2016年11月10日

『アリさんとキリギリス』細谷功・著 vol.4495

【キリギリス型人間の時代?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4865810757

2012年に出され、話題となった神田昌典さんによるベストセラー、『2022──これから10年、活躍できる人の条件』に、こんなことが書かれていました。

※参考:『2022──これから10年、活躍できる人の条件』
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569797601/

<二〇一五年の大変革に向けては、誰もが準備しておかなければならない。こういうとき、起こることは決まっている。大富豪が大貧民になるというトランプゲームのごとく、社会がリシャッフルされるのである>

<現在の価値観で評価されようと頑張れば頑張るほど、二〇一五年になったとたんに、あなたの評価は地に落ちる>

そう、社会の変革期に、古い価値観を引きずることは危険なのです。

では、次の時代にはどんな考え方が求められるのか? ひとつの答えをくれたのが、本日ご紹介する一冊、『アリさんとキリギリス』でした。

著者の細谷功さんは、ベストセラー『地頭力を鍛える』の著者で、ビジネスコンサルタント・著述家としてご活躍の人物。

※参考:『地頭力を鍛える』
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492555986/

本書では、従来の日本的思考=アリ、これから求められる価値観・思考=キリギリスとして、その違いを論じています。

「お金を貯める」ではなく、「お金を使う」、所有よりシェア、組織よりも個人といった、新たな時代の価値観がまとめられており、じつに納得できました。

さっそく、ポイントをチェックしてみましょう。

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いま必要なのは、「使うこと」によって経済活動を活発にしていくことです。つまり、二十世紀における日本人の代表的な「美徳」であった「お金を貯めること」は飽和して、もはや経済のボトルネッ
クが「使うこと」に移っているのです

変化が早くなって陳腐化が進んでいくことは、「持っていること」のリスクを上げていきます

必要な知的能力は「頭の中に知識を詰め込む」ことではなく、膨大な最新情報を使っていかに新しいものを創造するかという思考力に移ってきています

知的かつ創造的な仕事に関しては、組織よりも個人の重要性がますます高まっていく

金銭欲や物欲のために「お金を貯める」ことの価値が下がり、精神的な充足感を得るために「お金を何に使うか」が重要になってきています

「線引き」を重視し、「巣の論理」を重視するアリの思考回路が、物事を「正しいか間違いか」で判断するという価値観に導きます。(中略)キリギリスは、「内か外か」という発想がないために、物
事を上から俯瞰しますが、「どちらが正しい」という判断を第三者として安易には下しません

アリは与えられた問題を最適な形で解決するのが得意であるのに対して、キリギリスは「そもそも問題は何なのか?」という問題そのものの発見が得意

お金が入ったら使うアリ、使ったら入ってくるキリギリス

アリ:大事なのは過去の経緯と実績
キリギリス:大事なのはこれから何ができるか?

アリは人やお金が集まる本流、エスタブリッシュメント側を志向するのに対して、キリギリスは「ないないづくし」の傍流を志向する

アリの価値観は「組織>肩書>個人」であるのに対して、キリギリスは「個人>肩書>組織」

キリギリスにとっての仕事は「好きでやっているもの」です。したがって、ロボットに仕事が奪われてしまった後にはおそらく「お金を払ってでも」仕事をしたいと思うのではないでしょうか?

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不確実性の時代には、これまでと違った価値観、思考が必要といいますが、本当にその通りだと思います。

日本人の美徳を完全に捨てろとはいいませんが、知っておくことで、気持ちが軽やかになる部分があると思います。

ぜひチェックしてみてください。

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『アリさんとキリギリス』細谷功・著 さくら舎

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http://bit.ly/2fgIVRQ

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◆目次◆

第1章 キリギリスの復権
第2章 ストックとフロー 貯めるアリ、使うキリギリス
第3章 閉じた系と開いた系 巣があるアリ、巣がないキリギリス
第4章 二次元と三次元 地に足が着いているアリ、跳ぶキリギリス
第5章 川下と川上 決定論のアリ、確率論のキリギリス
第6章 アリとキリギリスの共存は可能か

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