【独学で外資に転職?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046011912
昨年から今年にかけて、また読書本が棚を賑わせていますが、そのなかから、気になった本をご紹介します。
本日ご紹介する一冊は、ヘイコンサルティンググループディレクター、山口周さんによる、『外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術』。
著者はもともと、大学の哲学科を卒業後、大学院で美学美術史学を専攻した方で、就職も電通を選んで入社したらしく、まったくの独学で外資系コンサルティングファームに転職したようです。(BCG、A.T.カーニー)
本書は、そんな著者がビジネスパーソンに何を読むべきか、どう読むべきかを指南した、注目の一冊。
ビジネス書を「規定演技」、教養書を「自由演技」に例え、それぞれ違う読み方を推奨しており、じつに興味深いノウハウが書かれていました。
ビジネス書を定番・名著を読む、教養書は役立つまでにタイムラグがあるため読書ノートを作成するなど、著者の考え方が示されています。
なかでも我が意を得たりと思ったのは、経営戦略論の読書について解説した以下の部分です。
<経営戦略論にはさまざまなコンセプトがありますが、突き詰めて考えればどのコンセプトも主張しているのは同じで、「どの戦場が美味しいのか」「どの戦場なら勝てるのか」という2つのポイントを押さえれば勝てるというのが教えです>
BBMでも、基本的にこの2つのどれかにハマる本をご紹介しているつもりですので、これには共感しました。
以下、気になったところをピックアップしてみましょう。
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◆ビジネス書
定番・名著と言われる本の数がそれほどないので、基本的にそれらの定番・名著を押さえておけば大概の場合は大丈夫
◆教養書
必ずしもビジネスへの示唆に直結していないこともあるため、後でどんなかたちでビジネスに役に立つのか、いま現時点ではよくわからないことも多い。そのため、後で立ち返って考えたり、参照したりするための読書ノートの作成が必須
「せっかくだから全部読もう」はコストのムダ
経営戦略論にはさまざまなコンセプトがありますが、突き詰めて考えればどのコンセプトも主張しているのは同じで、「どの戦場が美味しいのか」「どの戦場なら勝てるのか」という2つのポイントを押さえれば勝てるというのが教えです。美味しい戦場とは収益性が高く、成長力のある市場のことです。ビジネスをやるのであれば、誰でもそういう市場で戦いたいでしょう
キャリアは数十年と長い時間になるので、「いま、ここ」でどうかというより、少なくともあと20年くらいの時間軸で考えた場合にどうなのかということを考える必要があります。そして、経営戦略論の基本やファイナンスを学べば、どういった産業が中長期的に衰退するのか、あるいは成長するのかについて、ある程度の嗅覚を持つことができる
どうして、生活者の自分にとってまったく「お世話になっていない会社」である電通の給料がこうもバカらしいほどに高いのだろうか、ということを考えていたわけです。そんなとき、経営戦略論の本を読んでいて「あ、そうか」とわかったことがあります。それは、モノの価値というのはモノの機能とか性質で決まるのではなく、そのモノの「希少性」によって決まるということでした。(中略)当時の電通が押さえていた希少な売り物というのは「大衆の注目=アテンション」でした→経営戦略論から「電通の給料は下がる」と予測
他人は知らないけれど自分が夢中になれる本をどれだけ読めるかが差別化になります
リベラルアーツの読書を仕事の成果につなげるために、やらなければならないこと。それは「抽象化」です(中略)抽象化とは、細かい要素を捨ててしまってミソを抜き出すこと、「要するに◯◯だ」とまとめてしまうこと
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さまざまな教えがありましたが、なかでも一番刺さったのは、以下のフレーズです。
<何年も開いていないような本を本棚に置き続けることは、とりもなおさず知的インプットの量を制限することにほかならない>
読んで慌てて30冊程度、陳腐化した書籍を処分しました(苦笑)。
読書好きには、いろいろと示唆の多い本だと思います。
ぜひチェックしてみてください。
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『外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術』山口周・著 KADOKAWA
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046011912
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◆目次◆
第1章 「仕事につなげる読書」6つの大原則
第2章 【ビジネス書×何を読むか】ビジネス書は「これだけ」読めばいい
第3章 【ビジネス書×どう読むか】古典には読む「順番」がある
第4章 【教養書×何を読むか】好きな本を読んで「ライバルと差別化」する
第5章 【教養書×どう読むか】情報の「イケス」をつくれ
第6章 「書店を散歩する」技術
第7章 「本棚」で読書を仕事につなげる
特別付録 これだけ読めばいい!「ビジネス書マンダラ」
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