どのような人と関わりたいのかを決めること、
・「内なるスコアカード」に従うこと
・自分のなかの感情的な弱さに気づくこと
・構造的な優位を築くこと
なかでも、4番目の視点で見たバフェットの投資の優位性についての解説は、新鮮でした。
著者がバフェット、一緒にランチ権を落札したパブライ、その他の知識人から学んだ教訓を、さっそく見て行きましょう。
———————————————–
環境は自分で変えられると思いたいが、実際には自分のほうが変わってしまう
バリュー投資というのは、自分の道を行かなければならない。バリュー投資を追求することは、みんなが間違っていることを見つけ、その誤解を利用して利益を上げることに尽きるからだ。しかし、それをするためには、自分を「内なるスコアカード」で評価するように変わらなければならない
良い投資家になるためには、自分を異端者として認める必要がある。もしかしたら、本当のゴールは、みんなに認められることではなく、自分自身を認められるようになることなのかもしれない
模倣は人間の進化を促す最も強力な方法のひとつなのである
ミセスBは九五歳のときに引退したが、すぐに仕事に復帰したという。モットーは「安く売り、本当のことを伝え、だれもだまさない」である
当時の私は、アックマンやホーンに嫉妬し、彼らのように何億、何十億ドルもの資金を運用できる人間だということを示したくて道を見失いかけていた。今考えれば、こんなことをするよりも、最高の株を選ぶことに時間を使い、パフォーマンスで示せば良かったのである
ひとつ正しいことをして成功するビジネスもあるが、ほとんどの場合はたくさんの小さな正しいことの積み重ねが成功につながる
「正しいことをしようとしても、それが慣習的でないと、みんなが必ず止めようとするんですよ」(バフェット)
当時、私がバフェットを最も羨ましいと思ったのは、彼の並外れた知性ではなく、彼の投資の構造的な優位だった。バークシャーはファンドではなく株式会社なので、返済不要の資本を持っていたのだ。つまり、彼は株主の解約を心配する必要がなかった。そのため、彼は完璧なタイミングで巨額の株式投資をすることができたのである
◆著者がまとめた投資の8つのルール
1.株価を頻繁に見ない
2.人に勧められたものは買わない
3.経営陣とは話をしない
4.投資の調査は正しい順番で行う
5.自分の投資アイデアの相談は下心がない人だけにする
6.マーケットの取引時間中に株を売買しない
7.株を買ったあとに下落したら、二年間は売らない
8.現在の投資について語らない
———————————————–
経営陣は売り込みが上手いから「経営陣とは話をしない」、投資案件を慎重に見極めるようになるので「株を買ったあとに下落したら、二年間は売らない」など、ユニークな主張が書かれており、興味深く読むことができました。
著者自身が学び、成長している最中のため、教えを受けて変わっていく様子が、とても勉強になりました。
また、著者に影響を与えたメンター、書籍の名前も明かされているので、勉強の指針としても役立つと思います。
投資の役に立つのはもちろんのこと、人生をどう生きるかのヒントにもなる一冊だと思います。
ぜひ買って読んでみてください。
———————————————–
『勘違いエリートが真のバリュー投資家になるまでの物語』
ガイ・スピア・著 長尾慎太郎・監修 パンローリング
<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4775971999/
<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B019JGPKNM/
<楽天ブックスで購入する>
http://bit.ly/2pNXRNO
———————————————–
◆目次◆
監修者まえがき
序章
第1章 窮地からウォーレン・バフェットへ
第2章 エリート教育の危険性
第3章 火渡りーーバリュー投資家としての第一歩
第4章 ニューヨークの渦
第5章 達人との出会い
第6章 バフェットとの昼食会
第7章 金融危機ーー渦のなかへ
第8章 私なりのオマハを目指してーー理想の環境を作る
第9章 楽しく暮らすことを目指してーー新たな楽しみを探す
第10章 投資のツールーーより良い方法を構築する
第11章 投資家のチェックリストーー外科医の生き残り戦略
第12章 バフェットーーパブライ式の仕事の仕方
第13章 本当に価値あるものを探究する
謝辞
参考文献と推奨図書
この書評に関連度が高い書評
この書籍に関するTwitterでのコメント
お知らせはまだありません。