【トヨタの失敗を生かす技術】
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「罪を憎んで人を憎まず」と言いますが、仕事においても、この姿勢は大事かもしれません。
「失敗に気づき、改善する」、いやもっと言えば、「失敗を奨励する」くらいの度量が組織には必要なのでしょう。
この「失敗」を奨励する姿勢は、トヨタやサントリー、ハーバード大学など、優れた組織に共通して見られるもの。
いや、彼らは失敗を生かしたからこそ、優れているということもできると思います。
本日ご紹介する一冊は、トヨタの「失敗を生かすしくみ」を、トヨタのOBたちがまとめた一冊。
・不良やミスは、そのまま放置するものではなく、「改善のチャンス」
・みんなで真因(真の原因)を追究し、「答え」を考える
という、トヨタの失敗哲学と、失敗を生かすしくみが書かれており、気づきの多い内容です。
・責任ではなく、対策をとれ
・人を責めるな、しくみを責めろ
・少しでも改善が進んでいれば叱らない
など、マネジャーへの教訓も書かれており、大いに反省させられます。
さっそく、気になる内容をピックアップしてみましょう。
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自分の失敗に対して「なぜ?」と自問自答するのはいいですが、相手に考えさせるときは、ニュアンスとしては「何が起こった?」のほうがなじむかもしれません。あくまでも事実を確認するというスタンスです
トヨタには、「ポカヨケ」という言葉があります。これは、製造ラインに設置される作業ミスを防止するしくみや装置のことです
たとえば、自動車の金型(モノを成形するための型)には左右で1対になっている型があります。見た目は同じに見えるのですが、微妙な差があって、左右が入れ替わると品質問題になるケースも少な
くありません。これを左右反対に取りつけてしまったら、作業をやり直すことになって大変です。そこで、反対に取りつけるミスが起きないように、ボルトの位置を変えるなど左右で異なる金型をつくるのです
トヨタでは個人の判断に頼らなくて済むように、失敗が視えるしくみを取り入れています。そのひとつが「アンドン」です。アンドンとは、異常発生を表示装置に点灯させるしくみのこと。作業者のス
ペースにはひもが垂れ下がっており、何か異常が発生したときには、作業者はそのひもを引っ張ることで異常を知らせて、ラインを止めるのがルールになっています
アンドンのひもを引くと、その現場に各所から関係者が集まってきます。金型の設計の問題であれば、現場の管理監督者、設計した人、金型をつくった人など。みんなで問題を起こした金型を囲んで、現地・現物でなぜ問題が起きたのかを考え、「ああしたらいいのでは」「こちらのほうがいいかも」と議論が始まります。そして、問題を解決できたら、ラインを再び動かします
「基準」をもつと問題が見える
企画書や報告書といったものはフォーマットを決めれば、ある程度「標準化」が図れます。押さえるべきポイントが抜けていた、といった事態は防ぐことができます
「信頼」しても、「信用」してはいけない
少しでも改善が進んでいれば叱らない
相談されやすい環境をつくる
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「ポカヨケ」や「アンドン」など、トヨタ独自の失敗を避けるしくみ、失敗を生かすしくみが解説されており、じつに勉強になります。
まだあまりトヨタ本を読んだことのない方に、とくにおすすめの内容です。
ぜひチェックしてみてください。
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『トヨタの失敗学』(株)OJTソリューションズ・著 KADOKAWA
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◆目次◆
CHAPTER1 トヨタの改善は「失敗」から始まる
CHAPTER2 失敗を「視える化」する
CHAPTER3 失敗を「成功」に変えるワザ
CHAPTER4 失敗を活かすコミュニケーション
CHAPTER5 失敗こそが創造を生む
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