【ANAのVIP担当直伝】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4763135457
「これを言ったら相手を不機嫌にさせてしまうかもしれない」
「でも絶対に言わなければいけない」
仕事をしていると、こんな場面に出くわすことがあります。
こんな時、どうすればいいのか?
じつは、正解は「いかに言わないか」なのです。
本日ご紹介する一冊は、この「言いにくいこと」を「言わずに」相手を動かす、元ANAのVIP担当直伝の手法をまとめた一冊。
その名も『言いにくいことを言わずに相手を動かす魔法の伝え方』です。
著者は、キャビンアテンダント(CA)として、ANAに約30年間在籍し、国内線、国際線のチーフパーサー、5000人の現役CAの教育を担当した人物。また、管理職として、TOP VIP部門の責任者となり、世界中のVIPをもてなしてきたベテランです。
本書は、そんなベテランの人を動かす技術、言い方の技術を学べる、じつに貴重な一冊。
相手を満足させつつ長い話を切り上げる技術や、怒った相手をなだめる技術、板挟みになった時の注意点など、接客担当でなくても役立つ、人付き合いの知恵が満載です。
うるさい乗客に対し、「だいぶにぎやかな感じになってきちゃっていますので」とたしなめる手法は、なるほどと感銘を受けました。
さらりと読めてためになる本書。さっそく気になるポイントを見て行きましょう。
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安全運航上、足元の手荷物はどかしていただかなければならない。でも、「ルールですから」と正論を振りかざすと気分を害されてしまう。こんな状況では、いきなり荷物を移動させるような言葉がけをするのではなく、お客さまがそうしている「理由」を聞くようにします。「お客さま、手荷物の収納で、なにかお困りですか?」
物事を決められない上司にも、相応の理由があります。上司だって苦しんでいる。だからこそ、部下から「現場」と「自分」の間に線を引かれるようなことを言われると、よけいに意固地になったり、孤独感が増すものです
上司が譲歩しやすい「再考可能」などの言葉をプラスするとより効果的です。将来の逃げ場を作ってあげるわけです
気分を害さずに、話を終えてもらう方法はたったひとつ。少しでも早く「オチ」にたどりつくことです(中略)「オチに近づけ質問」をすることで、話を早送りするのです
中高年の女性グループが搭乗する際には、にぎやかになることが予想できるため、搭乗の際に、「ご旅行でいらっしゃいますか。どちらまで行かれるのですか」こんな言葉がけをするのです(中略)なにか起きる前から関係を作っておくわけです。そして注意をするときは、声のトーンを落として、「とっても楽しそうですね」「だいぶにぎやかな感じになってきちゃっていますので」と話しかけます
部下のAさんが「Bさんは、ひどいです」と愚痴ったときには、「でもさ、BさんはAさんのことを評価していたよ。きっと期待の裏返しじゃない?」と伝えてあげるのです。一方、Bさんが「Aさんは仕事に熱心に取り組んでいるけど、やり方が効率的じゃないよね」と言っていたとしても、「Aさんは、Bさんのことを仕事熱心だと感心していたよ」と翻訳します
判断基準が「お客さま」という点でぶれていなければ、部門間の壁はすぐに越えることができます。もし、上司と上司の間で板挟みになったときには、あなたの会社がもっともたいせつにしている相手や価値を拠り所にしましょう
重要なのは、言質を取ることです。双方の上司の考えを聞き、準備することで間違っている上司、的確な判断をしている上司のどちらも立てることになります
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現場での実践に役立つノウハウ、言い回しばかりでじつに良い勉強になりました。
本書の最後に、チボリ公園のバルーンの感動エピソードがあるのですが、上司が声掛けすることでいかに現場が人を幸せにできるか、痛感させてくれるエピソードでした。
こちらはネタバレになるので、ぜひ本文でお楽しみください。
接客技術に興味のある方、職場の人間関係を改善したい方、部下を動かしたいマネジャーに、ぜひおすすめしたい一冊です。
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『言いにくいことを言わずに相手を動かす魔法の伝え方』加藤アカネ・著 サンマーク出版
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http://bit.ly/2axvLwk
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◆目次◆
第1章 「気まずいお願い」をするときの魔法
第2章 「双方」をまるくおさめるときの魔法
第3章 「優劣」をつけなくてはいけないときの魔法
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