2016年1月8日

『働く君に伝えたい「お金」の教養』出口治明・著 vol.4189

【超おすすめ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4591147940

最近の20代、30代と話していて驚くのは、みなさん驚くほど貯金に執着しているということ。

お金なんて人生を豊かにする手段のひとつに過ぎないのに、です。

土井はいつも「お金は人生で2番目に大事なもの」とお伝えしていますが、この2番目に大事なものを、1番大事なもののために使わないと、人生は豊かになりません。

ところが、いわゆる「お金のプロ」と呼ばれる人たちは、「老後安心して暮らすためには、いくら必要でそのためにいまからいくら貯めなければいけない」と不安を煽るばかり。

もっと若い世代に向けた、バランスの良い本はないものかと思っていたら、ちょうど良い本があったので、ご紹介します。

本日ご紹介する一冊は、ライフネット生命保険株式会社CEO、出口治明さんによる、『働く君に伝えたい「お金」の教養』。

若いビジネスパーソンに向けて、人生やお金で大切なことを指南しており、そのバランスの良さ、主張の明快さ、そして何よりあっけらかんとした人生観にやられました(笑)。

いちばん印象的だったのは、以下の言葉です。

<そこですてきな人に出会ったら燃えるような恋をして、おもしろい仕事があれば飛び込んで、子どもがほしくなったらそのときに産む。行き当たりばったりのほうが人生楽しいでしょう>

とは言え、行き当たりばったりでは困ってしまう。そこで本書では、本当に困ったことになった場合、どれだけお金がかかるのか、それを稼いだり貯めたりするのにどうすれば良いのか、金融のプロから具体的なアドバイスがなされています。

いろんなお金の本がありますが、人生から不安を取り除いてくれる、という意味では本書が最高でしょう。

さっそく、そのエッセンスを見てください。

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「人・本・旅」が人生を豊かにしてくれる3本柱

同一商品や同等のサービスは、比較して、安いほうを選ぶ

そこですてきな人に出会ったら燃えるような恋をして、おもしろい仕事があれば飛び込んで、子どもがほしくなったらそのときに産む。行き当たりばったりのほうが人生楽しいでしょう

リタイア(=退職)するという発想をなくせば、何も怖くない

パートナーと一緒に就業不能保険を買っておくと安心

2億円の可能性を秘めたみなさん自身にいま投資をして、将来その価値が2倍になったら4億円です。しかも、みなさんには若さがあるから、伸びしろがすごい。3倍にも、5倍にもなる可能性があります

自分を賢くし、結果として人生の選択肢を増やすものは、すべて投資

将来を予測しようとしたり損得で考えたりせずに、「自分が好きなこと」に投資するのがいちばん

これから成長するものに投資するほうがリターンが大きい

外国企業の株式を買うときは、国単位で見てもあまり意味がない。それよりも企業単位、つまりグローバル企業の株を中心にした投資信託を買うほうがいい

トランスペアレンシー・インターナショナルという国際的なNPO法人が、「その国の公務員と政治家がどの程度腐敗していると認識されているか」を調査した「腐敗認識指数」なるものを発表しています

◆バーテンダー理論
「私は、お店に来るお客さんが勤めている企業の株しか買いません。そのなかで、金払いがいい人の企業の株を選ぶんですよ」

実感を持って「ここに賭けよう」と思える企業を選ばなければ、自分でやる意味がない

日本は、2030年ごろにはいまと比べて、じつに800万人もの労働者不足に陥る

「ひとりで海外旅行ができない人と海外に行くことほどつまらないことはない」

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若い世代は、元本がないから投資をしてもお金が増えないと思っていますが、実際には働き続けるだけで稼げる生涯賃金「2億円」がある。

著者は、この2億円に自己投資して、それを2倍、3倍に増やすことをおすすめしています。

自分が20代の頃、こんな本があったらきっと励まされただろうなあ、と思う、じつに読後感の良い一冊でした。

ぜひ読むことをおすすめします。

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『働く君に伝えたい「お金」の教養』出口治明・著 ポプラ社

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4591147940

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◆目次◆

第1講 「知る」編 なぜ、お金には不安ばかりがつきまとうのか?
第2講 「使う」編 幸福かどうかを決めるのは貯金額ではない
第3講 「貯める」編 不安は貯めることへの執着から生まれる
第4講 「殖やす」編 希望は長期投資から育まれる
第5講 「稼ぐ」編 働き続けるからこそ自由になれる

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