【これぞオックスフォード流】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569830595
ニューヨークに行くようになってから、海外で学位を取っている方との交流が随分と増えました。
ハーバードやオックスフォードなど、世界を代表する有名大学の方とお話していると、日本で勝手に抱いているイメージとは随分違う、骨太な彼らの思想が伝わってきます。
エリートほど、人間としての基本を大事にしていたり、精神論を大事にしていたり、興味深い話がたくさん出てきました。
聞けば聞くほど、学問の殿堂を、逆に身近に感じたものです。
本日ご紹介する一冊『オックスフォードの自分を変える100の教え』は、そんなエリートの「基本」を、「100の教え」というわかりやすい表現でまとめた、自己啓発的な内容。
オックスフォード大学教育学大学院で日本人で初めて教育学の博士号を取得したという著者が、オックスフォード大学で受けた教育、教訓をわかりやすくまとめています。
ところどころ、歴史上の偉人たちの名言を交えながら、人はどうあるべきか、どう仕事に向き合うべきか、教えてくれます。
オックスフォード大学といえば、マーガレット・サッチャーやトニー・ブレア、アダム・スミス、ホッブズ、ルイス・キャロルなども卒業した、名門中の名門。
その教えが学べるなんて、こんなにテンションの上がる本も珍しいと思います。
さっそく、100の教えの一部を、のぞいてみましょう。
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OXON(オックスフォード大学)の教えでも、試練に見舞われたときは、それらを「遠くから眺める(のが良い)」とされています
OXONでは、「常識を疑え」ということをモットーとし、厳しい学問の鍛錬の中でたたき込まれます。「常識を疑う」というのは、自分の考え方や行動をいつも批判的に見ることです。思い切った言い方をすれば、「非常識であれ!」ということです
OXONでの学びで、人生をより良く生きていくためには「四つの耐」が必要であるということを知りました。すなわち「四つの苦労に耐える力」を身につけることです。
「冷たさ」に耐える:冷遇などの仕打ちや冷たい目線に耐えること。
「苦しさ」に耐える:失敗、失恋、失望など人が経験する苦しみに耐えること。
「煩わしさ」に耐える:「うっとうしさ」「めんどうくささ」に耐えること。
「閑」に耐える:暇や退屈など時間を有意義に過ごすことができない状態に耐えること。
OXONの人々の間では、「時間がない」という言葉は、「理由」ではなく「言い訳」になってしまう(中略)時間は「自分で作る」ものであって、「時間がない」というのは「自己管理を怠っている」と見なされる
OXONには「模倣は言葉の要らない学習」という教えがあります
OXONの教えでは、他者を真理に導くような教育者とは、「最も自分を教育した者」
OXONの学びは、常に「オンゴーイング」で行われます。「毎週本を7冊読む」「毎日実験のデータを更新する」など、一定の期間中に、何をどこまで達成すればよいのかを常に考え、行動しながら勉学に取り組む習慣がみられます
「人間は仕事がないと、健康を損なうばかりでなく精神的にも退廃する」
(アダム・スミス)
OXONでは、議論の「場」の形成に必要な3つの要素を徹底的に叩き込まれます。
・相手の言葉に耳を傾ける(できるだけ多くの意見を引き出し合う)
・批判や疑問はあくまでも部分的にする(同意部分とそうでない部分を明確にする)
・対案を述べる(お互いの考えを補足し合う)
「覚えていて悲しんでいるよりも、忘れて微笑んでいるほうがいい」
(クリスティナ・ロセッティ イギリスの詩人)
「足りないものは、音を立てるが、満ち足りたものは静かである」
(仏陀の言葉)
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中身の随所に、キャンパス内の興味深い写真が掲載されており、ミーハー心をくすぐる内容です。
「苦悩」「ひらめき」「喜び」の表情をした「ガーゴイル」のオブジェ、「失望」と「夢」を結ぶ「ため息橋」、映画『ハリー・ポッター』の撮影で使われたクライスト・チャーチのカレッジ・ホールなど、写真を見ているだけで、オックスフォードのアカデミックな雰囲気が伝わってきます。
OXON(オックスフォード大学)の教えがどこからどこまでなのか、わかりにくい箇所があったり、ごくごく一般的なことが説かれていたりと、いくつか不満はありますが、概ね勉強になることが書かれています。
人生や仕事の心構えとして活用したい方はもちろん、これから留学を考える方にも、おすすめの一冊です。
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『オックスフォードの自分を変える100の教え』岡田昭人・著 PHP研究所
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569830595
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◆目次◆
BELIEF 信念の章
STUDY 学習の章
COURAGE 勇気の章
DIALOGUE 対話の章
DECISION 決断の章
LOVE 愛情の章
DESTINY 運命の章
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