【経済学が面白いほどわかる】
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今朝、山手線に乗っていたら、車両内モニターに、日本経済新聞からの出題と称して、円安下で輸出が急増しているもの(家庭のタンスのなかにある)は何か、というクイズが出されていました。
答えは、高齢者が質入れした宝石なのですが、じつはこの答え、経済学の基礎がわかっていれば、大体予想できる結果です。
なぜなら、経済学の教科書では、価格弾力性の高い財(価格の上下に敏感に反応する商品)の例として、宝石やスポーツ用品が挙げられているからです。
実業家のなかには、「机上の空論」といって座学をバカにする人もいますが、やはり経済学を学んでおくと有利なことはたくさんあります。
あまり時間をかけずに、要点をズバリ学ぶ読み物として、おすすめしたいのが、本日ご紹介する『大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる』という本です。
基礎知識だけを何となくわかった気にさせて、全体像を疎かにするいわゆる「わかりやすい」本と違って、中身は極めて本格的。
まさに、大学の経済学の授業のエッセンスを凝縮した、といっていい内容です。
さっそく、中身の一部をチェックして行きましょう。
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希少性は、「需要」と「供給」の相対的な大きさで決まります
可処分所得が増えると、家計は同じ価格であっても前よりもたくさんリンゴを買いたいと思うでしょう(中略)新しい需要曲線は古い需要曲線よりも右上方に押し上げられています。この需要曲線の移動を、需要曲線のシフトといいます
生産コストに影響を与える要因として重要なものは、生産要素の価格です。たとえば、賃金が上昇すれば生産コストも上昇するので、いままでよりも限界コストが上昇します。すると、いままでと同じ市場価格では採算がとれなくなりますから、その財(リンゴ)の供給は減少するでしょう。その財(リンゴ)の供給曲線は左上方に押し上げられます。これが供給曲線のシフトです
価格に対して需要が弾力的な財は、贅沢品に多くあります。たとえば、宝石は日常の生活で特に必要なものではないですから、値段が高ければ無理して買おうとまでは思わない人が多いでしょう(中略)ゴルフ用品、テニス用品などのスポーツ用品も価格の弾力性が高くなります
限界収入と限界費用が一致する点では、これ以上生産を増やすことも減らすことも企業の利益になりません。ここが企業の主体的な均衡点(=利潤最大点)となるのです
完全競争市場とは、(1)財の同質性、(2)情報の完全性、(3)多数の経済主体の存在、(4)参入の自由という4つの条件を満たした市場のこと
◆市場にひとつの企業しか存在していない理由
1.規制がある場合
2.規模の経済性が大きい場合
市場ごとに価格を変えることで、儲けが増える
寡占市場はゲーム理論で動く
生産が増えたことによって得られる額が、生産に必要なコストを下回るまで、企業は資本を投入して生産をつづけたほうがよい
不況下で起きるインフレは悪いインフレ
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まさにタイトルに偽りなし。
大学4年間の経済学が本当に10時間で学べる内容です。
大学時代に学び損ねた部分があるという方や、忘れた部分を含めておさらいしたいという方、ある程度の社会人経験を持ち、これから経済学にチャレンジしたいという方に、ぜひおすすめしたい一冊です。
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『大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる』井堀利宏・著 中経出版
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◆目次◆
第1部 経済学とは何か
1.ミクロ経済学とマクロ経済学
第2部 ミクロ経済学
2.ミクロ経済学の基本
3.消費者はどう行動するのか
4.企業はどう行動するのか
5.市場の機能と価格メカニズム
6.所得分配の決まり方
7.独占と規制
8.寡占市場
9.外部性と市場の失敗
10.不完全情報の世界
第3部 マクロ経済学
11.マクロ経済学の基本
12.GDPはどう決まるのか
13.マクロ経済主体の行動
14.財政政策
15.金融政策
16.景気と失業
17.インフレとデフレ
18.経済成長
19.国際経済
20.マクロ経済政策
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