【基礎をきっちり。】
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若いビジネスパーソンに、「何から勉強を始めればいいですか?」と聞かれることがありますが、その度に、「まずは株式投資を始めなさい」というアドバイスをしています。
株式投資をすることで、日々の株価の動きや為替の動き、経済全体の動きに興味をもつことができるからです。
「損するかもしれないのに無責任な…」という向きもあるかもしれませんが、投資するお金を限定すればリスクは限られますし、そもそも意識が低いまま何年も過ごすことの方が「機会費用」が大きくなります。
拙著『一流の人は、本のどこに線を引いているのか』にも書きましたが、数字がわかっていない人がビジネス書を読んで勉強したところで、その効果は限定的です。
※参考:『一流の人は、本のどこに線を引いているのか』
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やはり、数字をきちんと学ぶところから、ビジネスパーソンとしての第一歩が始まるのです。
そこで若いビジネスパーソンにおすすめしたいのが、日経新聞を読みこなすこと。
そのための水先案内人として役立つのが、本日ご紹介する、『小宮一慶の「日経新聞」深読み講座2017年版』です。
本書を読めば、日経新聞の構造から各種経済指標の読み方まで、ビジネスパーソンに必要な情報がひと通りわかります。
内容が多岐にわたるので、到底赤ペンチェックでは紹介しきれませんが、いくつかポイントをご紹介しましょう。
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日本の名目GDPは、約500兆円(15年度)です。ドルベースですと、為替レートにもよりますが、約5兆ドルです(1ドル=100円で計算)。ちなみに、世界1位の米国は約18兆ドル、2位の中国は約10兆ドルです
GDPを支える要素に関連する指標は次のものです。
個人消費……消費支出2人以上世帯
住宅投資……新設住宅着工
設備投資……法人企業統計 設備投資 機械受注
(※法人企業統計は四半期に一度の発表)
政府支出……公共工事請負金額
貿易収支……貿易・通関
つまり、これらの指標を継続的に追いかけていれば、GDPが上がるのか下がるのかをある程度予測できるのです
日本のGDPの55%強は個人消費
米国の個人消費は世界のGDPの約15%を支えている
米国の景気指標の中でも、世界中のエコノミストたちがもっとも注目している指標の1つが「雇用統計」です。この雇用統計は、米国の景気をもっとも反映しやすい指標で、さらには中央銀行であるFRBや政府もこの統計を政策運営上、非常に重視しています
任天堂サイドは冷静に「『ポケモンGO』の業績への影響は限定的である」とのコメントを発表しました。なぜならば、このアプリを開発したのは米Nianticであり、任天堂ではありません。任天堂の関連会社である株式会社ポケモンが、ライセンス料と開発運営協力料のみを受け取る形になります。任天堂はポケモンに32%出資していますから、ポケモンの最終利益の32%が任天堂の利益に反映される
すぐに現金化できる資産(流動資産)が、すぐに返さなければならないお金(流動負債)より多ければ、当面は資金繰りに困らないと推定できるということです。これを示すのが流動比率です。「流動資産÷流動負債」で計算され、100%を超えていれば、流動資産の方が多いということですから、短期的には安全だと判断します。一般的には120%くらいあるのが望ましいと考えてください
知名度やブランド力があれば、IT業界は驚異的な利益を生み出すことができる業界
金曜日の夕方には、株価への影響を配慮して、市場の取引が終わった後で大きなニュースが発表されることがあります。例えば、合併や倒産などといった企業の大ニュースです。これが、土曜朝刊の1面に掲載されることも少なくありません
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読めば、なぜアメリカの個人消費に注目が集まるのか、なぜ中国の成長率が問題にされるのかなど、新聞記事の「謎」が解けるはずです。
デキるビジネスパーソン、上司はこの手の教養から若手を判断すると思うので、本書を読んで基礎ぐらいは押さえておくといいでしょう。
もちろん、就職活動中の学生さんにも、要チェックの内容です。
ぜひ、読んでみてください。
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『小宮一慶の「日経新聞」深読み講座2017年版』小宮一慶・著 日本経済新聞出版社
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◆目次◆
序 章 日経新聞から2017年の経済を読み解く
第1章 日経新聞の読み方のコツ
第2章 経済の知識で日経新聞を深読みする
第3章 会社の数字を理解して日経新聞を深読みする
第4章 日経新聞を曜日ごとに攻略!
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