【昨日に続き…】
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昨日は、リーダー必読の古典解説書として、『非情のススメ 超訳 韓非子』をご紹介しましたが、今日も古典の解説書をご紹介いたします。
※参考:『非情のススメ 超訳 韓非子』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/477781470X/businessbookm-22/ref=nosim
ご紹介するのは、これまでに何度か取り上げてきたマキアヴェリの『君主論』の解説書。
書いているのは、ベストセラー『「超」入門 失敗の本質』の著者であり、ビジネス戦略、マーケティング戦略の専門家、鈴木博毅さんです。
※参考:『「超」入門 失敗の本質』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478016879/businessbookm-22/ref=nosim
<大切なものを守りたければ「君主」になろう>という序章の熱い語りかけに始まり、『君主論』でマキアヴェリが言いたかったこと、同書から著者が受け取ったメッセージを自己啓発風にまとめています。
見出しにマキアヴェリ『君主論』のメッセージのダイジェストが入り、そこから著者による解説、原文の現代語訳が入るという構成で、じつに読みやすくまとめられています。
「冷酷」であることが有利な理由、人々が君主に求める3つの要素、戒めなければならない2つの要素など、リーダーが知っておきたい教訓が詰まっており、勉強になります。
ある意味、この本のエッセンスを受け入れられるかどうかは、リーダーとして素養があるかどうかとほぼイコールなので、これから起業しようとする方、経営層を狙う方は、読んで自身の素養をチェックしてみるといいでしょう。
読んでいるうちに嫌悪感が湧いてきた、という方がいたら、マキアヴェリのこのセリフをぜひ、読んでみてください。
<自分らしく負けるより、自らを変革して勝者となれ>
では、さっそくエッセンスをチェックしてみましょう。
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◯冷酷だと思われている人は、稀な優しさが強い印象を与える
◯成すべきことを行う冷酷さは、結果として周囲にもプラスとなる
◯優しさや人情の過剰な重視は、非常時に解決策の視野を狭めてしまう
権力を保持するために、欲しい権力の近くに住む
◆人々が君主に求める3つの要素
◯その君主に従うことで豊かになれる
◯その君主に従うことで身の安全を図ることができる
◯その君主に従うことで自尊心や誇りを持つことができる
マキアヴェリは、君主の戒めとして2つの大きな要素を指摘しました。1つは「恨まれること」。もう1つは「軽蔑されること」です
謙虚で情け深く、温厚なだけの人は一流ではない
『君主論』には、明確に指摘されていないことが1つあります。
残虐な君主には、次の落とし穴があることです。
兵隊の勢力が最も強力なとき、暴虐な皇帝は兵隊におもねります。
やがて、兵隊は皇帝が自分たちだけに支えられていることに気づきます
決断と責任から逃げる者は君主ではない
賞罰の正しい実行は、君主の存在感を強化する大切な手段
一番身近な人の悩みに、誰よりも早く応えているか。
家族や親しい人が、本当に助けを求めているときに近くにいるか。
本当に必要なときに、近くにいること。
本当に必要なときに、最速で反応すること。
問題に応じて正しい速さ、正しい近さを発揮する。
これが、君主の時間術の真髄なのです
『君主論』で、マキアヴェリは恨みについて2つの提言をしています。
◯君主はできる限り、民衆の恨みを買うべきではない
◯恨みを買ったとき、時間が経ってもその人物を重用するべきではない
多くの人を惹きつける正義を持て
自分らしく負けるより、自らを変革して勝者となれ
リーダーの支配力は「必要性」から生まれる
人々の夢を背負うことができる人物は、誰もが尊敬します。人々は、自分たちの夢を背負って進んでくれる君主を渇望しているのです
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改めて読んでみると、『韓非子』との共通点も多数ありますね。
やはり『君主論』は、君主としてのあり方、心構えが学べる、素晴らしい古典です。
惜しむらくは、どこまでが『君主論』の話で、どこまでが著者の主張なのか、少々わかりにくかったこと。
また、内容の重複も目立ちました。
それでも、ビジネス戦略、マーケティングを專門とする著者ならではの事例が付されていたり、『君主論』にはない統治の視点も示されていたりして、実用的な一冊でした。
ぜひチェックすることをおすすめします。
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『最強のリーダー育成書「君主論」』鈴木博毅・著 KADOKAWA
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◆目次◆
序 章 大切なものを守りたければ「君主」になろう
第1章 ケチであれ 冷酷であれ 自ら仕掛けよ
第2章 力を求め、力を愛せ
第3章 悪を学んで正義を行え
第4章 誇り高き鋼の精神を養う
第5章 運も人も正しく支配する
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