【ファンナンスがわかれば、働き方がわかる】
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サラリーマン時代に謎だったのは、まったくキャッシュフローを稼いでいないのに、待遇への不満を言う人がたくさんいたこと。
セミナーを開催するうちにわかってきたのは、彼らは会計やファイナンスを勉強していないため、経営者の評価基準がわからないんだ、ということでした。
経営者の通信簿である「決算書」を見れば、どう貢献できるかがわかりそうなものなのに、それをやっている人は少ない、ということなのです。
本日ご紹介する一冊は、2000件以上の企業価値評価に携わったファイナンスのプロが、あなたの価値を測る数式を紹介し、数字を上げるための働き方・心構えを説いた一冊。
現在価値(PV)=将来の平均キャッシュフロー(CF)÷割引率(R)
というシンプルな式で企業価値も人の価値も導ける、というのが主張で、確かに筋が通っています。
これを見れば、<評価されるのは「キャッシュを生む力」が大きい人>であるということが瞬時にわかるでしょう。
考え方として、会計とファイナンスの違いが示されているのも、勉強になりました。
・会計上では、「現金に変わりやすいもの」ほど優れた資産
・ファイナンスでは「将来的にキャッシュを生む力」が大きい資産ほど優れた資産
だから、会計では現金、預金、売掛金、商品や在庫、土地や建物の順番に記載されるのに対し、ファイナンスでは、「ヒト・ブランド力」→「固定資産」→「商品、在庫」→「現金、預金」という順番になるのだそうです。
ファイナンス的な考え方のエッセンス、もっと詳しく見て行きましょう。
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企業の現在価値とは、「今どれだけの資産を持っているかではなく、将来的にどれくらいのキャッシュフローを生むか」で決まる
あなたの現在価値は、あなたが将来生み出すキャッシュフローをあなたの割引率で割った値
「自分自身」は譲渡不可能な資産です。外的要因により現金や不動産をすべて失ったとしても、自分だけは絶対に残ります
将来のキャッシュフローを大きくするために必要なことはたった二つ、「土台作り」と「実績作り」です
会社から見たあなたの価値を上げるには「会社の利益(キャッシュイン)を増やして、あなたにかかる費用(キャッシュアウト)を減らす」こと。多くの人はこれを勘違いして、給与が高い人ほど価値が高いと思っています
会社は巨大なおもちゃ箱だと思ってください。箱の中には、長い時間をかけて先輩たちが作り上げてきたおもちゃ──つまり、技術力、商品、生産設備、ブランド、取引先などビジネスに必要なものがすべて入っています。個人でそれを全部そろえようとしたら大変なことですが、会社にいれば、その貴重なおもちゃを好きに使うことができる。こんなおいしい話はありません
おもちゃはきれいに使わないと信用をなくす
営業ほど「キャッシュフローを生む力」を伸ばしやすい仕事はない
バイサイドの最大の弱点は、顧客の顔が見えにくいこと
専門バカになりすぎるとキャッシュフローは頭打ちになる
一番ダメなのは、「自分はこれだけ実績をあげたのだから、課長にしてほしい」といった出世アピールです。あなたが課長になろうがなるまいが、会社の価値そのものが高まるわけではありません。社内における相対価値でしかない出世に固執する人は、会社に価値を与えようとしていないとみなされて評価が下がります
自分が手がけるビジネスの「リスク」と「目標利回り」を自覚せよ
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途中からは、ファイナンスというよりほぼ自己啓発の本になっていますが、ファイナンス的な考え方を学ぶには、良いきっかけとなる本だと思います。
ぜひチェックしてみてください。
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『私はいくら?』野口真人・著 サンマーク出版
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◆目次◆
第1章 会社はあなたにいくらの価値をつけるのか?
第2章 あなたが「稼げる人」になるために
──将来のキャッシュフローを最大化する
第3章 あなたの「信用力」を上げるために
──割引率を下げる
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