2016年4月30日

『アリエリー教授の人生相談室』ダン・アリエリー・著 vol.4302

【ダン・アリエリー教授最新刊!】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152096144

人は誰かに相談するとき、基本的には「聞いてもらいたい」のだと思いますが、本当に意味ある答えを求めるなら、学問の基礎がある人に相談する方がいいと思っています。

本日ご紹介する一冊は、『予想どおりに不合理』はじめ、著作の累計が15万部を超えている行動経済学の第一人者、ダン・アリエリー教授によるユニークな人生相談本。

※参考:『予想どおりに不合理』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150503915

行動経済学ブームの火付け役が書いた最新刊、しかも成毛眞、三谷宏治両氏も相談しているということで、話題性抜群の一冊です。

さまざまな方からの質問に教授が答える形で進行しますが、行動経済学に根ざした回答がじつに小気味いい。

「人に頼まれると断れない」
「転職したら幸せになれる?」
「特売品をプレゼントしたらダメ?」

など、素朴な疑問・悩みに、行動経済学の視点から、鋭いアドバイスがなされています。

どんな内容か、さっそく見て行きましょう。

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◆望ましい優先順位を守るための簡単な方法3つ
1.頼みごとをされるたびに、「来週だったらどうするか」と考えるほかの予定をとり消してでも時間をつくろうと思えるなら、引き受ければいい
2.予定表を見てその日に動かせない予定が入っていた、と想像する残念だと感じるなら、頼みごとを引き受ければいい
3.キャンセル・エレーション(高揚感)
キャンセルして喜びを感じるなら……どうすればいいかはわかっているね?

今度休暇(たとえば三週間ほど)をとって、君が転職を検討しているタイプの会社でボランティアをするといい。私がかなり長い試行期間を勧めていることに気がついたかな。最初の目新しさが消えたときにその仕事がどう感じられるかは、時間をかけないとよくわからないからだ

意思決定にまつわる三つ目のバイアスは、不変性バイアスだ。私たちは、いったん決めてしまうと二度と変更できないように思われる重大な決定(結婚する、子どもをつくる、遠くに引っ越すなど)を迫られると、その永続性におじけづいて、一層重大で手ごわいように感じる。しかも、そうした決定は後悔の余地も大きいんだ

デート相手に関していえば、相手のことを知れば知るほど、恋愛感情は高まるどころかむしろ薄れる

外から招かれたCEOは、生え抜きのCEOに比べて高い報酬を得るが、実績はむしろ低いことを示す証拠がいくつかあがっている。この場合も情報不足のせいで、期待がむやみに高まるのが原因なんじゃないかな

人は自分の不正な行いの多くを正当化できる。またそうした行いと現金との距離が遠ければ遠いほど、正当化しやすい

嫌いな科目を好きな先生に教わるときは、先生に集中すれば科目が気にならなくなるし、好きな科目を苦手な先生に教わるときは、授業の内容に集中すれば先生のことは気にならなくなる

音楽や人混みは、性的興奮を高める効果がとても高いことがわかっている。そう、性的興奮だ。デート中の人は、騒音や人に囲まれると興奮度が高まることが多い。そしてここが肝心なんだが、自分が興奮しているのは一緒にいる相手のせいだと勘違いする場合があるんだ(社会科学で「感情の誤帰属」と呼ばれる現象だ)

私が個人的に一番気に入っているのは、進化にまつわる説だ。男性がハイヒールに惹かれるのは、それを履いている女性は逃げにくいと、無意識に思っているかららしい

衝動に抗う力は筋肉に似ていて、使えば使うほど疲れがたまり、あるとき──夜のことが多い──誘惑に抵抗できないほど意志力が弱くなる

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どれも面白いのですが、既に行動経済学の本を読んでいるという人には、目新しいポイントは少ないかもしれません。

とはいえ、ユーモアあふれるアリエリー教授のこと。楽しく読めるのは保証書つきです。

行動経済学の入門者に、おすすめの一冊です。

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『アリエリー教授の人生相談室』ダン・アリエリー・著 早川書房
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152096144

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◆目次◆

I 努力は遺伝に勝てないのか
II あまりに残酷な「美貌格差」
III 子育てや教育は子どもの成長に関係ない

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