2016年7月13日

『大前研一「ビジネスモデル」の教科書』大前研一・著 ビジネス・ブレークスルー大学総合研究所・編著 vol.4375

【最新ビジネスモデルを大前研一氏が解説!】
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あれは、1994年の「日米包括経済協議」の時だったと記憶していますが、竹中平蔵氏が経済学の授業の際に、リアルタイムで届いたFAXを元に、「日米包括経済協議」で議論されているテーマを解説してくれました。

過去のケースも勉強になりますが、やはり一番脳を刺激するのは、リアルタイムのケースです。

本日ご紹介する一冊は、そのリアルタイムのケースを取り上げた、ビジネスモデルの解説書。

それも、ビジネス・ブレークスルー大学で使われていたケースを、大前研一氏が解説する、という贅沢なものです。

紹介されている事例は、コカ・コーラ、ローソン、Airbnb、クックパッド、ニトリ、日本経済新聞社(FT買収事例)シャオミ、Uber、ゼンショーなど、まさに最新事例。

全体を概観すれば、現在有効なビジネス戦略、時代に適合したビジネスモデルが何となくわかってくるという、センスが磨ける内容です。

大前氏が経営者なら、今後どうする、という提言もあるので、ぜひチェックしておきたいところです。

さっそく、いくつかポイントをチェックしてみましょう。

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◆Coca-Cola
アジア・太平洋地域ではミネラルウォーターが群を抜いて上昇中。中南米市場では炭酸飲料が最大で増加を続けていますが、ミネラルウォーターの成長速度が炭酸飲料のそれを上回っています。中東・アフリカ市場でも、ミネラルウォーターが大幅に伸びています

市場ニーズと大きく乖離したCoca-Colaの製品ポートフォリオ(中略)製品の71%を占めるのが炭酸飲料。炭酸偏重で、ミネラルウォーターに弱いことが見てとれます(中略)Coca-Colaは各地域に原液を供給することで利益を生む仕掛けになっているので、「コーラを売ること」に拘るのは自明の理だった

◆任天堂
<携帯型専用機撤退とスマートフォンアプリとしての提供><既存コンテンツを活かしたスマートフォンゲームの開発><ヒットコンテンツを生み出す新興ゲームメーカーへの投資>。以上3点に取り組み、ビジネスモデルを再構築すること。それが、「あなたが任天堂の社長ならばDeNAとの提携を機にいかにスマホ時代のゲーム市場覇者となるのか?」に対する私の結論です

◆シャオミ
実は世界的に見ても、そうしたローカルメーカーのシェアが大きくなっています。スマートフォン出荷台数のデータで見ても、世界トップ5社のシェアは年々低下し、2014年には新興メーカーなど大手以外のメーカーが45%を占めるようになっています

◆ゼンショーホールディングス
M&Aによる多角化のツケで営業利益率が低迷(中略)連結営業利益率においては“ひとり負け”といえるほど落ちているのです。ほかの2社と比較すると、最も多角化を進めてきたゼンショーの利益率が最低の結果になっています。リスク分散のための業態多角化は、収益性の安定、向上につながらなかった

注目すべきはテイクアウト市場です。国内の単身世帯増加を背景に成長している業態で、最も大きな市場規模を形成していますが、ゼンショーはこのテイクアウト市場に弱いのが現状です

◆クックパッド 今後の課題
1.メディア機能の強化(広告事業が伸び悩んでいる現状)
2.リアル事業との連携強化
3.無料会員の有料会員化(会員コンバージョン率が低い)

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ケース部分の文体が、いつもの大前さんの軽快な文章ではないのが残念でしたが、内容は興味深く読めました。

分析が鋭く、データも充実しているので、買う価値は十分にあると思います。

投資家目線で見ても、勉強になる内容でした。

ご興味ある方は、ぜひチェックしてみてください。

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『大前研一「ビジネスモデル」の教科書』大前研一・著 ビジネス・ブレークスルー大学総合研究所・編著 KADOKAWA

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046016094

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◆目次◆

Part1 大前式ビジネスモデルの描き方
Part2 実線ケーススタディ「もし、あなたが経営者ならば」

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