2015年9月1日

『グレートカンパニー』リッチ・カールガード・著 vol.4060

【米経営学者、コンサルタントが絶賛!の一冊】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478039615

経営において数字「だけ」を重視すると、ほとんどの経営者が同じような行動を取り、同じように不正を働きます。

そして悪いことに、企業の活力や創造性の元となる「何か」が損なわれていくのです。

これから、日本企業はROE重視の経営に向かい、金融庁や機関投資家、株主の監視が強まるようですが、そうなればいよいよ、短期的な収益が重視され、長期的なビジョンやロマンが失われていく可能性があります。

本日ご紹介する一冊は、<優れた経営者が数字よりも大切にしている5つの条件>を紹介した本で、あの『イノベーションのジレンマ』のクレイトン・クリステンセン教授や、カリスマコンサルタントのトム・ピーターズ氏も絶賛する、今話題の経営書。

著者は、『フォーブス』誌の発行人にして、人気コラムニスト、これまでに数多くの大物経営者に取材し、自らもアントレプレナーとして成功している、リッチ・カールガード氏です。

本書のなかで著者は、<企業の長期的な成功の三角形>として、戦略的基盤、ハードエッジ、ソフトエッジの3つを挙げ、なかでも見落とされがちな、ソフトエッジの5つの要素を紹介しています。

われわれはともするとハードエッジ(スピード、コスト、サプライチェーン、流通、資本効率)を重視しがちですが、イノベーションが自然に起きる健全な状態をつくろうと思ったら、ソフトエッジが重要になるのです。

著者によると、<ソフトエッジで優位に立つと、ブランド認知が高まり、利益率が上がり、得意先が増え、熱心な従業員が増える>。

さらに、<ソフトエッジで秀でている会社は、戦略上大きなミスを犯しても、生き延びられる場合が少なくない>。

本書では、このソフトエッジの5要素(信頼、知性、チーム、テイスト、ストーリー)を挙げ、それぞれに卓越した企業の例を紹介しています。

いまや、世界最大の保険市場を持つアメリカで最大の生命保険会社になったノースウェスタン・ミューチュアル社のCEO、ジョン・シュリフスキーの言葉、著者と一週間旅した時のビル・ゲイツの言葉、現在成長中のレストラン帝国、モモフクのオーナー・シェフ、デイヴィッド・チャンの言葉、フットボールの試合を根本的に変えた画期的方法「ウェストコースト・オフェンス」を考案したビル・ウォルシュ…。

さまざまな組織、個人の事例が登場し、このこのソフトエッジの5要素の重要性を確信させてくれます。

どんな内容が述べられているか、さっそく見てみましょう。

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ウォール街は、ハードエッジを重視し、スピードや実行力や短期の資本効率によって動かされている

あなたの会社がどんなに速く効率よく低コストで事業を展開しても、テクノロジーと競争相手は、はるかに安くよい製品を用意してあなたの会社を追い抜く方法を考え出すだろう

従業員がみな互いを信頼するようになると、参加と学習と実験──いずれもイノベーションに不可欠なもの──が促進される

「うまくいっているときなら、どんな会社でも優れた文化を持つことができる。苦境に陥ったときにこそ、自社の価値観を守る覚悟があるかどうかがはっきりわかるのだ」(ネットアップ社 元社長トム・メンドーザ)

「成功するには、何があってもめげない気概が必要だ」とセオドアは言った。「いや、気概と信頼だ。プロセスを信頼する必要があるのだ」(ノースウェスタン・ミューチュアル社 マネージング・パートナー スコット・セオドア)

社員を監視する企業からはアイデアも信頼も生まれない

どんな組織であれ信頼を高めようと思うなら、より大きな目的、つまり「真北」を指し示すものが何であるかをはっきりさせるといい

雑談しにくい職場に創造性は生まれない

仕事をやり遂げる力こそが「知性」である

「なぜわれわれは、優秀な人たちと同じことをしないのか?」なぜなら、時間がかかるからである。粘り強さが求められるからである。謙虚であることや、知らないことを知らないと正直に認めることを要求されるからである

一〇人前後のチームが、ほどよい大きさで、高い業績を最もあげやすいことがわかってきた。アマゾンの創業者でCEOのジェフ・ベゾスはこれを「二枚のピザ」ルールと呼び、開発チームはピザ二枚を食べきれる人数であるべきだと述べている

必要だと思う最少の人数まで削り、そこからさらに一人減らすこと

ルールや境界を最初からはっきりさせて、責任を負う雰囲気が即座につくられるように

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結論は、ややありがちではありますが、経営の「原因と結果」と正しく理解させてくれる、優れた論考だと思います。

序文をトム・ピーターズが書き、結びの言葉をクレイトン・クリステンセンが書くという、何とも贅沢な一冊。

これはぜひ、読んでみてください。

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『グレートカンパニー』リッチ・カールガード・著 ダイヤモンド社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478039615

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◆目次◆

序文 トム・ピーターズ
はじめに
第1章 「グレートカンパニー」が持つ成功し続ける条件とは何か
第2章 なぜ経営者は財務諸表だけ眺めていてはいけないのか
第3章 永続企業の第一の条件 チーム全体の信頼を高める
第4章 永続企業の第二の条件 変化に対応し続けるための「知性」を育てる
第5章 永続企業の第三の条件 失敗を恐れないチームをつくる
第6章 永続企業の第四の条件 他社には真似できない「テイスト」を生み出す
第7章 永続企業の第五の条件 心に響くストーリーの語り手になる
結論 データと感性の融合が最強のチームをつくる

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