2016年1月26日

『売らずに売る技術』小山田裕哉・著 vol.4207

【ネットでブランドビジネスが変わった】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4087860574

先日、知り合いの著者がとある離島の隠れ家ホテルに泊まったというFacebookの記事を見て、土井もこっそり泊まってきました。

SNSの広告に反応したことはありませんが、この手の消費なら、山ほどやっている気がします。

すっかりSNSが定着した今日、広告に単なるコミュニケーションのきっかけに過ぎなくて、どちらかと言うと、消費者が作るコンテンツの方が重要になりつつあります。

<企業が「売ろうとして売る」ことが難しい時代>にどう売るか、ブランドをどう構築・維持するか、優れたケーススタディがいくつも紹介されているのが、本日ご紹介する一冊、『売らずに売る技術』です。

「アイドルからラグジュアリーブランドまで」をテーマに、精力的に執筆活動を続けるライターの小山田裕哉さんが、国内外のラグジュアリーブランドがどうやってSNSに対応しているのか、最新の情報がまとめられています。

これまで謎のベールに包まれていたエンジン工場をネット公開したメルセデス、ファッションショーをネットで生中継し、生中継の終了と同時に新商品のオンライン予約を受け付けたバーバリーなど、さまざまな企業の事例が登場し、じつに読み応えがあります。

1980年から2000年代初頭に生まれた「ミレニアルズ」世代がどんな消費意識を持っているのかも書かれており、マーケターは必読の内容です。

さっそくチェックしてみましょう。

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人々は広告に「いいね!」をなかなか押してはくれませんが、おいしいものを食べたとか、好きなアーティストのコンサートに行ったとか、知らない土地を旅したといった投稿には「いいね!」を押し、友人とその感動を共有したいと思います。そして、自分もその楽しそうな「体験」をしてみたいと思うのです

エンジンがひとりの職人の手によって丁寧に組み上げられていき、最後にその証拠としてエンジンプレートがはめ込まれる一連の動画は、大きな話題を呼びました。「本当に手作りだった!」とモーターファンを興奮させたのです(メルセデスAMG)

ソーシャルメディアが人も企業も「中身化」する

フェラーリより自転車を選んだIT長者たち

今の若者は「ケチ」ではなく「本物」が欲しいだけ

カジュアル衣料品アバクロンビー&フィッチは、大きな「アバクロ」のロゴ入りの服が人気を集めたが、いまの20代はロゴ入り服を敬遠した

「本質的なもの」を評価する新しい消費者に向けて、AMGは「自分たちは『本物』である」と自ら声を上げる必要があったのです

ブランド最大の戦略は「正直」であること

このまま「見栄を張るライフスタイルはクールじゃない」という価値観が広まっていくと、特にラグジュアリーブランドのような企業は不利になります

バーバリーは2010年から、生中継の終了と同時に、モデルたちが身に着けていた新商品のオンライン予約を、「Runway Made to Order」として実施しました。しかもそれだけでなく、予約から7週間ほどで世界中の注文者の手元に届くように、すべての供給ラインを見直したのです

ファンを増やしたければ宣伝より体験を提供すべし

安さの裏側に世界中から疑惑の目が向けられている

体験型の消費なら他人と経験をシェアできる

運転免許取得年齢の引き上げ、乗車人数の制限、携帯電話の使用規制など、車をめぐる規制も強化される中で、「自由」を与えてくれる存在としての魅力は、車よりもインターネットのほうが大きくなったのかもしれない

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<ブランドの語り部が広告から口コミに移行した>現在、企業がどうやって消費者とコミュニケーションすればよいのか、ヒントがたくさん詰まった一冊です。

著者は本書のなかで、広告よりも体験の重要性を訴えていますが、その体験に関しても、良い例がいくつも見つかります。

続々と誕生するラグジュアリーブランドのホテル、バーやラウンジ、バーバー(理容室)を併設したダンヒルの「The HOME」(銀座)など、事例を読むだけでも勉強になると思います。

ぜひチェックしてみてください。

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『売らずに売る技術』小山田裕哉・著 集英社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4087860574

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◆目次◆

Prologue スマートフォンとソーシャルメディアの組み合わせは最悪だ
Chapter1 なぜメルセデスはエンジン工場をネット公開したのか
Chapter2 デジタルネイティブ世代をのめりこませるには
Chapter3 ネット口コミの悪評とどう向き合っていくのか
Chapter4 人々がブランドに求めるのは「お買い得」か「信頼」か
Chapter5 ブランドが売るのは「モノ」ではない
Chapter6 「若者の車離れ」をあきらめないために
Chapter7 未来の消費者はリアル店舗に何を求めるのか
Epilogue ラグジュアリーブランディングはお金持ちの話だけではない

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